使えないモノポリー格言 第三集
by 希望岬
 国道と言えば「整備の行き届いた道路」というイメージがあります。しかし、番外Photoで
紹介した石榑(いしぐれ)峠以外にも、対向車とのすれ違いが困難な狭路、急勾配、ガードレールが
ない、荒れた舗装、路上を川が横断する、など国道とは思えない悪路(=酷道)が多数存在します。
これらの道は、転落や衝突のおそれがある上に、携帯電話が圏外の所も多く、国道標識にだまされて
入るとひどい目に遭います。行楽シーズンとなりましたが、山間部の3ケタ番号の国道にはくれぐれ
もご注意下さい(興味本位で酷道走行する私のような人間が一番危ないのですが)。
 
 今回で3回目です。
 『ライトブルーは転換、ライトパープルは追加経営』
 「プロサイド」と呼ばれるダークパープル、ライトブルー、ライトパープル、ダークブルーは、
レンタル料が安い、もしくは止まる確率が低いので、そのカラーグループの経営だけではいくら稼い
でも勝ち切れません。そうなると次の動き、すなわち転換か追加経営が必要です。転換する場合、
他のプレイヤーが経営に失敗したカラーグループを引き取る代わりに、自分の経営しているカラー
グループを差し出す事になります。当然、相手にもある程度の家が建たないと転換させてもらえませ
んが、1軒$50で家が建つライトブルーはそんな時に有利です。12軒建てさせても$600、
ホテルでも$750しかかからないので、ライトブルーである程度稼いだらすぐ転換できる強みが
あります。これが1軒$100で家が建つライトパープルではそうはいきません。
 いや、それ以上にライトパープルが転換しづらい最大の理由は「中途半端にパンチ力があるから」
です。ライトパープルのホテルのレンタル料は、セントチャールズプレース、ステーツ通りが$750、
バージニア通りが$900で、オレンジなら11〜12軒、レッド、イエローなら9軒に相当する
収益力です。これは、ライトパープルからアマサイドのカラーグループへと転換しても大して収益力
が上がらないという意味でもあります。ライトパープルの経営だけで勝つ事もたまにあるのに、それ
を手放して転換するのはリスクが大きいです。ライトパープルの場合は、転換するよりも追加経営を
目指す方が良いでしょう(追加経営は転換のように簡単にはできませんが)。

 『転換の目安は9軒』
 プロサイドからアマサイドへと経営転換する場合、それまでに経営していたカラーグループよりも
レンタル料や収益力が上回らないと意味がありません。ライトブルーから転換するケースが大半なの
で、ライトブルーがホテルの時のレンタル料(オリエンタル通り、バーモント通り$550、コネチ
カット通り$600)と、アマサイドの各カラーグループのレンタル料を比較します。
 〈家2軒の時〉
 ☆オレンジ セントジェームスプレース、テネシー通り$200、ニューヨーク通り$220
 ☆レッド  ケンタッキー通り、インディアナ通り$250、イリノイ通り$300
 ☆イエロー アトランティック通り、ベントノール通り$330、マービンガーデン$360
 ☆グリーン パシフィック通り、ノースキャロライナ通り$390、ペンシルバニア通り$450
 いずれも、ライトブルーがホテルの時を下回ります。よって、家が2軒ずつぐらいしか建たないの
なら転換しない方がましです。
 〈家3軒の時〉
 ☆オレンジ セントジェームスプレース、テネシー通り$550、ニューヨーク通り$600
 ☆レッド  ケンタッキー通り、インディアナ通り$700、イリノイ通り$750
 ☆イエロー アトランティック通り、ベントノール通り$800、マービンガーデン$850
 ☆グリーン パシフィック通り、ノースキャロライナ通り$900、ペンシルバニア通り$1000
 「3軒目の家」が建てば、レンタル料、収益力共にライトブルーを上回ります。オレンジが3軒の
時と、ライトブルーがホテルの時のレンタル料が同額ですが、プレイヤーが1周する間に止まる確率
が違うので(オレンジ約51%、ライトブルー約40%)、期待値ではオレンジが上回っています。
 そんな訳で転換する時は、すべての土地に3軒ずつ、計9軒ぐらい家が建つかどうかが一つの目安
となります。

