13名の作成委員会で約2ヵ月をかけて取り組んできました市民条例案が、ようやく完
成しました。今日9月3日国松善次知事に直接提出してきました。
完璧なものとはいえませんが、県の条例要綱案に比べればはるかに琵琶湖と
県民の生活を守るため自信を持って提案できるレジャー規制条例案になった
と思います。
もちろん、ホームページに1300件を超えるアクセスがあり、いただいた
ご意見にはこの市民条例案に賛成ばかりではありませんでした。琵琶湖を守
るためには水上バイクとリリースだけが問題ではないとの指摘もありました。
そうした点ではまだまだ議論が欠けています。
9月25日開会の県議会に向けて、県会議員へのアプローチなど、市民条例
の実現にむけての取り組みを続けたいと思いますが、今後は、湖面利用と言うレジャー
だけの問題ではなく、総合的な琵琶湖保全に向けて議論し市民の
力を引き出していきたいと思います。
ひきつづきご支援の程よろしくお願いします。

2002.9.3
市民がつくる 「琵琶湖を守るためのレジャー規制条例案」要旨
● 条例の目的 1.レジャーに伴う水辺環境への負荷や、水辺利用者の安全、将来にわたる水質、底質、生態系、生物多様 性への影響を考慮し、琵琶湖を守るために行き過ぎたレジャーを禁止および、制限すること。 2.県、レジャー利用者および事業者、県民それぞれの責務を明らかにすること。 3.琵琶湖におけるレジャー活動に伴う水環境への負荷の低減と、安全の確保を図ること。 4.実効性のある監視体制と予防的措置をとれる仕組みを構築すること。 を目的とします。 ● 禁止項目 1.水上オートバイ類の禁止 → 湖岸近くでの利用される使用特性、性能上(騒音、悪臭)の問題から禁止します。 2.外来魚のキャッチアンドリリース、密放流及び放流目的の生体持ち出しの禁止 → 琵琶湖の生態系を守るために禁止し、違反者には罰則を設けます。 3.プラスチック製ワーム、プラスチック製ルアーの使用禁止、つり用具の放棄禁止 → 湖底のゴミとなり、将来の水質、底質、生態系、生物多様性への影響を考え禁止します。 4.マリーナ以外からの出艇禁止 、自然湖岸への車両(オートバイ等含む)進入禁止 → 水辺の生態系の保全や湖岸利用者の安全の確保のため禁止します。 ● 規制項目 1.猶予期間を設けたプレジャーボート2サイクルエンジンの使用禁止 → 4サイクルエンジンへの載せ替え、買い替えのための期間をおいて禁止します。 2.プレジャーボートの航行許可水域の設定、速度規制の設定 → 航行可能な水域を、排気量、出力、使用目的ごとに規則で細かく規制します。 3.プレジャーボートの速度規制  →湖岸から400m内は時速10km、400m超は時速60kmとし安全を確保します。 4.釣り禁止区域 の設定 → 漁業施設の近く、鳥類や水生生物など野生生物への影響がある場所では禁止します。 ● 実効性の確保 1.プレジャーボート登録制度、 マリーナ事業者による出艇管理 → 関係事業者の責任において管理してもらい、事業者にも罰則の範囲が及びます。 2.琵琶湖レンジャー(市民、NPO)の任命とレジャー監視官(警察専任担当官)の設置 → 市民が監視し、専門知識をもったレジャー監視官が違反行為を取り締まります。 3.すべての違反行為に対する罰則規定の適用 → 罰金の使途は直接的に環境の改善や回復に使われるような仕組みを考えます。 ● 予防的な措置 1.レジャー環境負荷の調査研究、レジャー施設整備にあたって環境アセスメント → 問題が起こる前または初期の段階で対応できる仕組みをつくります。 2.拡大"製造者責任"の明確化  →売りっぱなしで、利用者に責任を押し付けてきた製造業者及び販売業者の社会的責任を明確 化し、製品によって発生する環境破壊を修復する費用負担を求める仕組みをつくります。 ● 健全なレジャーの普及 1.環境負荷の少ないレジャーの普及をすすめる。 →琵琶湖にふさわしいレジャー、スポーツの普及に努め、安全で安心して楽しめるやすらぎの ある琵琶湖を目指します。 意見を受けて素案の主な変更点 1. 自動車以外の車両についても進入禁止とした。 2. 放流目的の外来魚の生体の持ち出しの禁止と行政による回収システム構築の責務化。 3. 規則の内容の補足。 4. プレジャーボートの速度規制。
