マックSE/30の修理
SE/30の種々のハード的トラブルについて、症状、原因、治療、予防を掲載する予定です。今のところ、ぼくが実際に体験したのは、ここで述べる初めの二つだけです。他のトラブルに関しては勉強中で、まだ実践的に説明できるほどの力量はありません。ごめんなさい。
中古マック屋さんで、起動しないSE/30がジャンク扱いとして1万円未満の価格で売られているのを時々見かけます。これらのSE/30も、症状によっては簡単な修理で完動品に生まれ変わります。そして、ここで述べるトラブルは、起動しないSE/30の中でも割とよく遭遇するものです。このトラブルの解決法さえ知っていれば、格安でSE/30を手に入れるのも夢じゃないです。
ここで述べる診断と治療法は、『最強のSE/30を創る会』のメンバーやNiftyserve FMACUS 8番会議室などでマックに夢中の皆さんの発言、Larry Pina氏の著書「Macintosh Repair and Upgrade Secrets」、「Mac Classic & SE Repair and Upgrade Secrets」、「The Dead Mac Scrolls」、その他の技術文書を参考にしています。
ここで注意。
感電しないように注意して下さい。
電子部品にダメージを与えないために静電気対策を十分にして下さい。
ここに書かれた注意の意味や理由、やり方が分からない場合には、筐体を開けないで下さい。感電またはブラウン管の内爆により大怪我や失明または死亡する危険性があります。作業時にゴーグルを着用することが勧められています。
また、すべて自己責任で行って下さい。
電源コードを外してから筐体を開けて下さい。
SE/30 の分解方法と注意点については、三村さんのページ site mode-id@... の中の SE/30 の完全分解方法に詳しく写真入りで説明されています。これを参考にしてください。ぼくの知る限り、SE/30 の分解に関しては三村さんのページが最高中の最高です。
筐体を開けて第一にすることは、モニタ高電圧部 (1500ボルト)の放電です!
CRT固定用金属フレームに付いているアース用ラグとCRTのアノードコネクタ(アノードキャップの下にあります)をショートして放電させます。
ロジックボードにダメージを与えるかもしれないと心配される方は、100Mオームの抵抗を介して放電して下さい(この場合の電流値は15マイクロアンペアになります)。100Mオーム抵抗はめったにお目にかかることのない部品ですが、品揃えの豊富なパーツ屋だったら多分在庫があります。1個 1000 円ないし1500 円程度です。ぼくは、秋葉原の東京ラジオデパート1階のパーツ屋で購入しました。
ところで、Apple純正のCRT放電用工具には、100Mオーム抵抗を内蔵している旧式工具(Part No. 076-0243)と抵抗を内蔵していない新式工具(Part No. 076-0381)があります。抵抗内蔵タイプの工具は、CRTに放電用抵抗を内蔵していないMacintosh 128K、512K、Plusなどで使用することが勧められています。抵抗内蔵タイプの工具を使用すれば、これらのマックで誤ってCRTから金属シャーシに放電してもロジックボード(ロジックボードは金属シャーシにアースされています)へのダメージを防ぐことができます。
Plusよりも新しいマックでは放電用抵抗が内蔵されているので、特に抵抗を介さなくても大丈夫ですが、それでもなお心配な方は上に述べたように100Mオームの抵抗を介して放電して下さい。
Apple純正CRT放電用工具がなくても放電することができます。その場合には、マイナスドライバとワニ口クリップを付けたケーブルで代用します。(心配な方は100Mオーム抵抗もご用意下さい。100Mオーム抵抗が入手困難な場合は、10Mオーム抵抗でも大丈夫でしょう。)

