信頼の(?)イエロー
by 希望岬
 日本にはモノポリーに関する書籍や情報が少なすぎます。
 百田郁夫氏の「世界チャンピオンが教えるモノポリー」が出版されたのさえ10年以上も
前の事です。ルールを覚えた方が次のステップへ進もうとしても、その道しるべとなるものが
少ないのが現状です。「こんな事でいいのか!」と勝手に使命感に燃えており、このコラムを
書く上での原動力となっております。
 しかし、誤字(誤変換)脱字があるわ、文章が支離滅裂になっているわで、後から読み返すと
結構恥ずかしいです。内容も「初級者向けの講座」というより、私自身の疑問や実感などを
書いているにすぎません。「道しるべ」にしてはずいぶんとデタラメです。ただ、このコラム
からでも「何か」を感じ取って頂けるのなら、今後いくらでも恥を晒します。
 なぜか「超」の付く上級者たちがここを見てくれているようですが(物好きですねえ)、肝心
の初級者の方はどのぐらい見てくれているのやら…。見てくれたとしても、文字の羅列は読み
づらくないかなあ……。

 今回はイエローについて語りたいのですが、前回のレッドと重複する部分が多く、書く事は
ほとんどありません。それでは、また。
 …やっぱりダメですか? わかりました、書きます。…え〜っと、私が一番信頼している
カラーグループはイエローです!
 …えっ、唐突すぎましたか? 申し訳ありません。しかし私にとって数多くの期待に応えて
くれたのがこのイエローなのです。全国大会出場を決めたゲームもイエローを経営してました
し。逆にレッドには裏切られてきました。そんな思いが前回と今回のタイトルとなりました。
(個人的な感想でごめんなさい)
 ただ、島ノ関にて「意外性のライトパープル」を執筆(?)中、かつら師範に「今後予定して
いるタイトル案」を話した所、「本当にイエローが信頼できる色なのかな?」と突っ込まれ
ました。確かにそう言われると自信が持てないのでタイトルに(?)を付けておきます。

 イエローの権利書の定価はアトランティック通り、ベントノール通りが$260、マービン
ガーデンが$280です。
 これを見て使えない(活躍しづらい)事で有名なグリーンと同じぐらいだなあ、と気付いた
貴方はするどい!
 前にも申しましたように、グリーンの定価はパシフィック通り、ノースキャロライナ通りが
$300、ペンシルバニア通りが$320ですが、権利書と建設費が高い事もあってそのまま
定価買いする人は少なく競売に出されます。$240〜$280ぐらいが落札価格の相場です
が、場合によってはそれ以下の値段になる事もあります。
 そう考えればイエローはグリーンと同等、あるいはそれ以上の値段で買っている事になるの
です。しかし、グリーンと違って競売になる事はほとんどありません。
 家1軒あたりの建設費はイエローが$150、グリーンが$200。プレイヤーが1周する
間に止まる確率はイエローが約46%、グリーンが約45%とそんなに変わらないのに、この
差は一体…。グリーンを競売にするのならイエローも競売にすべきだし、イエローを定価買い
するのならグリーンも定価買いすべきように思うのですが…。まあ、先人たちの試行錯誤の
末、行き着いた結論が「イエローは定価買い、グリーンは競売」となったのでしょう。
 これも以前書いたようにグリーン9軒の建設費は$1800ですが、これと同額でイエロー
なら12軒建ち、レンタル料、期待値でも上回ります。グリーンで勝つなら9軒は必要ですが、
イエローで勝つなら12軒も必要としないケースが多いです。やはり1軒$150と$200
は大違いで、イエローは定価で買っても問題ないんじゃないかな〜、という事で強引に結論と
します。
 しかし、イエローでも売れ行きが遅いと競売になるケースもあります。
 ライトブルーやオレンジなどが先に売り切れ、いつでも揃いそうな時にようやく1枚目や
2枚目が売れても早い展開についていけず、イエローが活躍する局面すらなく終了する事も
あります。
 しかし、一番のライバルはやはり家の建設費が同額のレッドでしょうか。
 家の建設費は1軒あたり$150。グリーンやダークブルーよりも安いとは言え、やはり
高い事に変わりはありません。だから「レッドにもイエローにも家が建つ」という展開には
なりにくく、売れ行きの遅い方が見捨てられてしまう事もあります(どのカラーグループでも
同じ事を書いてる気がする…)。イエローはレッドよりも止まる確率が低いのでその可能性は
十分あります。そうなるとただの不良債権でしかありません。
 イエローは、オレンジ、レッドと並んで「モノポリーの3大有力色」だと勝手に思っており
ますが、グリーンと同じく「持ってるだけ」という悲しい運命に終わる事もあります。値段の
高い権利書を買う時は特に注意が必要です。「使えないかも…」と感じた時は買わずに競売に
出したり、早めに放出するなどしましょう(しかし、将来を予測できない序盤の段階でどう
注意すればいいのか、と言われても困るのですが…)。

