スポーツと年齢

スポーツと年齢


年齢によってスポーツへの取組方が変ります

比較的若い内はかなり過激なスポーツにも耐えられますが、加齢に従ってメニューが変って来ます。ではどのように変るのか、実際に見ましょう。


スポーツ活動は心身の発達はもとより、健康の維持増進にも大きな効果を治め、手軽に楽しめる娯楽としても人気を保っています。しかし年齢を考えない運動の質と量は、子供に野球肘やサッカー膝、老人にはジョギング中の心臓発作などの基質的、致命的な障害を残す事もあります。年齢に応じたスポーツ活動とは何でしょうか。

  1. 小学生

    小学生は戸外での遊びからスポーツ運動への移行的段階であり、スマートな動きや俊敏性の獲得を目標とし、中枢神経系の発達を促すような運動を目指します。技の上達を望んで骨の成長期であるこの次期に骨や筋肉に無理な負担を掛けると、肘や膝に基質的な障害を残します。例えば、野球ではジュニアの時代では変化球を投げてはいけません。

  2. 中学生

    中学生では骨格筋系の発達に応じたパワーアップや持久力の向上を目的として運動をしましょう。本格的なスポーツの部活動もこの次期から始めます。背筋や腹筋もこのころから急速に発達してきますので、野球やサッカーなど手と足の運動に片寄り勝ちですが、全身の筋肉を鍛えるような運動を目指しましょう。

  3. 高校生

    高校生では骨格筋系及び呼吸循環器系の発達段階にあり、ハイパワーの持続にむけてのトレーニングを開始する次期でもあります。トレーニングを続ける事で、筋力のアップや技の熟練度を得る事ができますが、トレーニングでねらった効果を上げるには適性と効率が問題であり、万人共通のトレーニング法はないので、疲労や休息という面も考えて、その人の筋力や技に合った個人的なプログラムの作成が必要となります。

  4. 成人

    成人ではハイパワーの持続が目的となりますが、筋力の低下が出てきますので、呼吸器や循環器のメディカルチェックを年に一度は受けながら、スポーツ選手以外は筋力低下の防止を目的とした健康維持の運動が無難です。

  5. 老年期

    老年期のスポーツは逆にメディカルチェックから出来る運動の量と質を決め、筋力や運動機能の維持を目的とした無理の無いスポーツで余生を楽しみましょう。

  6. 健康な為の運動の条件

    1. 安全であること
    2. 有酸素的全身運動であること
    3. 有効であること
    4. 継続性のあること

    健康に運動を続けるにはヘルスチェックによる健康状態、体力水準を把握することが必要です。
    健康維持に必要な一日の運動量 は2000Kcalです。

    運動時のエネルギー代謝

    運動は筋肉の収縮により始まるが、そのエネルギー源はATPです。このATP産生過程に酸素を使わない無 酸素過程と、酸素を使う有酸素過程に大別されます。無酸素系は更にATPークレアチンリン(ATP-CP)酸系と乳酸系によって構成されています。

    1. ATP-CP系
      筋収縮時に最初に起る変化は直接エネルギー源となるATPの分解です。叉、筋にはATPの外にCPが高エネルギー燐酸を持っており、ATPが消費されると忽ちCPが分解する事によりATPを補給します。→100m走時のエネルギー代謝:息を止めて一気に走る。

    2. 乳酸系(嫌気性解糖系)
      筋肉に蓄えられているATP、CPは僅かで直ぐ枯渇してしまうため、運動開始と同時に乳酸系が始動します。この系では筋肉内グリコーゲンが無酸素的(嫌気的)に分解されて乳酸に至る過程でATPが生じます。このATPはCPの再合成に使われます。→200m、400m走時のエネルギー代謝

    3. 有酸素系(有気系)
      これはミトコンドリアで葡萄糖、脂肪酸、アミノ酸が酸素と反応してATPを作り出します。有酸素系は無酸素的過程に比べ、はるかに効率の良いエネルギー産生過程です。→マラソン時のエネルギー代謝

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