憧憬のα-Car.(カノープス) −南極老人星−
詞・曲/下山田勝彦
彼(か)の星を人は愛す 白き深き光愛す
照らされし我が頬は 朱に染まる 風の中
何時からか彼を愛し 何時からか光求め
冬の寂黙(しじま)の中を歩き 彼の光追いかけた
嗚呼 震えし足が 木枯らしの中立ち止まれば
闇を裂いた光の中に 佇む我一人
振り返り見上ぐれば 山に隠れ低き北斗
この旅の この瞬(いとま)に 我は一人溜息す
其の昔 天空(そら)に広く横たわりし アルゴの船
羊達の群れを乗せて 突き進め夢の中
其の空は四つに裂けり 船も裂けし 南の空
其の竜骨に彼はありき 空に白く彼はありき
嗚呼 震えし心 我は遠く空を仰ぐ
闇を裂いて彼は光り 心に問いかける
彼に逢はば 我が命永遠(とこしえ)なれと人の言ふ
冬の夜空に我は一人 いづれ終わらむ旅を行く