「バチッ」という音や時には火花を伴ったスパーク音によってCRTが放電したことを確認できるので、抵抗を介在させない方がいいかもしれません。この場合にはロジックボードがはまっている金属シャーシにではなく、必ずCRTを固定している金属わくのアースラグに放電して下さい。でも、「バチッ」はやっぱり恐ろしげです。
ところでぼく自身は、Macintosh Plus では100Mオーム抵抗を介在させて放電しても「バチッ」を経験したことがありますが、Macintosh SE/30 では抵抗を介在させなくても「バチッ」を経験したことがありません。放電用抵抗が内蔵されていない Plus とあらかじめ放電用抵抗が内蔵されている SE/30 の差だと思います。しかし、中古のSE/30 では Macintosh 128K や512K あるいは Macintosh Plus で使用されていた旧式の CRT が組み込まれたりしている可能性がありますので、抵抗を介在させて放電した方が安全です。
「放電用抵抗が内蔵されている」云々かんぬんと書きました(Apple Service Source を読むと、CRT に内蔵されているように受け取れるような記載なのです)が、抵抗が内蔵されている場所はどうもアナログボード上のフライバックトランス (T2) のようです。しかし、このフライバックトランス (T2) もMacintosh 128K, 512K, Plus, SE, SE/30で色んな部品が使用されており(下表参照)、特にPlusやSEからのアップグレード品や中古品のアナログボードを搭載しているSE/30では、旧式のフライバックトランスが使われている可能性も否定できません。従って、やはり CRT の放電は 100Mオーム (または 10Mオーム) の抵抗を介して行った方が安全です。
| 製造会社 | パーツ番号 | 搭載マシン |
| Non-Bleeder Type Flyback Transformer | ||
| ZFAT | AC-058 | 128K, 初期型512K |
| Taiwan Totoku Electric Co. | 157-0026-B | 128K, 初期型512K |
| Tai-Ho/Taiwan R.O.C. | TH-1565 | 後期型512K, 512Ke, 初期型Plus |
| Monitron/Taiwan R.O.C. | 157-0026-B | 中期型Plus |
| Bleeder Type Flyback Transformer | ||
| Monitron/Taiwan R.O.C. | 157-0026-C | 後期型Plus |
| Tai-Ho/Taiwan R.O.C. | TH-1565C | Mac SE |
| Lifon/Taiwan R.O.C. | 157-0042-A | Mac SE, 修理済みアナログボード, SE/30 |
| Lifon/Taiwan R.O.C. | 157-0042-B | Mac SE, 修理済みアナログボード, SE/30 |
| Lifon/Taiwan R.O.C. | 157-0042-C | Mac SE, 修理済みアナログボード, SE/30 |
繰り返しになりますが、くれぐれも注意して下さい。
ここに書かれた注意の意味や理由、やり方が分からない場合には、筐体を開けないで下さい。感電またはブラウン管の内爆により大怪我や失明または死亡する危険性があります。作業時にゴーグルを着用することが勧められています。
また、すべて自己責任で行って下さい。

Macintosh SE/30を起動したとき、モニタの表示がいきなり縞模様やすだれ模様や市松模様になって、うんともすんとも言わないことがあります。ぼくが初めて買った中古SE/30も、買って1週間後にすだれ模様になってしまいました。このトラブルの原因と対策については、NiftyserveのFMACUS 8番会議室「Hard分室 "マックをパワーアップ"」で幾度となく議論されてきた話題だったのですが、その時のぼくはそういう経緯すら知らず、途方に暮れました。このトラブルを『シマシマック』と見事に命名されたのは、OYU!さん(HHD00612@niftyserve.or.jp)と鈴木俊介さん(VZD03711@niftyserve.or.jp)です。
この『シマシマック』に関しては、最強のSE/30を創る会のメーリングリストse30ersでも話題に登りました。能勢聡一郎さん (HFD00760@niftyserve.or.jp)が、Niftyserveでの議論に基づき、その原因と解決策を簡潔にまとめてse30ersに投稿しました(se30ers 1072)。以下に掲載する文書は、能勢さんの投稿に最強SE/30会の強力メンバーの一人、さかいさん(artmix@fa2.so-net.or.jp)の助言(se30ers 1082)を付け加えたものです。
転載許可をくださった能勢さん、さかいさん、se30ers管理者のぽげむたボヨンさん、それにNiftyserveやse30ersに投稿された皆さん、どうも有り難うございます。また、Niftyserveでの出典について教えて下さり、そこでの御自身の投稿内容をこのホームページに転載することを許可して下さった小関武博さん(PBA00472@niftyserve.or.jp)にも感謝いたします。(なお、ここに記した方々のメールアドレスは当時のもので、現在のものではありません)
「5. ロジックボード上のC7の電解コンデンサ(47uF 16v)を交換。」の項目、注釈および図と説明は浜田が加えました。
--------------------- ここから(se30ers 1072) ---------------------
まず**シマシマック**とは?
》SE/30の電源を入れても,起動音がせずに『画面が縞々』
9inchの画面上から下まで,10 pixcel 幅程度の白黒**横**縞模様!
》その状態で数分放っておくと勝手に立ち上がったり,
》一度電源を切ってしばらくしてから再度電源を入れると無事立ち上がる。
こうした具体的な症状が現れる前に,スイッチON→起動音までの間が少し間延びしてきます。
で,対策(簡単なところから順に)

