モノポリー界に衝撃のニュースが飛び込んでまいりました。
今年、香港で行われると噂されていた世界選手権が東京で行われる事になったようです。なんとなく
遠い存在だった「世界」が身近に感じられた方も少なくないと思います。その第一歩となる日本選手権
の各地区大会やシード権付き大会はほぼ毎週のように開催されています。
詳細はこちら(http://monopoly.amista.co.jp/)をご覧下さい(直リンクでなく申し訳ありませんが)。
これをきっかけに日本でのモノポリー熱が高まると良いのですが…。
モノポリーにまつわる専門用語などは色々とあります。何十ゲームと経験しているプレイヤーなら
当たり前のように使っている言葉でも、初心者の方からすれば「???」という物も少なくありません。
今回はこれまでのコラムの中で使った言葉も含め、あれこれと紹介させて頂きます。
(※なお、島ノ関モノポリークラブ例会においては、初心者の方に疎外感を与えない為、これらの専門
用語はなるべく使わないようお願いいたします)
○ モノポリー【ものぽりー】
このゲームの名前でもあるモノポリーとは「独占」という意味で、2位以下を全員破産させる事を
「モノポリー」もしくは「モノポリー勝ち」と言います。
○ 百田本【ひゃくたぼん】
百田郁夫氏の「世界チャンピオンが教えるモノポリー」という本の俗称です。
10年以上も前に出版されたものなので「現在とは感覚が違う」などと言う人もいますが、ルールを
覚えた初心者の方が次のステップへと進むには格好の教材で、この本のお世話になったプレイヤーも
多いはずです。
当コラムはなるべく独自性を出している……つもりですが、それでも「百田本」からの受け売りも
少なくありません。しかし、それにしてもこの本に匹敵するぐらいの(日本語の)本がほとんどないのが
残念です。書ける人がいないとは思いませんが、需要(競技人口)が少ないからでしょうか…。
○ 自力【じりき】
他人と交渉せず、自分のダイス目でカラーグループや鉄道が揃う事です。
通常、5人前後のゲームで1人のプレイヤーが1つのカラーグループをすべて銀行から購入できる事
はめったにありません。そして、カラーグループを揃える時はそれなりの代償が必要です。
しかし、自力で揃えば定価以上の出費をしないので、これほど楽なものはありません。特に、定価や
家の建設費が安いライトパープルやオレンジあたりを自力すれば、中盤早々でもたくさん家が建って
しまいます。
○ 裸【はだか】
カラーグループや鉄道を経営する時、それ以外の権利書を1枚も残さない事です。
ただ、女性プレイヤーに「裸で経営して下さい」などと言おうものならセクハラで告訴されかねま
せん。特にモノポリー発祥の国の方なら巨額のレンタル料、もとい賠償金を請求されかねません。かと
言って他に適切な言葉も思い浮かばないのですが…。ちなみに裸経営している人の事を「ストリッパー」
と言うようですが、これもちょっと…。
○ 仮破産【かりはさん】
破産したプレイヤーが他のプレイヤーから救済される可能性がある状態を仮破産と(または少し略して
「仮破」)と言います。もし、誰からも救済されなければ正式に破産となり、ゲームから除外されます。
○ 銀行破産【ぎんこうはさん】
銀行への支払いで破産する事で、救済されなかった場合、その人が持っていた権利書は、すべて元の
状態で銀行に渡り、1枚ずつ競売されます。
「各プレイヤーに50ドル支払う」で破産した時も銀行破産と同様の扱いとなります。
○ 黒字破産【くろじはさん】
破産させたプレイヤーから引き取った権利書や現金の総額がレンタル料を上回る事です。
例えば、所持金はゼロでグリーンを3枚だけ持っていたAさんが、Bさんの経営する家が3軒建って
いるレッドのイリノイ通りに止まったとします。レンタル料は$750ですが、Aさんはグリーン3枚
