碑 (いしぶみ)

 
 
詞・曲/下山田勝彦 
 
 
 
化野(あだしの)に一陣の風吹いて 草の葉揺れて
 
山の端(は)に層積雲(くもりぐも) 鴉(からす)の声ふたつ
 
 
山風の空(から)風の 冷たさのこの身に沁(し)みて
 
急ぎ足の君の夢の 足跡を思う 今
 
 
誰もが時間に縛られて 誰もが規則に縛られて 生きている
 
それでも君だけは その心君の色に染めて見せたね
 
 
君の名前を刻んだ碑(いしぶみ)の前に
 
跪(ひざまづ)いて僕は独り 君に語りかける
 
 
 
とりとめの無きことの多すぎて 生活(くらし)に埋もれ
 
見せかけの偽りの心(かたち)で夢を食(は)む
 
 
鈍色(にびいろ)の真心の 殻堅くその味苦く
 
惜しみなく其(そ)を差し出すは それこそが勇気なり
 
 
恨みを持つなら持つがいい 怒りを持つなら持つがいい
 
言い切れたそれが君のプライド それこそが君の強さ つまり優しさ
 
 
君の名前を刻んだ碑(いしぶみ)の前に
 
花を手向(たむ)け僕は独り 君に語りかける
 
 
眠れ安らけく せめて穏やかに
 
眠れ安らけく...
 
 


 
 
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