さらに,能勢さんの発言に付いた‘さかいさん’のコメント;
===================== ここから(se30ers 1082) =====================
シマシマック(?)はアクセラやビデオカードを増設した際によくおこるのですが、実にディーラー泣かせの症状で、でたりでなかったりしてトラブルのタネになっています。能勢氏の紹介する対処法(すごい!あなたはSE/30の回路図でも持っているのですか?)でほぼ完治しますが、まれにSIMMの問題、アナログボードとロジックのコネクタの問題、アナログボード上のIC U2の問題などもあり、十分なチェックが必要です。(適正なサーベイなしにいきなりICにプルアップして様子をみるようなことはできるだけさけて下さい。)また、Larry Pina氏の名著(?)にあるようなネットワークコイルに直接テスタを当てるような恐ろしい真似も極力さけるようにしませう。
===================== ここまで(se30ers 1082) =====================
上には記載していませんが、他のコンデンサを交換したり半田を盛り直すと治ることもあります。

ところで、ICのピン番号の付け方には決まりがあります。IC 周りの修理や改造を行おうとする場合、最低限ピン配置は知っておかねばなりません。
長方形のICの上面(文字が印刷されている面)を見ると、短辺の中央に半円形のくぼみがあります。そのくぼみがある辺を上にして、左側から右側へ反時計回りにピン番号が振られています。また、1番ピンのある角に円形の小さな印があります。

症状:
SE/30の電源を入れても起動音がせず、モニタは暗いままで、しばらくするとモニタの真ん中に縦1本の幅4~5 mmの輝線が現れる。ハードディスクのアクセスランプはチカチカと点滅し、また、ハードディスクのアクセス音が聞こえ、輝線の中の模様も何となく変化しており、システムを読みに行っているように見える。しかし、ハードディスクへのアクセスが終了しても、真っ黒なモニタの真ん中に縦1本の輝線のままである。
原因:
ヨークの水平掃引の不良で、原因としては、アナログボード上の次の3つの部品のいずれかの接触不良または部品そのものの不良が考えられます。
1. P1コネクタ
2. コンデンサ、C15 (3.9 uF, 35 V、セ氏85度、高周波 (HF)の無極性 (NP)電解コンデンサ)
3. モニタの横幅調節用可変コイル、L2
これらの部品の内でも、特にP1コネクタ(とりわけ最上部のピン pin 4 で、ヨーク側の緑色のケーブルに対応)の接触不良が有名です。本来白いはずのP1コネクタが熱で茶色く変色している場合は、まずこれを疑います。アナログボードのビニルジャケットを外してプリントパーターン面を見ると、このピンの部位の半田が熱で融けた痕跡やひび割れているのが認められます。
また、コンデンサ、C15やコイル、L2の半田付けが融けたり、剥がれたり、ひび割れたりしていることもあります。でも、もちろん外見から接触不良が判断できないこともあります。
治療:
半田付けし直して、接触不良を解消します。大抵の場合、これだけで治ります。半田付けし直す時、古い半田の上に新しい半田を乗せるのではなく、古い半田を半田吸引機などで完全に取り除いてから、新たに半田付けをやり直します。そうでないと、また接触不良を起こす可能性が高くなります。C15やL2の半田付けは、接触不良を起こしていても、一見正常のように見えることがあるので要注意です。三つの部品のうち、どこの部位の半田付け不良なのか外見から判断出来ない場合には、三つともすべて半田付けをやり直すことをお薦めします。縦1本の輝線のトラブルがまだ続くようだったら、C15のコンデンサ自体の劣化を疑い、新品のコンデンサと交換します。この時、最大定格電圧35 Vのコンデンサーでなく、余裕を持たせて最大定格電圧100 V程度のコンデンサーを用いるのがいいかもしれません。
大阪日本橋のソフマップ1号店で購入した9800円のジャンク品のSE/30がこの症状を示していました。でも、P1コネクタの半田付けし直しただけで元気になり、現在快調に走っています。

