社会保険事務所の調査について
不定期に、社会保険加入事業所に対して、社会保険事務所の調査が実施されます。これは、社会保険に関する事務が適正に行われているかどうか、社会保険事務所が確認するためのもので、事業所ごとに35年に1回くらいの割合で行われており、避けて通れない道となっています。

  

どのようにして行われるかといいますと、社会保険事務所によっても異なりますが、過去2年分程度の賃金台帳や出勤簿、総勘定元帳、源泉税納付書の控などを準備して、決められた日時に社会保険事務所へ出向くというのが通常のやり方です。


西多事務所の受託事業所様でも例年、約20事業所に対して実施されます。
どういったことを調べられるのか、普段どのようなことに気をつけて社会保険事務をする必要があるのか、ということについて見ていきましょう。

                      
(1)社会保険の加入もれはないか。

 パートやアルバイトであっても勤務日数と勤務時間の多い人は社会保険に加入しなくてはなりません。そういった人の加入もれがないかどうかを確認されます。方法としては、

   ア、賃金台帳、出勤簿(タイムカード)を調べて、勤務の多い人がいないかどうか。

イ、源泉税納付書に書いてある「給与を支払った人の人数」と賃金台帳上の人数が一致しているか。給与の総額も一致しているか。

  ウ、総勘定元帳の「給与」の合計額と、賃金台帳の数字のつじつまが合っているか。

などにより調べられます。イやウが一致していない場合は、「加入義務のある人の賃金台帳や出勤簿を故意に隠しているのでは?」と疑われかねません。

 ポイント! 

  社会保険に加入義務があるのは、「1日の勤務時間と1ヶ月の勤務日数がともに、正社員のおおむね4分の3以上ある人」です。

勘違いされている方が多いのですが、給与の多い少ないは関係ありません。

なお2ヶ月以内の期間に限って雇う場合などは、加入の対象とはなりません。

                     

   

(2)社会保険の加入日は適切か。

 「新入社員については、すぐ辞めてしまうかもしれないから、しばらく様子を見て試用期間が過ぎてから社会保険に加入させたい」とおっしゃる事業主様がいらっしゃいますが、これはしてはいけないことになっています。この
ようなことがないかどうか、出勤簿などでチェックされます。

ポイント!

 社会保険は、試用期間がある場合でも採用したその日から加入させなければなりません。

                


(3)社会保険料は正しく決定されているかどうか。

@ 社会保険料は、入社時に予定されている給与額に基いて決定されますが、その際の見込額が正しく届けられているかどうかについて調べられます。
もし実際の給与額と大きくかけ離れている場合は、入社時にさかのぼって、訂正を求められます。

ポイント!

 何ヶ月もさかのぼって保険料がUPになると、事業主も本人も大きな負担を強いられます。見込額と実際の額に大きなズレが出ないよう、残業手当や販売手当なども初めから考慮に入れておくこと、また通勤手当などの加算もれがないよう注意が必要です。

 もし、見込み違いがあったときは、なるべく早い時期に訂正しておくべきです。

A 社会保険料は、お給料が大きく変動したときも改定になります。これを月額変更または随時改定といいますが、この届がもれていないかについてもチェックされます。

ポイント!

  月額変更に該当するのは、簡単にいうと、次の3つの条件に当てはまったときです。

  ア、基本給や家族手当、資格手当など、毎月定額の部分の給与が変更になったとき。

  イ、給与の変更月から3ヶ月間の出勤日数がいずれも20日以上のとき。

  ウ、社会保険の等級が2等級以上変わるとき。変更月から3ヶ月間の平均による

 お給料が変更になったときは、上記に該当するかどうか西多事務所でチェックしますので、必ずお知らせください。

紙面の関係上、一部しか紹介できませんでしたが、この他、西多が受けた調査では、年金収入が限度以上あるにもかかわらず扶養家族になっている方について、即刻、削除を求められたケースが何件かありました。
それ以外は、ほぼおおむね適正との評価をいただきましたが、調査が年々厳しくなっていることは確かです。日頃社会保険に関することで、「これはどうだろう」、「これは大丈夫かな」ということがありましたら、小さなことでもお早めに西多事務所へご相談ください。