 『追加経営は全力で』
 カラーグループを経営する場合、有り金をはたいて全力で家を建てるのはリスクが大きく危険です
(もちろんダメとは言いませんが)。ただ、追加経営したカラーグループは全力で家を建ててもいいと
思います。追加経営をする局面とは、だいたい中盤〜終盤です。もし対抗馬がいるなら、悠長な事は
できないので全力経営すべきですし、逆に対抗馬がいない独走状態なら、無茶をしても反撃されない
のでやはり全力経営で問題ないでしょう。仮に追加経営に失敗しても、もう1つのカラーグループを
経営しているからやり直しができる…はずです。追加経営をした時はボーナスステージのつもりで
目一杯家を建ててみましょう! ただし自己責任で…。

 『家の残り軒数に注意』
 銀行には32軒の家があり、カラーグループを揃えたプレイヤーは家を建てられます。しかし、
カラーグループを揃えても、銀行に家が残っていなければ家を建てられません。実に当たり前のよう
ですが、中級以上のプレイヤーでさえ、家の残り軒数を忘れて交渉してしまう事があります。たとえ
有力なカラーグループでも、数軒しか家が建たないのではどうしようもありません。カラーグループ
を揃える(揃えさせる)際には、銀行に売れ残っている家の軒数にも気をつけましょう。

 『電水は早くまとめろ』
 電力会社と水道会社は、どちらか1枚だけ持っている時のレンタル料は(電力もしくは水道に止まっ
た時の)ダイス目の4倍です。これだと、レンタル料は$8〜$48にしかなりません。電力と水道が
揃うとレンタル料はダイス目の10倍で$20〜$120となります。それでも収益力は低いので、
できるだけ早く、より多くのレンタル料を得られるようにしたいところです。鉄道の場合、2枚目が
売り切れたからといってすぐに揃えるとは限りません。3枚目、4枚目が売り切れれば鉄道の価値が
高くなり、後で売った方が得という意味があるからです。しかし、電力と水道を分散させたままだと、
それぞれの権利書を持ったプレイヤーがお互いに損をする(と言うか儲け損なう)だけです。電力水道
を売った(揃えさせた)側は、売却額と定価との差額が利益になり、買った(揃えた)側は、収入源や
交渉材料となります。ですから、序盤〜中盤に電力と水道の両方が売り切れたら、すぐにどちらかの
プレイヤーが揃える形にしましょう。また、電力水道を揃える交渉の際、$10や$20高いか安い
かなどで延々とごねるのは見苦しく、周囲への迷惑です。交渉自体も早くまとめましょう。

 『チャンスカードは1人の客』
 家が建っているカラーグループの4〜12マスぐらい手前にいるプレイヤーを「客」、または「お客
さん」と言います。この「お客さん」がいるかどうかが家を建てる時の判断基準となります。お客
さんがいない時に家を建てても、所持金を減らすだけで危険です。しかし、チャンスカードには、
「セントチャールズプレースへ進む」、「イリノイ通りへ進む」、「ボードウォークへ進む」という
カードがあります。これらのカードに関係するライトパープル、レッド、ダークブルーの場合、手前
にお客さんがいなくても、チャンスカードによる来客の可能性に賭けて家を建てる事があります。
チャンスカードが残っている限り、常に1人はお客さんがいるのです(自分がお客さんになる事もあり
ますが…)。

 『最初の高額レンタル料は現金で受け取れ』
 レンタル料は現金で支払うのが原則ですが、レンタル料を支払う側と受け取る側が合意すれば、
物件をからめた支払いでも構いません。例えば、「レンタル料$700の代わりにオレンジの権利書
1枚と現金$200で支払い完了」などといった具合です。カラーグループの経営者にとって、レン
タル料を全額現金で受け取るかどうかの判断は難しい所です。
 第一集で「序盤は物件が大事、終盤は現金が大事」と申しましたが、別の言葉にすると「所持金が
多い時は物件重視、少ない時は現金重視」となります。カラーグループの経営者は、家の建設で多大
な初期投資をしているので、大きな収入がなければ所持金は少ないはずです。ですから、一番最初の
高額レンタル料は現金でもらっておく方が無難と言えます。モノポリーは現金よりも物件の方が価値
が高いケースもありますが、物権を生かすためには現金が必要です。そして、物件の価値はあいまい
ですが、現金は嘘をつかない絶対の価値です。カラーグループの経営が安定するまでは現金主義を
貫きましょう(本当にそれでいいのか?)。
 