『真っ黒なモニタの真ん中に縦1本の輝線』のバリエーションとして、『真っ黒なモニタの真ん中にうっすら縦1本の線』というのもあります。
この場合、電源を投入するとボーンという起動音はしますが、画面は真っ暗で、幅の狭いうっすらとした線が画面中央に縦に現れます。そしてこのまま放置すると、マックから煙が出てきます。
このトラブルの原因は、アナログボード上の抵抗R19 (220オーム、1/4W, 5%) が焼けたためです。すぐに電源を切って下さい。そして、新しい抵抗と交換します。この時、古い半田をきれいに取り除いてから、新しい抵抗を取り付けて下さい。R19 の位置はコイルL3の隣です。

症状:
SE/30を起動すると、モニタが異様にふらついてジグザク模様を呈する(herring boneとか杉綾模様とか表現したりもします)。
原因:
このトラブルの原因の一つは、アナログボード上のフライバックトランス(T2)の不良です。フライバックトランスは金属ケージに囲まれ、このトランスのてっぺんからはCRTの後側面につながるケーブルとアノードキャップが出ています。
SE/30のアナログボードのフライバックトランス(T2)には、次の3種類が使用されました。
157-0042A
157-0042B
157-0042C
フライバックトランスの側面のラベルを見れば、どのタイプのものか分かります。
そして、このトラブルが最も頻繁に起こったSE/30は、初期型の157-0042Aを使っていたことが知られています。もちろん、157-0042Bや157-0042Cでも、酷使したり長年の経年変化で劣化したりすることで同様のトラブルを引き起こしますが、157-0042Aに比べると格段に少ないです。
治療:
このトラブルに遭遇した場合、まずフライバックトランスのパーツナンバーを調べてみるのが先決です。もし、157-0042Aであれば、これを157-0042Cの番号を持つ新しいフライバックトランスと交換します。157-0042Bや157-0042Cであっても、新品と交換すれば治る可能性があります。

症状:
1. ボーンという起動音はするが、モニタが写らず暗いままである。
または、
2. ボーンという起動音が鳴り、ファンとハードディスクも回っているが、モニタは写らず暗いままである。
または、
3. ボーンという起動音がなく、モニタが写らず暗いままで、「ボッボッボッ」とか「ガッガッガッ」とかのクリック雑音が続く。
または、
4. ボーンという起動音がなく、モニタが写らず暗いままで、クリック雑音はない。
原因:
この異常の原因となる可能性の最も高いのは、整流器(ダイオード)のCR2とCR3やトランジスタのQ2の不良です。フライバックトランスT2の不良でも、たまにこの異常が起こったりします。また、まれですが、整流器CR5の不良でも同様の異常が発生します。
CR2とQ2はフライバックトランス周囲の金属ケージに取り付けられていますが、取り付け部位の金属が高熱により変色したり半導体そのものが熱で破裂しています。
CR3が不良の場合には、しばしばCR3自体の破裂を伴なっています。CR3の部位は金属ケージ内のフライバックトランスの近傍です。
CR3がたとえ不良でも破裂していない場合には、Q2も同時に不良になっている可能性があります。この場合にはQ2は焼けていないかもしれません。
Q2は焼けているもののCR3には異常がない場合、CR5も不良になっている可能性があります。CR5の部位も金属ケージ内のフライバックトランスの近傍です。
また、半導体CR2、CR3、CR5、Q2のどれにも外見的異常がなくても、内部的に熱破壊されショートしていることがあります。
ところで、症状2を示す場合には、整流ダイオードやトランジスタの不良ではなく、抵抗R22が破壊されている場合があります。
治療:
破壊が推定される半導体を以下の新しい部品と交換します。ただし、これらの半導体は外国製で日本国内では入手困難ですが、LJ Enterprisesなどから海外通販で購入できます。
交換部品:
CR2, CR3 (シリコン整流ダイオード):GI854 (600V, 3A)。最大定格電流の大きいMR824 (600V, 5A)で代替すればなお良し。
CR5 (シリコン整流ダイオード):1N4937 (600V, 1A)。
Q2(NPNトランジスタ):BU406 (7A, 60W)。このトランジスタを代替品で置き換えると、モニタの左端に沿って水平のfoldoverがしばしば生じます。Foldoverは急激なオンオフによって生じる現象で、オンオフが緩やかな時にはクリック雑音として観察されますが、速い時にはモニタの掃引の開始と停止の繰り返しにより画面が稲光状態になります。従って、代替品ではなく、BU406またはBU406Dを使用して下さい。もし BU406やBU406D の入手が困難で代替品を使わざるを得ない場合には、RCA SK 9085 をお勧めします。
R22(抵抗):470Kオーム, 1/2W, 5%
整流ダイオードについては入手が容易な国産品で代替可能ですが、その場合には電圧と電流に余裕を持たせて選んで下さい。
また、ボーンという起動音がなく、モニタが写らず暗いままで、ファンもハードディスクも回らず、完全に死んでいる様に見える場合、Astec製またはSony製の電源の異常が考えられます。スイッチ等をチェックします。

