●●社会保険事務所の調査 傾向と対策●●  
   

 社会保険に加入している事業所は、社会保険に関する事務が適正に行われているかの確認のため、定期的に社会保険事務所の調査が行われます。西多事務所の関与先でも、例年、十数件の事業所が対象となります。

  
◎調査対象の事業所選定方針が変わってきました

最大の特徴は、サービス・小売業が重点的に調査されているということです。今後もその年度ごとに業種を絞って調査を行っていく傾向が続くようです。
また、15年10月に各社会保険事務所に「社会保険・労働保険徴収事務センター」というものが設置されました。目的の一つに、「社会保険と労働保険の共同調査」が挙げられています。確認したところ、15年11月から社会保険事務所と労働局が実際に共同で調査を実施するとのことです。当面は、大規模事業場(従業員数が1,000人以上等)を想定しているとのことで、年に十数件程度にとどまることのことです。ただし、今後は社会保険と労働保険で矛盾した手続きがなされていると指摘を受ける可能性があるので注意が必要です。



◎社会保険の加入もれはないか?


@ ここ数年、特に重点的に社会保険事務所が行っているのがこの調査です。
パートやアルバイトであっても、1日の勤務時間と1ヶ月の勤務日数が正社員のおおむね4分の3以上であれば社会保険に加入することになっています。今回、調査官はフルタイムに近い勤務なのに未加入となっている従業員がいないかどうか、賃金台帳や出勤簿等を確認しながら、実に細かく1件1件チェックしておりました。
A 加入すべきなのにしていないことが指摘されますと、最高2年前まで遡って加入させられることがあります。そうなりますと、保険料を追加で支払う必要がでてきます。金額が大きいと従業員からも一括で徴収するのは困難になります。特に、60〜69歳の年金をもらっている人は、遡って社会保険(厚生年金)に加入すると、給料の額に応じてもらい過ぎた年金を返還しないといけなくなるので本当に大変です。
B 対策としては、雇用契約書を作成し、社会保険に加入しない程度の勤務時間・日数で就労することが大前提であることを文書ではっきり残しておくことが大事です。今後、パート等の出勤日数管理には、より一層の注意が必要です。
           


◎賞与(ボーナス)を支払ったときの処理は適正か?


賞与を支払うときは・・・
@ 賞与を支払うときは社会保険料の引き去りをお忘れなく。保険料率は以下の通りです。「寸志」などの名目で少額の支払いしかない場合でも同様です。
     ・健 康 保 険 料 ・・・ 総支給額×0.041 (政府管掌健康保険の場合)
(介護保険料あり0.04545)
     ・厚生年金保険料 ・・・ 総支給額×0.0679

A 15年4月より総報酬制が導入され、賞与の社会保険料が大幅にUPしていますし、厚生年金保険料は将来、従業員の年金額に反映されることになっています。そのため、賞与関連は従前に比べて細かくチェックするようになりました。賃金台帳の確認はもちろんのこと、税務関係(所得税内訳書)の書類とも突合し、賞与に関する届出にもれや誤りはないか調べられます。また、賞与届は4月以降、従業員一人ずつの賞与額を記載する書式に変わったのですが、届け出られた各人の賞与額と賃金台帳に記載された賞与額が一致しているかどうかもチェックされました。

B 賞与を支払った場合、「賞与等支払届」の提出が必要です。西多事務所に社会保険事務を委託いただいている事業所様は、支給額と支払日のわかるもの(賃金台帳など)を西多事務所までFAXまたは郵送くださるようお願いします。

◎ その他の調査事項等
以下のようなことも調査を受けます・・・
★ 加入の日付は適正か?
 「新入社員はすぐ辞めるかもしれないから、2、3ヶ月様子を
見てから社会保険に加入させる」というケースが時々見られますが、これは誤りです。たとえ試用期間であっても、採用1日目から加入しなければなりません。出勤簿などによりこういった誤りがないか確認されました。

★ 加入時の保険料は正しく決定されているか? 
 加入時の保険料はお給料の見込額に基づき決めますが、見込額と実際のお給料が大きくかけ離れている場合は、見込み違いということで、入社時にさかのぼって訂正を求められます。残業手当なども考慮した上で保険料を決める必要があります。

★ 月額変更届(保険料の改定)のもれはないか?
 昇給などによりお給料が大幅に変動したときは社会保険料の改定が必要です。この届のもれがないよう、西多事務所でチェックしますので、基本給だけでなく家族手当や通勤手当など固定的なお給料に変更があったときは、必ずお知らせください。

 



■■これらの事項でご不明な点がありましたら、西多事務所までご相談ください。■■