すべてを抵当に入れても$460にしかならず、救済されなければ破産となります。そうなればBさん
は、$750のレンタル料で総資産を$920増やした事になります。レンタル料は原則として現金で
支払わねばならない為、このような事も時々起こります。
○ 〜ドルショート【〜どるしょーと】
破産した時に足りない金額の事です。上記のケースなら、$460−$750=−$290なので、
「290ドルショート」という風に言います。
○0ドル救済【ぜろどるきゅうさい】
仮破産したプレイヤーに対し、権利書や現金が一切残らない、という条件で他のプレイヤーが救済
する事です。略して「0救(ぜろきゅう)」と言う事もあります。また、最近では「1ドル救済」という
のが流行のようですが、あまり意味があるようには思えず理解に苦しみます。
○ 飛ぶ【とぶ】
破産する事、もしくは負債が発生し、家を売却せざるを得ない事です。
真っ先に破産すれば「イチ飛び」、家を3軒売却すれば「3軒飛んだ」などと言います。
○ 見る【みる】
破産した、もしくは負債を負ったプレイヤーを救済する事です。
このあたりの話題は後日予定している(いつになるやら…)「破産と救済」でも触れると思います。
○ 電水【でんすい】
電力会社と水道会社の略で、別名「ライフライン」とも言われています。
ちなみに、12の目を出して揃っている電水に止まる事を「満貫」と言うそうですが、麻雀は知らない
ので何の事だかよくわかりません。
○ メディバル【めでぃばる】
以前にも触れましたが、ダークパープルの総称です。「メディ」は地中海(メディタレーニアン)通り、
「バル」はバルティック通りの事です。
○ 白【しろ】
これも以前紹介しましたがライトブルーの事です。
○ しば漬け【しばづけ】
ライトパープルの事だそうですが、実際にこう言った人を見た事はありません。
○ 青い電水【あおいでんすい】
揃っているけれど家が建ってないダークブルーの事です。2枚揃っていればパークプレースが$70、
ボードウォークが$100とレンタル料が倍になりますが、これは、7や10の目を出して電水に
止まった時と同額なので、このような異名が付けられました。ちなみに期待値でも、本物の電水が約
$22、青い電水が約$24と似ております。
○ 期待値【きたいち】
「で、その期待値って何?」と突っ込まれそうですね。以前にも述べていますが、期待値とは、1人
のプレイヤーが1周する間に(カラーグループや会社に)支払う金額の見込みの事で、レンタル料に止まる
確率を乗じたものがその数字となります。
例えば、オレンジに家が3軒ずつ、計9軒建っている場合、
セントジェームスプレース $550×0.162(約16.2%)=約$89.1
テネシー通り $550×0.171(約17.1%)=約$94.0
ニューヨーク通り $600×0.179(約17.9%)=約$107.4
となり、その3つを足した$89.1+$94.0+$107.4=計$290.5がオレンジ9軒
の時の期待値となります(確率は、http://www.biwa.ne.jp/~ueda/monopoly/kakuritu.htm のページ
より借用させて頂きました)。もっとも、ゲーム中に交渉などで「期待値」という言葉はめったに使い
ませんが。
○ 公共王【こうきょうおう】
鉄道と電力・水道を両方とも揃えているプレイヤーの事で「堅物」とも言います。
○ 倍鉄【ばいてつ】
チャンスカードに2枚存在する「次の鉄道まで進み、通常の2倍のレンタル料を支払う(以下略)」と
いうカードの事で、「次鉄(つぎてつ、じてつ)」とも言います。
○ タダ鉄【ただてつ】
Goのマスを通過し、売れ残っているリーディング鉄道を購入する事です。
給料もリーディング鉄道の定価も$200なので差し引きゼロ、という意味ですが、本当にタダでは
ありませんのでご注意下さい。
○ 給料横流し【きゅうりょうよこながし】