市民がつくる「琵琶湖を守るためのレジャー規制条例案」
<はじめに> 20世紀末における琵琶湖でのレジャー活動は、自然への畏敬の念を忘れ、儲かればなんでも売 るというモラルなき企業と自分たちさえ楽しければいいという一部のレジャー客の存在に代表 されるように、エゴのレジャーといえます。それは自然が育んできたすばらしい琵琶湖の景観や 生活環境,命のゆりかごである水辺などの野生生物にとってのかけがえのない環境を損なったば かりではなく、人間が生きるために必要な最も大切な「水」までも汚してしまう主要な一因とな りました。私たちが「市民が策定する条例案」の中で示す、ブラックバスや水上バイクの問題に 対する明確なNOの意志表示は、人間が美しく静かで安全な琵琶湖とのつきあいを続ける上で の試金石となると確信します。 <基本方針> ・ 琵琶湖での行き過ぎたレジャーを特定し、やってはいけないことを規制すること。 ・ 実効性のある監視体制の確立と環境対応型レジャーへ誘導するための仕組みを作ること。 ・ 水上オートバイ、キャッチアンドリリース、プラスチック製ワーム、プラスチック製ルアー の禁止を明確に規定します。 なお、この条例においてはこれまで条例等規制のなかったもので緊急性の高いものについて規 制をかけるもので、従来法、条例等で対応できなかったものを対象としており、その他の問題 については、現行条例等の改正強化にて対応するものとします。 第1条 (目的) 1. この条例は、20世紀末からの琵琶湖における自然への畏敬の念を忘れた無秩序なレジャー 活動に伴う水辺環境への負荷や水辺利用者の安全、将来にわたる水質、底質、生態系、生物多様 性への影響をかんがみ、琵琶湖を守るために必要なレジャー活動の規制に関し禁止および制限行 為を規定すること。 2. 県、レジャー利用者および事業者、県民の責務を明らかにすることで、琵琶湖におけるレ ジャー活動に伴う水環境への負荷の低減と安全の確保を図り、将来にわたる琵琶湖の自然環境、 生態系およびその周辺における生活環境の保全のための予防的措置をとれる仕組みを構築する ことを目的とする。 第2条 (定義) この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (1) 琵琶湖   河川法(昭和39年法律第167号)第4条第1項の規定に基づき一級河川に指 定された琵琶湖、淀川(瀬田川洗堰から上流の区域に限る。)、流入河川および西の湖ならびに 規則で定める内湖、池をいう。 (2) 水環境  水質・底質、水生生物、水辺その他の水を取り巻く包括的な自然環境をいう。 (3) 環境への負荷  人の活動により琵琶湖の自然環境およびその周辺の生活環境、余暇環境 に加えられる影響であって、これらの環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。 (4) レジャー活動  レクリエーションその他の余暇を利用して行う活動をいう。 (5) レジャー利用者  琵琶湖においてレジャー活動を行う者をいう。 (6) プレジャーボート  水上オートバイ、モーターボートその他の、推進機関として内燃機関 (以下「機関」という。)を備える船舶(船舶安全法(昭和8年法律第11号)第2条第2項に 規定する船舶を除く。)のうち、次に掲げる船舶以外の船舶とする。 ア 漁船法(昭和25年法律第178号)第2条第1項に規定する漁船 イ 国または地方公共団体が所有する船舶 ウ 専らレジャーの用に供する船舶以外の船舶として規則で定める船舶 (7) 水上オートバイ類 プレジャーボートの内、推進機関が船舶の内部に存在し、砂浜等自然 湖岸への直接の着岸が可能なもの。 (8) 航行  機関を用いて船舶が進行することをいう。 (9) マリーナ プレジャーボートの出艇場所の規則で定める場所  (★ 法律・条例等の条件を満たしたもので、許可を得て法律を遵守し運営される施設) 第3条 (県の責務) 1  県は、県民の健康と安全を守り、また琵琶湖の水を飲み水としている流域1400万人の住 民の健康を守るために、またラムサール条約登録湿地としての琵琶湖の保全のために、琵琶湖に おけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減と水辺利用者の安全の確保、将来にわたる水質、 底質、生態系、生物多様性への影響への予防的措置に関する基本的な施策を策定、および実施す るものとする。 