●●●退職時のトラブル防止ポイント●●●
   

 今回は退職時のポイントについて特集します。
労働基準法改正により解雇ルールが法制化され、退職時のトラブルには一層の注意が必要となりました。


(1) ●社員が辞める場合は、必ず退職願(承諾書)を提出してもらう。


ここ数年、よくあるのが、「(社員側)・・・会社が辞めろといった。だから、解雇だ。」、「(会社側)・・・いや、退職しろとは言ってない。自分から辞めていった。」と退職理由で主張が対立するケースです。こういう場合、お互いの言い分が正反対のため、なかなか円満に解決しません。こうなると、社員側も「なんとかして権利を行使してやろう」と行動しますから、30日分の解雇予告手当の支払を求められるのはもちろん、慰謝料の請求に発展する場合もあります。また平成13年4月以降は、雇用保険法が改正され、事業主の都合による退職であれば失業給付の日数が増えるため、社員側も退職理由には敏感になっています。


このようなトラブルに発展するケースの大半の原因は、「退職願」がないからです。もし、「退職願」があれば、自ら職を辞したことは明白なため、解雇かどうかの紛争にもならなくてすみます。そのため、トラブル防止のためには、必ず「退職願」を提出してもらい、辞職の意思を確定させておくことが必要です。


また、解雇の場合であっても、後日、「解雇は無効だから復職させろ。」と迫られるケースがあるかもしれません。(紛争になると、解雇無効を訴えられるケースは本当によくあります。)これに対抗するには、「解雇の退職承諾書」を社員から取得しておくことが有効です。(例・・・「2月20日付で、解雇(会社都合)により退職いたします。」といった感じでしょうか。)これがあれば、解雇の理由はどうであれ、「社員は解雇による退職に合意した。」ととることができ、
そのようなトラブルを防ぐことができるのです。

※西多事務所では、「退職届」の雛型を何種類か用意していますので、必要な場合はお申出下さい。

  
(2) ●就業規則整備による、無断欠勤への対応


最近、ある日突然出勤しなくなるという形で退職してしまう社員が増えています。西多事務所の関与先でも年間に10人位は無断欠勤のままの退職が発生しています。
無断欠勤中、再三連絡をとっても応答がなく、やむを得ず解雇扱いにした途端、突然会社にやってきて「解雇は無効だ。退職する気はなかった。」「解雇にするなら、30日分の解雇予告手当を支払ってくれ。」などと、信じられないような社会的常識に欠けた発言をするケースもあります。


そういったことに対抗するために、「無断欠勤が2週間以上続いたときは、懲戒解雇する。」と就業規則に規定しているのはよく見受けられます。これは、労働基準法の通達で理由の無い無断欠勤が2週間以上続き、出勤の督促にも応じない場合は、解雇予告除外認定(30日前の解雇予告をしなくてよくなる)の許可基準になっているからです。
ドラマでよく「お前はクビだ!」などとやっていますが、法的には解雇予告除外認定を受けなければ、変な話ですが、懲戒解雇であっても、30日前に予告するか、30日分の予告手当を支払わないと解雇できないことになっているのです。
また、実務上では、監督署は解雇予告除外認定をなかなか出してくれません。西多事務所でも何回か除外認定を取った
ことがありますが、添付書類等を完璧に揃えないと難しいのが現状ですから、言った言わないの状態では認定を取るのは厳しいと思われます。
 

そこで、就業規則の通常の退職理由のところで「無断欠勤が2週間以上続いた場合は、自動退職とする。」と規定すれば、解雇であるかどうかの問題が発生せず、当然に労働契約が終了されるので、解雇予告、解雇予告手当の支払あるいは解雇予告除外認定を受けるなどの問題もなくスムーズに自動的に退職手続をすることが可能となります。


(3) ●パート社員の場合は、最終契約の期間満了で対応。


平成16年1月以降は、「1回以上契約を更新し、かつ3年以上雇用」されたパート社員を、会社の都合で契約更新しなかった場合は、雇用保険法上では解雇の扱いになります。そうなると、もし会社が助成金関係を受給していると、助成金が不支給になる影響も考えられます。そんな場合は、最後の契約書に、あらかじめ「本契約をもって最終契約とする。」との一筆を入れておけば解雇扱いとならず、会社の助成金にも影響なく、本人も解雇と同じ日数の失業給付が受給できるので、スムーズに処理が進みます。



今回の内容で詳しく知りたい場合は、西多事務所までご相談ください。