 『ダークブルーは裸経営するな』
 経営するカラーグループ以外の権利書を1枚も持たない事を「裸」、または「裸経営」と言います。
カラーグループを経営するプレイヤーは、大きな収入源を得た代償として持っている権利書をすべて
放出する事もあります。どのカラーグループにもそれなりのパンチ力があり、序盤ならダークパープル
以外は裸経営が当たり前です。
 しかし、ダークブルーはなるべく裸経営を避けたいです。裸経営をしているプレイヤーが手持ち現金
で支払いができない場合、家を売却するしかありません。ダークブルーは土地が2ヶ所しかないので
止まる確率が低く、ダークブルーの経営者が各地で発生する支払いに耐えるのは大変です。ですから、
ダークブルーを揃える時は保険の意味でも何らかの物件を残しておきたいです。1枚でも物件を持って
いれば、支払いが足りない時にそれを抵当に入れたり、他のプレイヤーに切り売りして急場をしのぐ
事も可能です。もし残すとすれば、万一の時に高く引き取ってもらえそうなライトブルーやオレンジ
あたりがいいでしょう(あくまでも理想)。わざわざ確実性に欠けるダークブルーを経営する以上は、
それなりの条件で経営したいものです。でも、ダークブルーは「一発勝負」の要素が強く、いきなり
「裸全力5軒」などといった条件で経営する事が多いのですが。

 『不利な時はレンタル料の高い土地に建てろ』
 家を建てる時は、お客さんが止まる可能性が高い方に建てるのが基本です。2個のダイスを振った
時に最も多く出る目は7で、その次は6と8、以下5と9、4と10、3と11、2と12の順に
なっています。ですから、お客さんの9マス先の土地よりは8マス先、8マス先よりは7マス先を
重視して家を建てる事になります。
 しかし、形勢が不利な時は必ずしもそうとは限りません。
 (例) 局面は終盤。Aさんは、ライトパープルとオレンジ両方を経営し、$2000近い現金を
持ち、トップを独走しています。Bさんはダークブルーのみを経営し、家を3軒ずつ建てていました。
現在の振り番はAさんで、駒位置はイエローのマービンガーデンです。Bさんは家を建てたいのです
が、所持金は$200しかなく、増築できるのは1軒だけです。そうなると、パークプレースに建て
るべきかボードウォークに建てるべきかという事になります。
 ダイスを一振りした場合、Aさんの駒位置から8マス先のパークプレースと10マス先のボード
ウォークとでは、パークプレースの方が止まる確率が高いです。Aさんが7の目を出せばチャンスの
マスに止まります。チャンスカードの「ボードウォークへ進む」がまだ引かれていなければボード
ウォークに建てるのも考えられますが、すでに引かれた後で、当分はカードにも期待できません。
以上の理由でパークプレースに建てるのが普通です。ただ、パークプレースに4軒目を建ててもレン
タル料は$1300で、ボードウォークの3軒の時のレンタル料$1400を下回ります。つまり、
パークプレースに増築しても、Aさんからすれば最高支払い額が$1400である事に変わりはない
のです。
 ボードウォークに4軒目を建てればレンタル料は$1700となります。独走するプレイヤーに
少しでもプレッシャーをかけるという意味でも、ここはボードウォークに増築したい所です(家の建て
方はあくまでも個人の自由ですが)。
 不利な局面では普通の事をやっても普通に負けるだけです。どうせ不利なのですから、セオリーや
常識にとらわれず開き直ってレンタル料の高い方に家を建ててもいいでしょう。「最後まで最善を
尽くす」というのも1つのセオリーですから。

 
 なんとなく3回目も終了しましたが懲りずに続けます。