2  県は、琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減と水辺利用者の安全の確保、 将来にわたる水質、底質、生態系、生物多様性への影響への予防的措置に関し、地域住民や関係 市町村との連携を図るとともに、関係市町村、NPO、NGO、県民が策定または実施する琵琶 湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減と水辺利用者の安全の確保、将来にわたる水 質、底質、生態系、生物多様性への影響に対する予防的措置に関する施策または活動について必 要な協力を行うものとする。 第4条(レジャー利用者の責務)  レジャー利用者は、琵琶湖においてレジャー活動を行うに当たっては、環境への負荷の低減に 努めるとともに、県が実施する環境への負荷の低減に関する施策に協力し、関係法令、条例を遵 守しなければならない。 第5条(関係事業者の責務) 1 琵琶湖におけるレジャー活動に関する事業を営む者(以下「関係事業者」という。)は、そ の事業を行うに当たっては、琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減と水辺利用 者の安全の確保、将来にわたる水質、底質、生態系、生物多様性への影響に対する予防的措置に 関し必要な措置を講じなければならない。 2 関係事業者は、県が実施する琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減と、水 辺利用者の安全の確保、将来にわたる水質、底質、生態系、生物多様性への影響に対する予防的 措置に関する施策に協力し、関係法令、条例を遵守しなければならない。 3 琵琶湖におけるレジャー活動に関する製品を製造する事業者は、製造したレジャー製品によ って環境破壊が生じた場合、修復に責任を持たなければならない。 第6条(県民の責務)  県民は、 琵琶湖の水環境を保全するため、自らの生活及び行動において水環境の悪化の未然 防止に取り組むとともに、県又は関係市町村が実施するレジャー利用に関する施策に協力しなけ ればならない。 第7条(基本計画の策定) 1  知事は、琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減、水辺利用者の安全、将 来にわたる水質、底質、生態系、生物多様性への影響に関する予防的施策の総合的な推進を図る ための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定するものとする。 2  基本計画には、琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減、水辺利用者の安 全、将来にわたる水質、底質、生態系、生物多様性への影響に関する予防的施策に関し、基本と なる方針、施策の方向その他の重要事項を定めるものとする。 3  知事は、基本計画を策定するに当たっては、あらかじめ琵琶湖エコレジャー審議会の意見 を聴くとともに、広く住民の意見を聞いて基本計画に反映させなければならない。 4  知事は、基本計画を策定したときは、これを公表するものとする。 5  前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。 第8条 (プレジャーボートの航行に関する規制) 1 水上オートバイ類の禁止 水上オートバイ類は、製品の使用特性を鑑み、琵琶湖においてその航行を禁止する。 ただし、 第9条(4)に示す公益上の有効な航行は可能とする。 2 プレジャーボート登録制度 琵琶湖においてレジャー活動を行うプレジャーボートを所有するものは、規則に定める項 目を県に登録しなければならない。その際、琵琶湖独自の講習を受け、出艇場所となるマリーナ 施設に所属登録し、規則に定める登録票を船体の見えやすい場所に掲示する。 