蒲 生 野

 
 
原作    額田王   
補作詞/曲 下山田勝彦 
 
 
 
誰も居ない小さな駅のベンチで
 
貴方待つ夕間暮れ 風が稲穂を揺らす
 
「ここなら誰にも見つからないよ」と 貴方は言った
 
待ち合わせ この駅で いつも週末毎に
 
 
さやさやと秋風が通り過ぎて行く
 
烏が一声だけ啼いて寝ぐらへ帰ってく
 
 
蜻蛉(あきつ)群れ飛ぶ蒲生野に おんな一人の夕間暮れ
 
貴方今夜も逢えますね それを信じてこうして待っています
 
向こうの坂道を ヘッドライトが降りてくる
 
あぁ あれは貴方ですね ふと 西の空には 一番星
 
 
 
貴方を待っている人はいるけれど
 
この思いは貴方を 決して放しはしないでしょう
 
蜻蛉(あきつ)群れ飛ぶ蒲生野に 人目忍んで恋一つ
 
野守は見ずやこの恋を 貴方いつまで私を愛せますか?
 
ぽつぽつと街灯り 貴方越に流れてく
 
あぁ 幸福そうですね 今 東の空に 十六夜月(いざよいづき)
 
 
 
−−茜さす 紫野行き標野行き 
 
   野守は見ずや 君が袖振る−−
 
 

 

もどる