世界中には、糸を吐いて繭を作る虫がたくさんいます。


名前 説明
天蚕(Antheraea yamamai)
山繭蛾の繭の写真
ヤママユガを指す.大型で羽を開くと13cm程になる。夏から秋口に現れ、明りにあつまる.幼虫はクヌギ、ナラの葉を食べる。繭から良質のテグスがとれる。天蚕の糸は、糸繰りに非常に手間がかかるため,ダイヤモンドに例えられるほど高価になっていて、刺繍程度にしか使用できない.
日光に当ることで緑色の繭を作る。
ちなみに、子供の頃成虫に追いかけられて泣いた覚えがある.あなたもある?
柞蚕(Antheraea pernyi)
柞蚕繭の写真
ヤママユガ科のガ.天蚕によく似ている。安くて丈夫な糸が取れる為,ショールや野蚕紬に用いられてきた.長野県に行けば飼育しているところがあるそうである.
天蚕と一代交雑種を作ることが出来る,と百科事典に書いてあった気がするが,その雑種をどうするのやら.以下エリ蚕までヤママユガ科の蛾が並ぶが,学名から類推されるように交配は困難だろうと推察される.
ムガ蚕(Anthraea mylitta)
ムガ蚕の写真
インド方面で取れるこの糸は、山吹色をしているが、はたしてクリキュラより黄金色ですらある.ただしその高価なことときたら、カイコの糸の比ではない.日本でも買える.
『インドタッサーという織物の原料になる.繊度が太くて丈夫な糸が取れる.』(小学館国語大辞典)
繊度はだいたい2.5デニール(D)ほど.1D=1g/9000m.生糸がだいたい3デニールだから、どちらかと言えば細いほうだろう.、
真木テキスタイルに詳しい.
クリキュラ(Cricula trifenestrata)
くりきゅらの写真
クリキュラトリフェネストラーターと言う学名で呼ばれている.東南アジアに生息する.幼虫はカシューナッツ等の木につく害虫である.繭は荒い網の目になっており、強固なセリシン分の作用と糸の色素により黄金色に輝いている.いまやインドネシアの特産物になりかけている.
与那国蚕(Attacus atlas)
よなくにさんの写真
与那国島に多くいる天然記念物.成虫の開帳時には30センチメートル近くになる超大型種.インドネシアでも採れる為クリキュラと並んで懸命に製糸,製織産業化を図っている.生物学的には柞蚕や天蚕と同種のヤママユガ科.
エリ蚕(Samia cynthia ricini)
恵理さんの写真
中国およびインドアッサム地方の原産.蓖麻子油の苗につくのでひま蚕ともいう.あまり詳しいことを知らないのでごめんなさい.
アナフェ(Anaphe reteculata)
アナフェ繭の写真
見て驚くなかれ、子供の頭ほどもある大きな繭がアフリカで取れるのである.この、一見ラグビーボールのような物体は、共同で繭を作っている無数のさなぎ達の、汗と涙の結晶.現在、糸と織物にできるように研究が行われている.

 


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