3 マリーナ事業者による出艇管理 マリーナ事業者は、登録されたプレジャーボートの出艇に際して、規則に定める項目に対し て操船者に記入させるとともに、琵琶湖のプレジャーボート航行に係る条例、規制に関して周 知しなければならない。    4.マリーナ以外からの出艇禁止 琵琶湖においてレジャー活動を行うプレジャーボートはマリーナ施設以外からの出艇を禁 止する。 5 プレジャーボートの航行を許可する水域 (1) 知事は、定められた漁業施設、住居、病院、学校等住民の生活環境に隣接する水域、水泳場 等の余暇環境に隣接する水域でのプレジャーボートの航行を禁止する。 (2)知事は、鳥類や在来の水生生物などの野生生物への影響を防止する必要があると認める水域 のプレジャーボートの航行を禁止する。 (3)知事は、水道取水口から半径1キロメートル以内の水域でのプレジャーボートの航行を禁止 する。 (4) 知事は、航行許可水域を指定しようとするときは、あらかじめ関係市町村の長および琵琶湖 エコレジャー審議会の意見を聴かなければならない。 (5) 知事は、航行許可水域を指定するときは、その旨および区域を告示し、その関係図書を公衆 の縦覧に供しなければならない。 (6) 航行許可水域の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。 (7) 前3項の規定は、航行許可水域の変更または廃止について準用する。 6 プレジャーボートの速度規制  (1)琵琶湖におけるプレジャーボートの航行の速度は時速60km以下とする。  (2)ただし、湖岸より400m以内は時速10km以下とし、フルスロットル、プレーニン グを禁止する。 7 停止命令 知事は、第8条1−6項の規定に違反して、プレジャーボートを航行させている操船者に対し て、当該違反行為の停止を命ずることができる。 第9条 航行許可水域外での航行 プレジャーボートの操船者は、航行許可水域以外でプレジャーボートを航行させてはならな い。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。 (1) 次に該当する移動のために航行する場合であって、当該移動に当たり最短となる経路を時速 (2) 10km以下の速度で、騒音を減ずるための措置を講じて航行するとき  航行許可水域外に接するマリーナ施設等定められた出艇施設と当該航行許可水域または当該 航行許可水域内の停留(機関を停止して行う停留に限る。以下この号において「停留」という。) をする場所との間の移動 (2) 水難その他の非常の事態の発生に際し必要な措置を講ずる場合 (3) 国または地方公共団体の業務を行うためプレジャーボートを航行させる場合 (4) 前3項に掲げるもののほか、公益上の必要その他やむを得ない事由があるものとして規則で 定める場合 第10条 (2サイクルの原動機の使用禁止) プレジャーボートの操船者は、2サイクルの原動機機関として備えるプレジャーボートを琵琶 湖において航行させてはならない。ただし、条例施行時点で登録されていた2サイクルの原動 機付きプレジャーボートの航行猶予期間を設ける。 第11条 (プレジャーボートの操船者の守るべき事項) 1 プレジャーボートの操船者は、消音器の除去、消音器の騒音低減機構の除去、その他の騒音 を防止する機能に改造を加えたプレジャーボートを琵琶湖において航行させてはならない。 (★ 原則としてメーカーのノーマル品のみとなるよう、他条例改正もしくは規則で定める) 2 プレジャーボートの操船者は、琵琶湖岸付近においてプレジャーボートを航行させるときは、 当該プレジャーボートの航行により発生する騒音によって他のレジャー利用者その他の者に 著しく迷惑を及ぼすことがないように、速力を減ずる等必要な措置を講じなければならない。 3 プレジャーボートの操船者は、琵琶湖岸においてプレジャーボートの機関の回転数をみだり に増加させ著しく他人に迷惑を及ぼすこととなるような騒音を生じさせてはならない。 4 プレジャーボートの操船者は、プレジャーボートの給油または工作物への衝突その他の事故 に伴う琵琶湖への燃料の流出を防止するため、適切な方法による給油の実施、安全な航行その他 必要な措置を講じなければならない。 5 プレジャーボートの操船者は、マリーナ等定められた施設から出艇しなければならない。