親鸞聖人  正 信 偈     意訳    (12)
龍樹菩薩 2

 顕示難行陸路苦
 信楽易行水道楽
意訳
 龍樹菩薩は、自力の仏道を、けわしい陸路を行くことにたとえて、菩薩の苦しく困難な道であることを明らかにされ、易行念仏の道を、水路を船に乗ってゆくことにたとえて、凡夫を信心の喜びへと導かれた。
書き下し文
難行の陸路、苦しきことを顕示して
易行の水道、楽しきことを信楽せしむ。
語句
難行=難行道。菩薩のきびしく困難な修行。菩薩が仏となることを目指して修める自力の修行。
易行=易行道。阿弥陀仏の本願によって開かれた、凡夫にも可能な、容易で安楽な修行。
   他力の仏道。念仏。