ベランダにペチュニア

 
詞・曲/下山田勝彦
 
 
中学校の帰り道 君と自転車を押し乍ら
 
二人で歩いた 大きな河の堤防沿いの道
 
土手一面に埋め尽くすように咲いてたクローバー
 
君はいつでも四つ葉を捜した
 
「いつかきっとしあわせになろうね」と
 
 
僕のノートの片隅に 君がくれたクローバー
 
そっと挿(はさ)んだ いつか君と幸せになりたくて
 
 
 
何年振りに 同窓会の招待状が届いた
 
一番会いたい君に会える 僕の胸は高鳴った
 
知らない内にみんな変わってた すっかりオジサン・オバサンに
 
片隅で誰かが噂していた 君が去年 病に斃(たお)れたと
 
 
同んなじ年に生を受け 同んなじ速さで歩いてた
 
君の生命の糸は 去年プツリと切れていた
 
 
君と歩いたあの道の 周りは今では住宅地
 
見知らぬ家の二階のベランダで ペチュニアが揺れていた
 
 


 
 
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