砂 浜等の自然湖岸からの出艇はしてはならない。 (★ 上記4項目はより具体的な基準を規則で設けます) 6 その他、滋賀県水上安全条例に規定された規則を遵守しなけばならない。 第12条(釣りに関する規制) 1 外来魚の再放流、密放流の禁止 琵琶湖においてレジャー活動として魚類を採捕する者は、ブルーギル、オオクチバスその他の 規則で定める魚類を採捕したときには、これを琵琶湖あるいは他の水域に放流してはならない。 また、琵琶湖以外から移入してはならない。 (★対象魚類は琵琶湖の生態系に悪影響を及ぼすもの、法律、条約に違反するものを規則定める) 2 放流目的の生体の持ち出しの禁止 琵琶湖においてレジャー活動として魚類を採捕する者は、ブルーギル、オオクチバスその他の 規則で定める魚類を採捕したときは、人為的分布拡大を防ぐため、生きたままで持ち帰ってはな らない。 3 プラスチック製ワーム、プラスチック製ルアーの使用禁止 琵琶湖においてレジャー活動として魚類を採捕する者は、プラスチック製ワーム、プラスチッ ク製ルアーはこれを使用してはならない。 その他の釣り用具についても循環型資源を原材料にした環境配慮製品を用いるよう努めなけれ ばならない。 4 釣り具等の放置の禁止 琵琶湖において釣りを行う者は、釣り具、餌(えさ)、魚類の死体その他の浮遊物又は沈殿物を琵 琶湖および水辺に放置してはならない。 また、放置された釣り具を発見したときは回収に努め なければならない。 (★その他の浮遊物又は沈殿物とは、釣れた琵琶湖のゴミを指します。) 5 釣り禁止区域 琵琶湖およびその流域において釣りを行う者は、漁業施設の近くおよび鳥類や在来の水生生物 など野生生物への影響がある場所など規則で指定する水域で釣りをおこなってはならない。 (★ 漁港、エリ、ヨシ帯、鳥類の餌場等、生活者、生態系を優先配慮して規則で設定します。) 第13条(自然湖岸への車両等の進入禁止) 湖岸利用者の安全、水辺の生態系の保護のためレジャー活動における自然湖岸への車両(オー トバイ、サンドバギー等エンジン付遊具を含む)の進入を禁止する。 第14条 (琵琶湖レンジャーの任命とレジャー監視官の設置) 知事は、琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷を低減し水辺利用者の安全の確保を図 るために必要な監視および指導を行わせるため指定された講習を受けた琵琶湖レンジャーを任 命し、琵琶湖レジャー監視官(警察専任担当官)を置くものとする。   (★ 琵琶湖レンジャーは準公務員としての身分保障を行う) 第15条 (レジャー環境負荷の調査研究) 県は、琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷を低減するための施策を策定し、効果的 に実施するため、必要な調査研究を行うとともに、その成果を公表するものとする。 調査研究の結果、将来にわたる水質、底質、生態系、生物多様性への影響が懸念されることが判 明した場合は、管理者の責任において即座に予防的措置をとることとする。 第16条 (環境配慮生態系保全型レジャー施設の整備) 1県はレジャー施設の整備にあたって環境アセスメントをおこない必要な指導および指示を行 うこととする。また、環境アセスメントの結果、水環境の保全上、不適と判断された施設につい ては設置を禁止する。 2 県および関係自治体は、生態系、生物多様性の保全のため12条1および2の対象となる魚 類の回収設備を設置し、回収した魚類は肥料、飼料等に有効利用しなければならない。 第17条 (環境配慮レジャー製品の開発、販売と拡大製造者責任) 1  琵琶湖におけるレジャー活動において使用される製品の製造を行う事業者は、当該製品が 水質・底質の保全、騒音の防止、その他環境の保全に配慮した製品(以下「環境配慮レジャー製 品」という。)の、開発および製造を行うこと。 2  琵琶湖におけるレジャー活動において使用される製品の販売を行う事業者は、その販売を 行うに当たっては、環境配慮製品に関する情報の提供その他、環境配慮製品の普及のための必要 な措置を講じなければならない。 