「11月下旬にも東京電力14億円サービス残業代支払う。」と、大きく新聞に出ていましたが、ここ2年程サービス残業や長時間労働に対する摘発が急速に増えております。西多事務所関与先でも今年だけで数件のサービス残業に関する監督署の摘発や労使トラブルの相談がありました。

「ウチは、残業代が付いても付かなくても、自分の仕事はトコトンやるという社風だから大丈夫ですよ!」と言うケースに遭遇することが多々ありますが、労働者本人の訴えで、監督署が調査すれば、例え中小企業であっても一発で37条違反ということで、是正勧告を受けることとなってしまいます。

※「労働基準法(37条)」では原則、所定労働時間が8時間を超える場合には、通常の労働時間の1.25倍の割増賃金を支払わないといけないことになっています。



摘発を受けるとサービス残業の恐ろしさを味わうことになります。まず、過去の残業代未払い分として、一度に数百万〜数億円の支払をしなければならなくなり、当然、摘発後は将来に向かって適正な残業代を支払っていかねばならなくなります。
交通事故や労災事故は、事故があっても保険が補償してくれます。しかし、残業代未払い分や残業代は全額自社で原資を用意する必要があるため、大変なことになります。
もし、「そんな大金、払えるかっ!」と、開き直れば、監督署(官)は司法警察官ですから、事業主を逮捕・書類送検することさえあります。


 ◎具体的な残業(割増賃金)対策について
上記のような失敗をしないためにも残業(割増賃金)対策を考えてみましょう。


●「対策方法1」・・・始業、終業時刻の繰上げ繰下げを活用する。
始業時刻より早く出勤すると早出残業、終業時刻後を残業として取扱っているケースがありますが、就業規則に「始終業時刻を業務の都合により繰上げ、繰下げることがある。」という規定があるだけで、早出や遅出をしてもらうが実労働時間が1日8時間以内であれば、残業代は発生せず、不要な残業代を削減出来るケースがあります。


●「対策方法2」・・・振替休日を活用する。
本来の休日に出勤してもらいたければ、事前に別の日に休日を振り替えれば、休日労働を行わせたこととはならずに、休日の割増賃金の支払は不要となります。


●「対策方法3」・・・休憩時間を活用する。
通常はお昼に1時間の休憩時間を設定していることは多いのですが、これとは別に午前・午後に10分や15分程度の短い休憩時間を設定するのも一つの方法です。
そうすることにより、所定労働時間を30分延長することができ、残業時間を抑えることができます。
・「始業・終業」9:00〜18:00、「休憩」昼1時間のみ・・・・・・・・・・・・・・・実働8時間
                 ↓
・「始業・終業」9:00〜18:30、「休憩」昼1時間、10時・15時各15分・・・実働8時間


●「対策方法4」・・・変形労働時間制を活用する。
大雑把ですが、「当社は1ヶ月の変形労働時間制である。」とすれば、1ヶ月を平均して週40時間になればよい制度で、忙しい日は、1日10時間勤務と設定すれば、その日の所定労働時間は10時間のため残業代が生じませんので
無駄な残業時間の削減には大変効果的です。


●「対策方法5」・・・残業代を込みで給料を決める。
「残業代込みで月額25万円!」と採用時に決めるケースがありますが、これだけですと、トラブルになった時は、残業を払っていたとは認められません。認められるためには、給料に含まれる残業代部分を明確にし、それが何時間分の残業代かを明確にする必要があります。また、実際の残業が、給料に含まれている部分を超える場合には、その差額を払う必要があります。そのようなことを踏まえて・・・・、

例えば、【1ヶ月22日出勤、1日8時間労働、残業代50時間】としたければ
・法律どおりに計算すると、
・基本給184,486円、残業代50時間分65,514円=合計25万円
となり、雇用契約書や賃金台帳に明確に記載すれば、毎月50時間残業させていても問題になりません。



いろいろと書きましたが、顧問先事業所さまへは、これら、残業対策の就業規則の改定や残業代込みの賃金シュミレーションが必要な場合はいつでも相談にのりますのでお申し付けください。