親鸞聖人 正 信 偈 意訳 (18) 曇鸞大師 3 |
惑染凡夫信心発 証知生死即涅槃 必至無量光明土 諸有衆生皆普化 |
意訳 迷いと苦悩に埋没して生活している人の心に、阿弥陀仏への信心が生まれたら、 日常生活がそのまま仏の悟りに通じる道になってゆくと確信させていただける。 阿弥陀仏の光に満ちた浄土に生まれた人は、 菩薩になって、あらゆる人々を平等に救い導いてくださる。 |
書き下し文 惑染の凡夫、信心発すれば、 生死すなわち涅槃なりと証知せしむ。 かならず無量光明土に至れば、 諸有の衆生みなあまねく化すといえり。 |
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語句 染=染汚心、執着心 惑染とは、常に煩悩に覆われて、智恵の眼が開いていないこと 生死=苦悩・迷い。日常生活のすがた。 生まれ死んでいくこと。生死はもっとも大きな苦悩の根源であるから、人のあらゆる苦しみ迷いを 含めて生死という。 生まれ変わり、死に変わって、変転きわまりなく迷いつづける世界。日常生活のすがた。 善導大師「罪悪生死の凡夫、曠劫よりこのかたつねに没し、つねに流転して、出離の縁ある ことなし」 涅槃=涅槃寂静といわれるように、静かで穏やかな悟りを涅槃という。 |