3  琵琶湖におけるレジャー活動において使用される製品の製造を行う事業者は、過去に製造 販売された製品において、将来にわたる水質、底質、生態系、生物多様性への影響が懸念される ことが判明した場合、今後引き起こされる水質、底質、生態系、生物多様性への影響に対する修 復の費用を負担しなければならない。 (★ これまでの売りっぱなしの製造者の責任を明確にします。例:湖底からのプラスチック製 ワーム・ルアーの回収) 第18条 (環境配慮レジャー製品の使用の促進) 1 県は、レジャー利用者による環境配慮レジャー製品の使用を促進するため、環境配慮レジャ ー製品の開発、製造および販売の状況等に関し必要な調査を行い、環境配慮レジャー製品に関す る情報および琵琶湖におけるレジャー活動において使用される製品に係る環境への負荷に関す る情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。 2 知事は、前項の措置を講ずるため必要があると認めるときは、第17条1項、または2項に 規定する事業者に対し、環境配慮レジャー製品の開発、製造、販売等の状況に関し報告を求める ことができる。 琵琶湖での使用が不適切と判断できる製品に対して、琵琶湖での使用を禁止し、 製造メーカーに県内での販売停止、回収を命じることができる。 第19条 (広報、啓発、講習会等) 1 県は、県内外のレジャー利用者および関係事業者に対し、本条例および関係法令、条例等に ついての理解を深めるため、広報、啓発、講習会等の必要な措置を講ずるものとする。 2 県は、未成年者を対象にした琵琶湖との持続可能なつきあい方を学ぶ環境教育プログラムを 策定するものとする。 第20条 (関係事業者の環境配慮生態系保全型レジャー業態への移行の促進) 県は、レジャー事業者に対して、エコツーリズム、グリーンツーリズムなどの環境配慮生態 系保全型レジャー業態への移行を促進する。  第21条(県民等の活動の促進) 県は、県民、レジャー利用者、関係事業者またはこれらの者が組織する団体が行う琵琶湖に おける環境への負荷の少ないレジャー活動の推進のための活動、その他琵琶湖におけるレジ ャー活動に伴う環境への負荷の低減を図るための活動を促進するため、情報の提供、助言そ の他の必要な支援を行うものとする。 第22条 (琵琶湖エコレジャー審議会の設置)   1  地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、知事の附属機 関として琵琶湖エコレジャー審議会(以下「審議会」という。)を設置する。 2  審議会は、第8条、第10条、第12条に規定する事項を調査審議するほか、知事の諮問に 応じ、琵琶湖におけるレジャー活動に伴う環境への負荷の低減と身水辺利用者の安全の確保、将 来にわたる水質、底質、生態系生物多様性への影響にたいする予防的措置に関する事項を調査審 議する。 3  審議会は、前項の調査審議を行うほか、今後新しくできる琵琶湖におけるレジャー活動に 伴う環境への負荷の低減、水辺利用者の安全の確保、将来にわたる水質、底質、生態系、生物多 様性への影響に関する事項に関し、知事に意見を述べることができる。 第23条 (審議会の組織等) 1  審議会は、委員15人以内で組織する。 2  委員は、県民から公募した者その他知事が適当と認める学識経験者、NGO、NPO、住 民、事業者のうちから知事が任命する。 ただし、委員の半数以上は県民公募委員でなければな らない。 3  委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前 任者の残任期間とする。 4  委員は、再任されることを妨げない。 5  前各項に定めるもののほか、審議会の組織および運営に関し必要な事項は、規則で定める。 第24条 規則への委任 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 第25条 罰 則 1   第8、9、10、11、13条に違反した者は、湖岸の清掃活動へ参加することとし、ま た、琵琶湖での船舶使用の登録を規則で定める期間抹消し、違反の程度に応じて1年以下の懲役 又は100万円以下の罰金に処す。 2  第12条に違反した者は、湖岸の清掃活動へ参加することとし、違反の程度に応じて1年 以下の懲役又は100万円以下の罰金に処す。 