研削用例
編集・管理 近江研磨

研削といし使用例
円筒研削
1.円筒研削では出来るだけ大型機械を使用した方が種々の点で便利です。

2.研削精度の向上にはセンターと、センター穴が正確であることが必要です。
3.選択表は、トラバースカツトの場合の標準になっています。
4.特別の場合を除き、粒度の巾は±1段位いです。例えば粒度#54が標準の場合は
@.研削面の精度、粗さを主体とする場合は
#60
A.研削能率を主体とする場合は
#46
を選びます。
5.結合度の巾は±2段位いです。
@.研削面の精度、粗さを主体とする場合は1〜2段硬目のものを。
A.研削能率を主体とする場合は、逆に軟かめの方を選びます。
6.組織は、特に規準がありませんが、円筒研削では5〜6位いが標準です。

7.高硬度材料又は発熱、研削ヤケを嫌う場合には、A,WAに代りHA,PA等を使用します。
8.次の場合には、レジノイドといしが使用できます。
@.ロールのように、大径かつ長大で取り代の多いもの。
A表面平滑を主とした仕上研削の場合。
9.プランジカットの場合の注意事項は、
@.ドレッサーの品質程度が重要です。
A.Rの最少径には精度の限界があるので、例えば(ネジ研削参照)一般にRのくずれがドレスインターバルを決めることとなります。円筒面は、トラバースカットと同様です。
B.ー般的に、A寸法を加減することにより、側面(平面)、円筒の同時研削が可能となります。





センターレス研削
1.普通の円筒研削の場合は、被研削物のセンターを支持して研削加工が行われますが、センターレス研削は、このセンター支持を全く行わず、被研削物を、研削といしと調整といしおよび被研削物の支持体の3者が接触、支持し、この3点接触と之が適切な機械的操作、運用によって被研削物を正確な真円に、迅速に研削し、量産的効果をあげる研削方法であります。

2.この場合の研削といしは、厚さの厚い場合が多く、またといしの平衡度が研削精度に重大な影響を与えるので、といしのバランスには特に注意が必要です。
3.調整といしは、普通ゴム法で次のものが用いられています。
A,80〜150,R.R.
4.センターレス研削には、スルーフィード式(通し送り研削)と、インフィード式(停止研削)の2つの方式があります。
@.スルーフイード式で行う研削作業は、直径に比して長大なもの(ゴイルバネ材、みがき金属材又は非金属材)や、ベアリングのような比較的量産を必要とする場合、この方法で行います。
A.インフィード式で行う研削作業は上記方式では作業が不可能な段付物、或いは、円筒研削では、振れ止めの取り付けの困難な場合等に、この方法がとられます。
5.選択表はスルーフィード式の場合の標準です。インフィード式の場合には、円筒研削におけるブランジカットに準じた注意が必要です。
平面研削
1.一般に平面研削には軟い研削といしを用います。特に立軸では接触面が多くなりますのでこの傾向が著しく、安全上、注意を要します。


2.被研削物のチャッキングは電磁チャックを用いますから薄物にはソリが生ずるので注意を要します。
3.平面研削の方法は、研削盤のといし軸の配置とテーブルの形状により、図のように分類されます。
4.平面研削作業に使用するといしは、研削盤の様式に応じて発達したものであり、一般に被研削物の接触面積に応じて、カップ形→、リング形→セグメント形の如く使用されています。
5.これ等のといしは、比較的粒度が粗く、結合度も軟いので従って縁厚(W)を極度に薄くすることができません。そこで、研削接触部を、図の如く縁落しを行い、接触面を適当に加減して作業を行います。
6.被研削物との関係上、といし側の面積が大きくなるディスク形の場合には逃げ穴、逃げ溝をつけて前項同様の効果をねらいます。
7.平面横軸形の研削盤では、総形研削が行われることが多くなりましたが、これには、円筒研削のプランジカットの場合と同様な考え方で、といしの選択を行うことが必要です。
8.対向2軸、又はディスクといしを使用する場合には、レジノイドといし、又はマグネシアといしが有効です。
9.選択表は、ビトリファイドといしを使用する場合の標準です。
10.ディスク研削
10−1ディスク研削とは、といしを台板に接着、又は、ねじ締付して、表側のといし面で研削を行うもので、その研削盤には立軸、横軸、単頭、両頭等の各形式があります。
10−2選択表の前半にある粗い自由研削には立軸単頭式の研削盤で、主としてレジノイドといレを用います。
10−3選択表後半の中程度の研削には、2軸式(ダブルグラインダー)で、一般にはレジノイドといしが使用されますが、といしに剛性を必要とするコイルバネのようなものには、マグネシアといし、ビトリファイドといしを用います。
10−4尚、これ以上の高精度を要するもの、又は高硬度の材料の研削には、超と粒ホイールを用いるか、或いは、GC又はダイヤのラッピングを行うことになります。
内面研削
1.穴の内径(内部表面)の研削を内面研削と言います。穴は大低真直な円筒もしくはテーパーの円筒及び真直とテーパーに形造られています。この研削は平形といしとかその変形といしの外周で行われます。
2.内面研削は、一般に被研削物の内径のほぼ70〜80%位いの外径のといしを使用しますが、といしの外径に比して接触弧が大きく、かなり無理な重研削になるため、色々工夫が必要です。
3.処理といしについて、といしの気孔中に、硫黄又は樹脂等をさん浸透或いは重鎮させたもので、研削作業時における研削熱により、これ等が溶解して、研削液との相乗作用により、研削性能の向上と、といしの寿命延長に効果があります。
4.めくら穴の内面、底面の同時研削についてこの研削作業を、従来の普通といしで行う事はいろいろな面で困難が多いので、近年では超と粒ホイールが推奨されています。
ネジ研削・歯車研削
ネジ研削
ネジの研削には高精度のネジ研削盤を用いなければなりません。研削といしの選択は次のようにします。
と粒 被研削物の材質SKHにはGC又はWAを、SKSまたはS−CにはWAを選択する。
粒度 ネジの桓類(ピッチ、谷のR)により決める。
結合度 研削状態(ムクからの研削又は仕上研削の別)、材質、といし周遠度、といし外径、粒度により決める。表はネジ研削といしの標準選択をまとめたものであります。