 イエローがレッドよりも止まりにくい理由としてチャンスカードの存在が挙げられます。
 「イリノイ通りへ進む」があるレッドに対し、イエローにはそのような直撃カードがありま
せん(チャンスカードが出た後は両者の止まる確率にさほど差がないのですが)。それ以上に
重大な理由として、レッドのケンタッキー通りとインディアナ通りの間がチャンスのマス目に
なっている、という事です。 
 以前申しましたようにチャンスカードは16枚の内10枚がどこかへ移動するものとなって
おります。「3マス戻る」ならニューヨーク通りになるのでむしろイエローに止まる確率が
高くなり歓迎するのですが、それ以外の9枚はいずれもイエローに不利になるものばかりです。
ここから7マス目にあたるマービンガーデンは特に被害をこうむっており、イエローの中でも
止まる確率が一番低くなっております。ここが売れているか否かでイエローの価値も違って
きます。アトランティック通りやベントノール通りにも多少の被害はあり、それぞれの土地に
止まる確率は、レッドの中で一番止まりにくいインディアナ通りとさほど変わりません。
 どうでもいい事ですが、今回のタイトルの(?)は、チャンスのマス目の?マークも意味して
おります。イエローはこのチャンスのマス目から数多くのお客さんに逃げられており、その
被害総額は全米だけで何兆ドルとも何京(けい)ドルとも言われています(ほんまかいな)。
 チャンスカードによる移動がなければ本当に信頼できる色なんですが…。

 止まる確率の差は「誤差の範囲」で実戦だとどちらに転ぶかわかりません。しかし、止まる
「回数」の差は確率以上に重要かも知れません。
 基本的にGoや刑務所のマスに近い土地ほど(あまり近すぎてもいけませんが)、プレイヤー
の止まる回数が多くなります。1ゲーム中1回多く止まるか止まらないかだけでも勝敗を左右
します。$800のレンタル料を2回取るよりも、$600〜$700のレンタル料を3回
取った方が収入が多くなります(実際にはお互いの土地に止まるか否か、などもあってこんなに
単純でもありませんが)。オレンジやレッドと比較してイエローは、Goからも刑務所からも
遠い為、この2色よりも少し不利であります。「遠い」という事は「止まるまでに時間がかかる」
という事も意味しております。お客さんがイエローにたどり着く前にイエローの経営者の方が
先にどこかの土地で支払いをしてしまう可能性が高いのです。
 レンタル料も高く、止まる確率も決して低くないのにイエローがすんなり勝ちきれないのは
こういった事が原因なのでしょう。

 イエローを経営するなら、焦らずじっくりコツコツとやっていきましょう。
 オレンジやレッドは刑務所行きだけでなく、チャンスカードの移動のほとんどが追い風と
なっている為、「いつでも」「どこからでも」お客さんが来てくれる可能性があります。止まる
確率が高く、一度通過したお客さんがまたすぐに来てくれる、という厚かましい期待が持てる色
なので、この2色の場合、ある程度積極的にガンガンと家を建てていく事があります。
 しかし、イエローだとそうもいきません。それどころか前述のようにお客さんに逃げられて
しまう事さえあります。余裕のある内は5〜6軒の建設にとどめて$330や$360の
レンタル料で満足し、勝負所で一気に9軒にするのが理想的です。家の建設費こそレッドと
同額ですが、このあたりはむしろグリーンに似ています。止むを得ない場合以外は、無理に
7軒目を建てると他のプレイヤーの危機感を煽ってしまい、反撃を食らいやすくなります。
 イエローを9軒建てた時のレンタル料はアトランティック通り、ベントノール通りが$800、
マービンガーデンが$850です。これに張り合うには、オレンジなら12軒、レッドなら
9軒は必要となります。オレンジやレッドがさらに増築し、重量級の殴り合いになった時は
イエローも増築しないといけませんが、それ以外のケースでは12軒にしてもレンタル料が
$975、$975、$1025にしかならないので9軒以上に増築する意味はあまりなく、
むしろ追加経営を目指す方が良いかもしれません。
 (この項目はほとんどかつら師範からの受け売りだけどいいのかなあ…。でもコラム自体が
毎回、STY、かつら、竜市の各師範からの受け売りで構成されているからまあいいか)

 前回も書きましたが、イエローは2軒建っている所にお客さんが来れば、そのレンタル料で
2軒までの増築が可能です。3軒建っている所に来ればホテルになる事さえあります。この
あたりはオレンジと共通しています。いわば、イエローはオレンジをパワーアップさせたような
カラーグループで、信頼できる色を順番にすればイエローを一番に挙げる人も多いのではない
でしょうか。
 経営にこぎつけるにはそれなりの現金を要します。序、中盤にライトブルーやライトパープル
あたりで$500前後の出費をしてしまうと、レッドやイエローを経営する事自体が大変に
なってしまいます。経営するなら、序盤は電水や鉄道、ダークパープルなど、止まっても被害の
少ない物件を売りに回ってひたすら現金主義に徹しましょう(本当にそれでいいのか?)。
 確かにイエローはオレンジやレッドに比べれば止まる確率も低く派手さにも欠ける印象が
あります。また、モノポリー勝ちをしづらいカラーグループでもあります。しかし、地味で
不器用でも、その一発一発のパンチには重みがあります。イエローを経営し、勝った時が一番
充実感がある…、と思います。
 
 ◎今回のおさらい
☆レッドとイエローは共存共栄しづらい
 (モノポリーは1人が勝つゲームなので最終的には誰とも共存共栄しないんだけど…)
☆イエローに7軒目を建てる時は9軒建てる時
☆イエローは12軒にするよりも追加経営

 これらはあくまでも目安なので100%信用しないように。

 「書く事がない」などと言いながら、なんだかんだでいつもと同じぐらいの文量となりました。
パソコンにこれを打ち込むだけで2時間近くかかるので疲れます。それではおやすみなさい。