鉄道が4枚揃っている時に、Goのマスを通過し、リーディング鉄道に止まってしまう事で、給料の
$200も、そのまま鉄道経営者に渡ってしまいます。
○ タックス【たっくす】
Goから4マス目の所得税の事です。「200ドル、もしくは総資産の10%を銀行に支払う」と
なっておりますが、簡略化の為、一律$200の支払いとなっております。
最初の第一投でいきなり4の目を出してしまうと所持金$1300でスタートするようなもので、
精神的にダメージを受けます。また、「INCOME TAX」と表記されているので「インカム」
とも言います。
○ 給料チャラ【きゅうりょうちゃら】
Goのマスを通過しておきながら所得税のマスに止まる事で、せっかくの給料も所得税で相殺されて
しまいます。他のプレイヤーに現金を流通させない分、先ほどの「横流し」よりはマシですが。
○ 後チャラ【あとちゃら】
一旦はGoのマスを通過し、無事に給料を手にしておきながら、その次の一投で所得税のマスに
止まってしまう事を言います。もし、その間に給料をどこかで使ってしまった場合、「チャラ」では
済まなくなるケースもあります。
○ 贅沢税【ぜいたくぜい】
ダークブルーのパークプレースをボードウォークの間にある物品税の別名です。
物件をたくさん買っているプレイヤーがここに止まると「ぜいたくだ」と言われます。また、ここに
止まったプレイヤーが次の振り番で6を出し所得税に止まる事を「ダブルパンチ」とも言います。
○ 連泊【れんぱく】
2回(以上)続けて家の建っている土地に止まる事を言います。
特に、1つのカラーグループに連泊してしまった時のダメージは、先ほどの「ダブルパンチ」の比では
ありません。「もう支払いは終わった」と安心していると足元につまづいてしまう事もあるので気を
つけましょう。
○ ピンポイント【ぴんぽいんと】
カラーグループの中で1ヶ所だけ家が1軒多く建っている土地に止まった時や、たった今増築した
ばかりの土地に止まった時などに使われます。
○ 殴り合い【なぐりあい】
ゲーム終盤、複数のプレイヤーが高額レンタル料の奪い合いをする事です。多額の現金が行ったり
来たりするだけで、誰かが連泊でもしない限り、延々と決着がつかない事もあります。
○ 一手勝ち【いってがち】
「お互い相手の経営するカラーグループの手前で、しかも先に相手の土地に止まった方が負け」と
いう一騎打ちの状況で、相手が先に自分の土地に止まった時に使われます。モノポリー界には将棋を
する人が多いせいか、この他にも「棋譜(ゲームの記録)」や「感想戦(終了後の検討)」など、将棋用語
がそのまま使われているものもあります。
○ 資産勝ち【しさんがち】
制限時間内に完全決着せず、資産計算で1着になる事で、「判定勝ち」、「非モノポリー勝ち」とも
言います。
「モノポリーの本来の目的は相手を全員破産させる事」なので、モノポリー勝ちが優遇される風潮に
あり、資産勝ちは肩身の狭い思いをしております。ただ、どんな勝ち方でも1着はそれなりに評価され
てもいいのに…。…あっ、別に協会批判をしている訳でも自分がモノポリー勝ちできない事をひがんで
いる訳でもありませんから(と慌てて取り繕っておく)。
資産勝ちをおすすめする訳ではありませんが、イエローやグリーン、ダークブルーなどの高額物件を
持っていると資産計算の時に有利になりやすいです。
○ 刻む【きざむ】
6〜9マスぐらい手前にたくさん家が建っているような状況で、3や4の目を出してピンチをしのい
だ時などに使われます。「刻む」はゴルフ用語から来ているので、別名「アイアン(ショット)」とも
言います。他には「寸止め」もよく使われています。
他にもまだまだありますが、とりあえず一旦ここで刻んでおきます。続きは次回に。
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