歯草研削
代表的な歯章研削盤には、大型用としてマーグ式のもの、小型用にはライスアワー式のものが、多<用いられます。表は歯車研削の標準選択をまとめたものであります。 
工具研削(工具鋼)
工具鋼の研削
1.工具研削は、工具メーカーに於いて新たな材料から製作する場合と、ユーザーに於いて、使用後摩耗したものの刃とぎ再研削を行う場合とがあります。
2.工具の種類により、それぞれ専用の研削盤が用いられるのが殆んどです。
3.工具の材質の、SKH2〜4又はこれに近似のものは、下記の選択表がそのまま使用できます。
4.更に研削性能の向上、といし寿命の延長が必要な場合は、WAの代りに、HA,PA等を使用すると好結果が得られます。
5.Vハイス(V≧4%)のような難削材料の場合にはHA,PAを使用し、それでも尚、不充分な場合にはCBNと粒(一部では特珠なDと粒)を用いなければなりません。
6.結合剤は、殆んどビトリファイド(V)ですが、超と粒及び一部の工具製作専用研削にはレジノイド(B)を使用する場合があります。
選択標準について
注(10)ねじ部及び歯面については、それぞれ普通に用いるピッチ及びモジュールに適応するといしを示した。
備考
1.タッブのねじ部及びピニオンカッタの歯面の製作用といしは、普通に用いられるそれぞれのピッチ及びモジュールの値によって分類した。
2.チェーザ、ブローチ、その他特に切削仕上面の良否が問題になる切削工具の刃研ぎの場合には、この選択標準で取り上げている程度以上の仕上面が望ましい。
工具研削(超硬合金)
工具鋼の研削
1.工具研削は、工具メーカーに於いて新たな材料から製作する場合と、ユーザーに於いて、使用後摩耗したものの刃とぎ再研削を行う場合とがあります。
2.工具の種類により、それぞれ専用の研削盤が用いられるのが殆んどです。
3.工具の材質の、SKH2〜4又はこれに近似のものは、下記の選択表がそのまま使用できます。
4.更に研削性能の向上、といし寿命の延長が必要な場合は、WAの代りに、HA,PA等を使用すると好結果が得られます。
5.Vハイス(V≧4%)のような難削材料の場合にはHA,PAを使用し、それでも尚、不充分な場合にはCBNと粒(一部では特珠なDと粒)を用いなければなりません。
6.結合剤は、殆んどビトリファイド(V)ですが、超と粒及び一部の工具製作専用研削にはレジノイド(B)を使用する場合があります。
選択標準について
注(10)ねじ部及び歯面については、それぞれ普通に用いるピッチ及びモジュールに適応するといしを示した。
備考
1.タッブのねじ部及びピニオンカッタの歯面の製作用といしは、普通に用いられるそれぞれのピッチ及びモジュールの値によって分類した。
2.チェーザ、ブローチ、その他特に切削仕上面の良否が問題になる切削工具の刃研ぎの場合には、この選択標準で取り上げている程度以上の仕上面が望ましい。
自由研削
1.バリ取り・キズ取りのような、いわゆる粗研削(RoughGrinding)は、素材の加工から、二次製品、中聞品の加工まで含み相当広範囲に行われています。
2.作業の性質上、普通研削のように、適確なといしの選択、作業条件の指定を行うことは出来ませんが、大体下の表のようになります。
3.粗研削には、高遠回転に耐え、しかも能率的なレジノイドといしの使用が多くなっています。
4.特に、製鉄所において用いられる、スラブ、ビレット等のキズ取りは、専用の伸縮アーム式、スウイング式、或いは自走式の専用研削盤を用い、AZのような特殊と粒のレジノイドといしで、高速、高圧の、いわゆる超重研削を行っています。
注(2)工具用鋼のうち炭素工具鋼は、といしの使用現状を考慮して合金工具鋼の分類に入れてある。
注(3)特殊鋳鉄には、熱処理で抗張力を高くしたもの及びチル化した鋳鉄、合金鋳鉄を含む。
参考
自由研削においては、特に研削条件の変化、使用機械の状態、作業の状況などの変動が広範囲にわたり、したがってこの選択標準も、それらの広範囲のうちの中庸を示すものであり、それらが変化又は変動した場合のといし選択に際しては、JISB4051(研削といしの選択標準)の参考1及び参考2を参照することが望ましい。


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