先日の健康診断での事。問診票の年齢欄に「32」と書いたのを「33」と訂正されました。「今年
は昭和に換算すれば80年だから33歳か…」と気付き、年齢をサバ読んだみたいで恥ずかしい思いを
しました。しかし、よく考えてみると、今年の誕生日はまだ迎えておらず、やはり32歳で正解でした。
自分の年齢を忘れるとは情けない話で、健康診断で脳の老化を自覚する羽目となりました。
このシリーズも最終回です。
『鉄道も1つのカラーグループ』
鉄道は、4枚揃ってもライトブルー(ホテルが建っている時)よりも収益力が低い為、積極的に経営を
目指すプレイヤーはあまりいません。しかし、鉄道は「所持金ゼロでも経営できる」という強みがあり
ます。ですから、鉄道からカラーグループへと転換する場合にも、鉄道を差し出せば、現金はつけなく
ても相手のカラーグループを引き取る事が可能です。これがライトブルーから転換する場合だと、ライト
ブルーとその建設費(12軒なら$600、ホテルなら$750)をつけないと転換させてもらえません。
鉄道は、ライトブルーのように余計な「引越し費用」がないので、$1000前後の収入があれば転換
への道が見えてきます。
どちらかと言うと「展開に恵まれないプレイヤーが仕方なく経営する」といった感じになりますが、
カラーグループに化ける(転換できる)力があるなら、鉄道も立派な「カラーグループ」です。鉄道しか
経営できなくても落胆しないで下さい。鉄道さえ持っていれば破産寸前からでも息を吹き返す事だって
あります。
えっ、「鉄道がカラーグループなら電水もカラーグループとして認めろ」ですって!?
それはちょっと…。
『金持ち(物件持ち)には勝ちにくいカラーグループを経営させろ』
現金、もしくは権利書をたくさん持っているプレイヤーには様々な選択肢があり、優位な立場となり
ます。本来、交渉はお互いが対等でなくてはなりませんが、そういうプレイヤーとの交渉では、多少の
譲歩はやむを得ません。もし、交渉を決裂させても「じゃあ、他の人と交渉します」と言われるだけで
自分が取り残されるおそれがあるからです。
そして、金持ち(物件持ち)のプレイヤーはわがままだから、カラーグループを揃える時もある程度の
好条件でないと経営してくれません。ただ、オレンジ、レッド、イエローあたりのカラーグループは、
レンタル料やお客さんが止まる確率が高く、「勝ちやすいカラーグループ」と言えます。もし、これら
のカラーグループを「ある程度の好条件(=たくさん家が建つ条件)」で経営させると、そのまま圧勝
されかねません。ですから、金持ちのプレイヤーにはなるべく勝ちにくいカラーグループを経営させ
たいのです。
「勝ちにくいカラーグループ」とは、ライトパープル、グリーン、ダークブルーの事です(断言)。
いずれのカラーグループも、お客さんが止まる確率が低いなど、前述の3つのカラーグループと比べる
と「一気に勝ち切る力」がやや落ちます。一気に勝ち切れなければ他のプレイヤーにもチャンスがある、
という事で、これらのカラーグループなら好条件で経営させてもいいでしょう。
しかし、金持ちのプレイヤーが喜んで「勝ちにくいカラーグループ」を経営するかどうかは微妙です
し、そもそも、お客さんがいる時にカラーグループを経営する訳ですから、どのカラーグループが勝ち
やすい(勝ちにくい)などはあまり大差ないのですが…。
『相手の提示条件に納得できない時は逆提示しろ』
モノポリーで一番やってはいけないのは、自分が納得できないまま交渉相手の提示条件を承諾して
しまう事です。もし、それで失敗すれば「こんな交渉するんじゃなかった」と後悔したり、「だまされ
た!」と相手を逆恨みするなど精神衛生上良くありません。どうしても相手の提示条件に納得できない
時は、同じ条件を相手に逆提示するのも一つの手です。
お互いの所持金や持っている権利書、駒位置に大きな差がないケースなら逆提示でも相手はОKする
はずです。逆提示を拒否すれば、自分の提示条件を自分で否定する事になりますから。他人に「オレ
ンジを5軒の条件で経営しませんか?」と言ったプレイヤーは逆提示された時に「私は5軒ではイヤ
です」などと言うのはおかしいのです。
相手の提示条件がよくわからなくても、逆提示をした時の相手の反応を見れば多少はわかると思い
ます。また、相手がこちらの提示条件に納得してくれない時にも逆提示をして「私はウソをついてませ
