MERCURY
水 星 −灼熱と極寒の小さな惑星−
水星は、言うまでもなく太陽に一番近い惑星です。あまりに近いため、それを地球から観測するのは大変難しいのです。また、惑星探査についても比較的遅れていて、アメリカのマリナー10号によるものぐらいしかありません。そのため、外惑星と比べて近くにあるにもかかわらず、実のところ謎の多い天体なのです。
水星は小さな星で、月よりもちょっと大きい程度、木星の衛星ガニメデと同じくらいしかありません。したがって、引力が小さいので大気は持っていません。表面は月面と同じくデコボコで、多くのクレーターがあります。それらの主なものには名前が付けられていますが、月のクレーターには科学や数学に功績のあった人物の名前が付けられるのが普通なのに対し、水星の場合にはドガだとか紫式部という文化人の名前が付けられる傾向にあるようです。
水星には大気が無いため、昼と夜の温度差が激しく、至近距離から日光に照らされる昼間は最高で400゜Cにもなりますが、夜になると最低で−210゜Cにまで冷え込みます。とてもじゃありませんが、こんな星には住めないですね。
水星の自転軸は、軌道面に対して垂直なので四季の変化はありません。また、両極地方の山影やクレーターの底は永遠に日光が当たらないので、氷が存在している可能性が高いと言われています。
水星のデータ
赤道半径 2439km
質量 0.05527 (地球を1として)
体積 0.06 (地球を1として)
平均密度 5.43g/cm3
反射能 0.11
平均極大等級 −2.4
自転周期 58.6462日
脱出速度 4.25km/s (重力 0.38<地球を1として>)
自転軸の傾斜 0゜(垂直)
軌道長半径 0.38710AU (1AU=1.49597870×1011m)
軌道離心率 0.20563 (水星は著しい楕円軌道を回っています)
公転周期 0.240852年 (約88日)