一 夜 物 語

 
詞・曲/下山田勝彦
 
 
君がサヨナラを口にするのを待ちながら
 
僕はライトシュガーの空袋を弄(もてあそ)んでる
 
窓の水滴(しずく)越しの冬の夕暮れ
 
今 シグナルが黄色に変わった
 
 
花瓶のシンピジウムの花が シャンデリアの灯りを写していて
 
君はそれを今更 美しいと云う
 
サヨナラを切り出せない君の心遣い
 
いいんだよ別に 心配なんてしなくても
 
 
君は俯(うつむ)いて何やらふとひとりごちた
 
僕が聞き返せば「何でもないよ」と云ったね
 
クリスマス=イヴのメロディがふと
 
今 僕達をざわめきから隔離した
 
 
「あなたに逢えてよかった 同じ夢を見れてよかった」
 
君は目を潤(うる)ませて そっとサヨナラを告げた
 
 
せめて一夜の夢と 忘れられたらいいね
 
この恋を糧(かて)にして大人になれたら...
 
 
せめて一夜の せめて素敵な夢と 忘れられたらいいね
 
この恋を糧にして 大人になればいい
 
 


 
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