ん」という誠意を見せればきっと納得してくれる…はずです。前項でも申しましたように、交渉は
「お互いが対等」が原則です。両者が納得するまで話し合った上で交渉を成立させましょう。ただし、
時間制限のあるゲームではほどほどに。
『レンタル料は均等化せよ』
同じカラーグループでも、建っている家の軒数が違えば当然レンタル料も異なります。お客さんが
無事にレンタル料の高い土地に止まってくれれば良いのですが、安い方の土地に止まられると非常に
悔しいです。以前、「家を建てる」でも申しましたように、家を増築する余裕があるならすべての
土地を同じ軒数にしてレンタル料を均等化すべきです。例えば「2軒、1軒、2軒」のように家が
建っていれば2軒オールに、「4軒、4軒、3軒」なら4軒オールにするといった具合です。
なお、蛇足ですが、ダークブルーは↓
家3軒の時 パークプレース$1100、ボードウォーク$1400
家4軒の時 パークプレース$1300、ボードウォーク$1700
ホテルの時 パークプレース$1500、ボードウォーク$2000
のように、パークプレースとボードウォークのレンタル料の差が大きいので、パークプレースに1軒
多く建ててようやく均等化されたという事になります(ボードウォークの3軒よりもパークプレースの
4軒のレンタル料の方が安いのがいつ見ても泣けます)。
ともかく、レンタル料を均等化する事によって、お客さんがどこに止まっても同じぐらいの収入が
見込める(同じぐらいのダメージを与えられる)のが大きいのです。他の土地より家が1軒少ない土地
があれば、常に「均等化」を頭に入れておきましょう。
『経営譲渡の目安は3軒』
第三集で「転換の目安は9軒」という格言を紹介しましたが、それの対義語(?)です。まずは行数
稼ぎのレンタル料の比較表から。
☆オレンジ
家0軒の時 セントジェームスプレース、テネシー通り$28、ニューヨーク通り$32
家1軒の時 セントジェームスプレース、テネシー通り$70、ニューヨーク通り$80
家2軒の時 セントジェームスプレース、テネシー通り$200、ニューヨーク通り$220
☆レッド
家0軒の時 ケンタッキー通り、インディアナ通り$36、イリノイ通り$40
家1軒の時 ケンタッキー通り、インディアナ通り$90、イリノイ通り$100
家2軒の時 ケンタッキー通り、インディアナ通り$250、イリノイ通り$300
☆イエロー
家0軒の時 アトランティック通り、ベントノール通り$44、マービンガーデン$48
家1軒の時 アトランティック通り、ベントノール通り$110、マービンガーデン$120
家2軒の時 アトランティック通り、ベントノール通り$330、マービンガーデン$360
☆グリーン
家0軒の時 パシフィック通り、ノースキャロライナ通り$52、ペンシルバニア通り$56
家1軒の時 パシフィック通り、ノースキャロライナ通り$130、ペンシルバニア通り$150
家2軒の時 パシフィック通り、ノースキャロライナ通り$390、ペンシルバニア通り$450
(※ 家0軒の時=権利書が3枚揃っている時)
1軒あたりの建設費は、オレンジが$100、レッドとイエローが$150、グリーンが$200
なので、いずれのカラーグループも、お客さんが家2軒の土地に止まれば、そのレンタル料収入でほぼ
2軒増築できます。ですから、どこかの土地に家が2軒建っていれば(合計4軒以上)、まだ浮上の可能
性があります。しかし、家0軒(平地)や1軒の土地にお客さんが止まっても、そのレンタル料収入では
家1軒すら増築できません。つまり、アマサイドのカラーグループと言えど、家が3軒(1軒オール)
以下ではなかなか増築できず、経営を続けるのは困難だという事です。経営するカラーグループが3軒
以下になった時はとっとと見切りをつけた方が身の為です。極端に言えば、家を売却する時点でカラー
グループの経営に失敗している訳ですから、「3軒以下」どころか、まだ4〜6軒残っている時でも
思い切って経営譲渡する手はあるかもしれません(そのあたりは各自の判断にお任せします)。
アマサイドのカラーグループから逆転換(?)するならライトブルーか鉄道あたりになります。どちら
かを経営して現金をたくさん持っているプレイヤーがいれば、自分のカラーグループと交換してもらい
再起を図りましょう。「家が建っている限り自分で経営したい」という気持ちはわかりますが、少ない
