梅一輪

bunka


            

梅一輪

梅の花がほころびはじめました。
梅の花が咲くとそこはかとなく香りが漂い、肌身は寒くとも春を間近に感じられます。
江戸時代の俳諧師、松尾芭蕉の門弟で服部嵐雪の「梅一輪 いちりんほどの あたたかさ」をいつも思いだします。蕉門入門は古く、嵐雪21歳頃、蕉門では最古参の一人芭蕉は、嵐雪の才能を高く評価し元禄5年3月3日の桃の節供に「草庵に桃桜あり。門人に其角嵐雪あり」と称え、「両の手に桃と桜や草の餅」と詠んだ利したほどでした。
嵐雪は若いころ随分と不良だったようです。下級武士の嫡男として生まれましたが仕官もままならず随分と苦労をかさね、世の中を斜に構えて見たこともあったのでしょう。その頃の経験と思考が後々の作句に少なからず影響を与えているのでしょう。
この句も背伸びをしない何か地に着いた喜びを求めているように感じられます。
それにしても福童子は何か勘違いをしているようですね。