今日はブルースを聴きたくない
 
詞・曲/下山田勝彦 
 
 
いつもこの街を訪ねると
 
ネオン街を通り抜けて 3つ目の角プールバーの脇を右へ少し入ったところ
 
あの娘がいたこの店を訪ねたものだった
 
 
いつもウォッカをくゆらせて 煙草プカリとふかしてた
 
臙脂(えんじ)色したイヴニング=ドレスがとてもよく似合ってた
 
 
「あたいいつかこの店でめぐり逢えた優しい男に抱かれながら
 
幸福に暮らしてみたいね」と 遠く見つめて話していた
 
 
そんなあの娘が好きだったいつもの
 
ブルースが聴きたかった
 
 
 
久しぶりに鳴らすカウベルの音が店に響きわたる
 
煙草の煙 河のように流れ あの日を思い出させた
 
 
「あの娘はもうこの店を辞めたよ
 
悪い男に騙されてさ 何もかもボロボロにされた」と
 
マスターがそう話してた
 
 
瞳の綺麗な娘だった とても優しいいい娘だった
 
それなのに それなのに
 
あの娘は今どこで何をしてるだろうか?
 
 
過ぎ去ったあの娘が愛しくて だからとても悲しくて
 
あぁ こんな日は こんな日は
 
もうブルースは聴きたくない
 
 

 
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