軒数で未練がましく悪あがきをしていると再起のチャンスさえ逃してしまいます。失敗を認めて出直す
勇気も必要です。
『家が少ない内に出所しろ』
刑務所に入ったプレイヤーは、@銀行に$50支払って出所する、A「出ません」と言ってダイスを
振る、の2通りの選択肢があります。基本的に序盤は早く出所して売れ残っている権利書を買いにいく
べきですし、カラーグループのに家の建つ中盤以降はなるべく刑務所にとどまり、少しでも余分な出費
を避けたいところです。
ただ、建っている家の軒数が少ない時(特に、刑務所から射程圏内のオレンジやレッドあたりに家が
建っている時)は早めに出所した方が良さそうです。もし出所しなければ、その間に他のプレイヤーが
家の建っている土地に止まるなどして、出所する頃にはたくさん家が建っているおそれがあります。
レンタル料の安い内に出所しておけば、たとえ止まっても被害は最小限で済みます。
しかし、少ない軒数でも出所したプレイヤーが止まったプレイヤーが止まる事によって増築されれば、
後から来る他のプレイヤーに迷惑をかけてしまいます。家が少なくても出所するべきかどうかはやはり
微妙ですね。家の建っている土地に止まらなければ一番いいのですが…。
『交渉に私情を持ち込むな』
交渉は対等であると同時に公平でなくてはなりません。個人的な感情で交渉に差をつけたり、相手に
よって態度を変えたりするプレイヤーがいると公平さは失われ、非常につまらないゲームとなります。
例えば、「この権利書をAさんに売るなら$200、Bさんに売るなら$300」とか、「Cさんとは
交渉するけれど、Dさんとは交渉したくありません」といった事はあってはならないのです。確かに
親しいプレイヤーとそうでないプレイヤーとではどうしても接し方が違ってきますが、あからさまに
差別するのは論外です。好き嫌いなどの感情を排除し、どんな相手とも冷静かつ公平に交渉してこそ
一人前のモノポラーではないでしょうか。
…とは言ったものの、人間同士がゲームをするのですから、多少の感情移入はあって当然です。
少なくとも、余計な敵を作って交渉に支障をきたさぬよう、日頃の言動にはくれぐれもご注意下さい。
『破産以外は軽傷』
いつも順調にゲームを進めていければいいのですが、当然そうでない時もあります。権利書が思う
ように買えなかったり、あちこちで支払いに見舞われたり、カラーグループを経営してもお客さんが
来なかったり…。
しかし、一番つらいのは「破産」、これ以外にありません。やはり、ゲームから除外されるのは
さびしいものです。破産することを思えば、その他のボード上の試練なんてたかが知れています。
たとえ破産寸前に追い込まれても、ゲームに参加している限り何らかの楽しみはある…と思います。
ですから、仮破産を救済された時は、救済してくれたプレイヤーに感謝しましょう。決して「優良
破産だから救済されて当然」だとか、「ゼロキュー(0ドル救済)されるぐらいなら破産した方がまし」
などと思ってはいけません。わずか数ドルショートの破産でも救済されない事だってあるのですから。
「死ぬ事以外はすべて軽傷である」と言った冒険家がいたそうですが、モノポリーにおいては、
破産以外はすべて軽傷です。最後まであきらめずにゲームをしましょう。
『確率はしょせん確率』
モノポリーは、基本的に確率の高い方を重視します。例えば、2個のダイスを振れば7の目が一番
多く出るので、家を建てるならお客さんの6マス先の土地よりも7マス先にする、といった具合です。
しかし、いつも確率通りという訳ではありません。「ダイス目は7が出やすく、2と12は出にくい」
だとか、「この土地は止まる確率が高く、この土地は止まる確率が低い」なども、実戦ではどう転ぶか
わかりません。「確率」なんてあくまでも参考程度のものです。確率やセオリーに振り回されず、自分の
信じる道を進んでいきましょう。何が起こるか予測不可能なモノポリーに「絶対」という言葉は存在
しないのですから(だからこそ確率を重視するのですが…)。
以上、5回にわたって先人達の言い伝えや、自分の経験、思いつきを適当に格言として紹介させて
頂きました。果たして「道しるべ」として機能しているかは大いに疑問ですが、少しでもお役に立て
れば幸いであります。探せばまだありそうですが、このあたりで失礼させて頂きます。
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