3 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業 務に関して違反行為を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、本条例 の罰金刑を科し、1年間の営業停止処分とする。  施 行 期 日 1  この条例は、平成15年4月1日から施行する。ただし、第10条の規定は条例施行時点 で登録されている2サイクルの原動機付きプレジャーボートについては平成17年4月1日から 施行する。 2  琵琶湖エコレジャー審議会は、平成14年12月に設置する。 3  平成15年5月に第8条の航行許可水域の指定を行い、指定水域について周知するための 一定の期間を経た後、平成15年7月から航行規制を実施する。 〇規則等にさだめる必要のある項目 ・2条1 の再放流禁止の対象となる外来魚 オオクチバス、コクチバス、ブルーギルおよびその他の移入種を指定します。 ・2条(9) マリーナ等の施設 合法的な施設のみを登録施設とし、違法な施設は排除できる内容にします。 ・ 8条2 プレジャーボート利用の範囲 および8条の5 プレジャーボートの航行を許可す  る ・ 水域は排気量、出力、使用目的ごとでのきめ細かい規制および許可を検討する。 ・ 25条(1)−(3) 罰金の使途は罰金が直接的に環境の改善や回復に使われるような仕組 ・ みを考える。 〇その他、 琵琶湖を守るため、レジャーに関して設置および改正を必要とする条例 ・その他プレジャーボートの安全航行の制限 滋賀県琵琶湖等水上安全条例 +? ・自然湖岸、港湾施設への車両侵入行為 自然公園条例、都市公園条例、滋賀県自然環境保全条例+? ・ごみ・花火・バーベキュー ゴミ散乱防止条例、自然公園条例、都市公園条例 +? ・ヨシ帯の保護 ヨシ条例+? ・写真撮影 ・ 鳥類、魚類、生態系の保全等の問題についても関係条例の規制とともに、啓発を進めます。 この市民の作った条例が施行されると 1. 汚染のひどい2サイクルエンジンのプレジャーボートが、平成17年で禁止になります。 2. 水上オートバイ類は、アメリカのほぼ全ての国立公園と同様に禁止になります。 3. 自然湖岸へのレジャー車両の乗り入れが禁止になります。プレジャーボートの出艇も、指定マリーナに限られます。 4. プレジャーボートの速度を規制し、安全が確保されます。 5. 湖底に廃棄物として堆積するプラスチック製ワーム、プラスチック製ルアーは、禁止となります。 6. 罰則をもうけ、外来種のリリース(再放流)は禁止されます。密放流は禁止されています。 7. 今後は、県民公募委員が過半数を占める審議会で琵琶湖利用の詳細が決められることになります。 マザーレイク21計画に詠われた「世界の湖沼保全のモデル」になるための条例です。 ちなみに、滋賀県の条例要綱案は、問題を先送りするもので、このような不適切な現状を容認する中 途半端な条例は、むしろつくらないほうが良い。 滋賀県の条例要綱案どおりの条例ができると 1. 汚染のひどい従来型2サイクルエンジンのプレジャーボートが、平成23年(!)まで使われる ことになります。(タホ湖では昨年禁止) 2. 水上バイクは、一部規制区域を設ける以外、現状のまま利用されます。(米国では、ほぼ全ての 国立公園で禁止) 3. 自然公園から砂浜に車両を乗り入れてのボートの出艇も、このまま認められます。 4. 湖底に廃棄物として堆積するルアーやプラスティック・ワームも使用され続けます。(芦ノ湖で はプラスティック・ワーム禁止) 5. 罰則がないため、バスのリリース(放流)はこのまま続きます。 6. 今後は、旧態依然とした「知事が任命する」審議会で琵琶湖利用の詳細が決められることになり ます。 マザーレイク21計画で「世界の湖沼保全のモデル」でなることを掲げ、またラムサール条約登録湖 沼である以上、それらの理念にふさわしい条例案を県は再提出すべきでしょう。
2002年8月27日 市民がつくる「琵琶湖を守るためのレジャー規制条例案」作成委員会
t-shozo@mx.biwa.ne.jp
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