症状:
1. 起動後しばらくすると、ちゃんと表示されていたモニタが突然真っ暗になり、真ん中に横1本の輝線を示すだけとなる。
または、
2. 電源を入れるとボーンという起動音はするが、真っ暗な画面の真ん中に横1本の輝線がみえるだけである。
原因:
ヨークの垂直掃引の不良で、原因としては、アナログボード上の次の2つの部品のいずれかの接触不良または部品そのものの不良が考えられます。
1. P1コネクタ
2. 垂直偏向用ICチップ、U2(12-pin TV, TDA1170N )
治療:
P1コネクタの最下部のピン(pin 1) の接触不良の場合には、本来白いはずのP1コネクタの最下部のピンが熱で茶色く変色していたり、アナログボードのプリントパーターン面ではこのピンの部位の半田が熱で融けた痕跡やひび割れているのが認められます。修理としては、接触不良箇所を半田付けし直します。やり方については、その2.『真っ黒なモニターの真ん中に縦1本の輝線』の治療法を参照して下さい。
垂直偏向用ICチップU2の不良の場合には、新しいTDA1170Nと交換します。U2の位置はP1コネクタの6センチ下方です。
また、ICチップU2の不良の場合には、『真っ黒なモニタの真ん中に横1本の輝線』以外にも、『画面が縮んで上半分が真っ暗』や『画面が縮んで下半分が真っ暗』とか、『画面上半分が伸びる』や『画面下半分が伸びる』という症状を示すことがあります。

症状:
電源を入れるとボーンという起動音がせず、モニタは市松模様を示す。
原因:
ロジックボード上のROM-SIMMとスロットの接触不良が疑われます。
治療:
ROM-SIMMを外し、それとスロットの両方の接点を揮発性の接点復活剤にて洗浄し、もう一度きちんと挿し直します。
OR 
症状:
電源を入れると、モニタが縦縞の鉄格子模様(ストライプ)を示す。最近RAMを増設したばかりで、増設する前は正常だった。
原因:
SIMMを間違ったSIMMスロット(バンク)に挿した時にこうなるらしいです。
SE/30 の メモリコンフィギュレーションを参照して正しいバンクを確認して下さい。
治療:
大きい容量(例:1MB)のSIMMと小さい容量(例:256KB)のSIMMを挿すスロット(バンク)を変えます。
先ずは、SIMMの容量とSIMMスロット(バンク)の位置をチェックしましょう。大きい容量のSIMMをバンク A に、小さい容量のSIMMをバンク B に、それぞれ 4 枚単位で挿します。片方のバンクにしか挿さない場合は、バンク A に挿します。

症状:
電源を入れるとモニタは明るくなるが、ボーンという起動音がせず、モニタ左上に矢印が現れず、いつまでたっても起動しない。
原因:
ロジックボード上のネットワークフィルタ RP2の故障の可能性が高いです。
治療:
新しいネットワークフィルタ(Bourns 4120R-601-250/201)と交換します。
ロジックボードの製造時期や製造国の違いにより、RP2には異なった部品が使用されています。ぼくの1台目のSE/30では Bourns 4120R-601-250/201 が使用され、2台目のSE/30では M/C 8908L 115-0002 が使用されています。また、P9120M115-0006 を使用している SE/30 もあるそうです。
しかし、Bourns 4120R-601-250/201を入手するのは困難です。そこで、この部品を自作するための回路図を掲載します。
4120R-601-250/201 の回路図を見ると、この部品は16個の25オーム抵抗と8個の200pFコンデンサから構成されています。
参考までに 4120R-601-250/201 のモデル名の読み方について説明します。
4100Rは、Thick-Film Molded DIP (Dual Inline Package) シリーズを意味します。
41 は DIP を、R は Thick-Film を示しています。
4120Rとなれば、20 ピンの Thick-Film Molded DIP を表します。
601 は Circuit Type が RC Netwoks T-Filter であることを示しています。
そして、最後の 250/201 は抵抗値 (Ohm)/コンデンサ容量 (pF) を表しています。上2桁が意味のある値で、3桁目の値は10 の何 乗という冪数です。単位はそれぞれ Ohm と pF です。
この部品の場合には、250 は R = 25 x (10 の 0 乗) = 25 オームを表し、201 は C = 20 x (10 の 1 乗) = 200 pF を表しています。
なお、Bourns のデータシートによれば、この部品の誤差許容量は 2% と示されています。
詳細については、Bourns 4100シリーズではなく、Bourns 601シリーズのデータシートを御覧下さい。

