正 信 偈意 訳
正信偈 前段(依経分)
帰命無量寿如来から
難中之難無過斯まで
正信偈 後段(依釈分)
印度西天之論家から
唯可信斯高僧説まで



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 『正信偈』は親鸞聖人が作られた漢詩です。親鸞聖人の主著である『教行信証』にあります。

 『正信偈』は、詳しくは『正信念仏偈』といいます。
 「正信念仏偈」とは「疑いなく、いつわりなく、正しく念仏を信ずる讃歌」という意味になるでしょうか。

 蓮如上人の『正信偈大意』に、次のように書かれています。
 「問うていわく、正信偈というは、これはいずれの義ぞや。
 こたえていわく、正というは、傍(かたわら)に対し、邪(よこしま)に対し、雑(あれもこれも)に対することばなり。信というは、疑に対し、また行に対することばなり。」

 この中に「行に対することばなり」とありますが、「行」とは念仏・名号(南無阿弥陀仏)です。
 親鸞聖人の『教行信証』に「真実の信心は必ず名号を具す。名号は必ずしも願力の信心を具せざるなり」とあります。
 このことから、「正信偈」の「信」は「名号・念仏を具した真実信心」となるでしょう。

 『正信偈』は大きく二つに分けることができます。
 前段は「依経分(えきょうぶん)」と呼ばれます。浄土真宗の正依の教典である『無量寿経』の教えです。
 後段は「依釈分(えしゃくぶん)」で、インドから日本までの七高僧の教えです。

 簡単にまとめると、次のようになります。

 前段「依経分」は「帰命無量寿如来」から「難中之難無過斯」まで。
  大無量寿経の教え(釈迦)
  T阿弥陀仏の悲願
  U釈迦誕生の意義
  V信心の徳益

 後段「依釈分」は「印度西天之論家」から「唯可信斯高僧説」まで。
  七高僧の教え
  T龍樹菩薩(インド 西暦一世紀)
  U天親菩薩(インド 四世紀)
  V曇鸞大師(中国 五〜六世紀)
  W道綽禅師(中国 六〜七世紀)
  X善導大師(中国 七世紀)
  Y源信僧都(日本 十〜十一世紀)
  Z源空上人(日本 十二〜十三世紀)