症状:
電源を入れるとボーンという起動音がしてモニタは明るくなり、モニタ左上に矢印が現れるが、いつまでたってもスマイルマックが現れず起動しない。しかし、ネットワークフィルタ RP2には異常はなさそうである。
原因:
ロジックボード上のSCSIチップ(UI12)の不良が疑われます。このチップには、NCR 53C80 CP02346 609-3400257 8907Nと印刷されています。
治療:
新しいSCSIチップ(44-pin PLCC, 53C80-P44)と交換します。
このSCSIチップの入手は日本国内では困難ですが、GALAXYから購入することができます。この情報は、北大の安住さんから教わりました。安住さんは、SE30修理のためにGALAXYからこのSCSIチップ単品を購入したそうです。価格は1個17ドル、郵送料5ドルだったということです。
安住さんのMacPageには、Mac SE/30がSCSI不調になったり、VRAM損傷に陥ったりした時の修理の実例が解説されています。

症状:
モニタのピントがぼけている。それ以外は全く正常である。
原因:
1. アナログボードの可変抵抗器R27(筺体を開けてアナログボードのビニルジャケットを見ると、Focusと書かれている部位)の調整不良。
2. アナログボードの抵抗器R26の不良。
治療:
まずR27を再調整してピントを合わせます。R27の再調整だけで完全にピントを合わせることができない場合には、R26を新品と交換します。交換部品は、1 Mオーム, 1/2W, 5%の抵抗器です。

症状:
モニタ画面が明る過ぎる。画面のわくをはみ出して横方向に走る輝線が見える。
フロントベゼル下にある輝度調整ボリュームを回しても改善しない。
原因:
1. アナログボードのCut-off電圧調整用可変抵抗器 (R24) の調整不良。
2. アナログボードの抵抗器R20またはR21の不良。
3. アナログボードの抵抗器R25の不良。
4. アナログボードのIC チップ U1 の不良。
5. ビデオボード(CRTのソケットのある小さなボード)のトランジスタQ1の不良。
治療:
(1) アナログボードのビニールジャケットに Cut-off 電圧調整用可変抵抗器 (R24) の調節穴があいています。そこにドライバを差し込んで回しながら、画面が適度な明るさになって横方向の輝線も消えるように調節します。
(2)上に述べた方法でもダメな時は、R20 (100Kオーム、1/2W) とR21 (1Mオーム、1/2W) のいずれかまたは両方を交換します。
(3)それでもダメな場合は、R25 (470Kオーム、1/4 W)を交換します。
(4)やっぱりダメな時は、Q1 (2N 3904、NPNトランジスタ)が傷んでいる可能性もあるので、これを交換します。
(5)いよいよダメだと諦める前に、ビデオボードのQ1 (2N 3904、NPNトランジスタ)を交換します。

症状:
モニタが真っ黒で、真ん中に 1 ピクセル分の大きさの点が白く光るだけである。
SE/30 を分解してもう1度組み立てたら、こうなってしまった。
原因:
ヨークの水平掃引も垂直掃引もうまく働いていないことが原因ですが、両方の回路が同時にダメになる可能性は低いです。この症状が現れるのは、たいてい分解後に再度組み立てた時に発生します。CRT から出ているヨークケーブルがアナログボードの P1 コネクタにしっかりと挿さっていないことが原因です。
治療:
もう一度分解して、ヨークケーブルと P1 コネクタを確認して下さい。