サイトを作ろうと考えた理由

◆◆はじめに、結論をまとめてみると次のようになります◆◆    ・遠方にお住まいの方のお役に立ちたい    ・私自身が新しい発見を楽しみたい
 以下、説明です。
京の都に隣接する近江(滋賀県)は古くから交通の要衝として位置づけられ てきました。江戸時代には東海道、中山道、北陸道が近江で交わっていました。 信長公が築いた安土城址は私が住んでいる地区の近くにあります。西の陽が沈 むあたりには比叡山があります。いくつかの古典を紐解いてみると、頻繁に近 江の地が登場します。万葉集、伊勢物語、枕草子、更級日記、源氏物語... などなど。 さらに時代を遡ってみると、銅鐸が多数出土した地でもあります。私の住んで いる湖南地区は、建築許可を得るために土地を掘り起こしてみると、ほとんど の場所から古代の住居跡が現れています。
以前、「古典の旅」(全12巻:講談社)という本を読んだことがあります。 瀬戸内さん、永井さん、杉本さん他の女流作家が、古典の舞台となった土地を 訪ねて記した紀行文シリーズです。その中で、津島祐子さんが中学生のお嬢さ んと一緒に歩いた「伊勢物語」で、次のように述べていたのが印象的でした。
 「...また、この旅行の間にも改めて感じさせられたというか、嫉妬さえ  感じたことは、関西の子どもたちは自分の住んでいるところが筒井という地  名だったり、生駒、山科、伏見、深草、三井寺、と関東の私達が聞くと古典  の世界しか連想できない地名のところに日常的になじんでいるということは、  なんと贅沢なことだろう、とこちらは感じてしまうのだ...」
私は関東で生まれ育ちましたが、関西に30年以上も住んでいますので、津 島さんが上に挙げておられる土地は少なくとも一度以上は訪ねたことがあり、 土地の雰囲気も一応理解しています。気が向けば、半日くらいで目的地を訪問 してくることもできます。しかし関東からでは、関西のどこを訪ねるにしても、 時間、費用、土地勘とも大変ですね。例えば、紫式部さんは琵琶湖を通って越 前の実家に帰ったようですが、その足跡を辿ってみたい、と考えたらかなりし んどいことに違いありません。その意味では、関西に移り住んだ私は少し贅沢 をさせていただいていると言えましょう。
そこで、関西、特に近江(滋賀県)に関心をお持ちの方に、地元の人間でな いと確認が難しそうな情報を発信させていただけば、少しなりとも喜んでいた だけるのではないか、というのがこのサイトを作ろうと考えた理由です。 もう一つの理由は、私自身が土地を訪ねる楽しみを味わいたい、ということで す。私は関西に30年以上も住んでいるとは言え、会社勤務の間はゆっくりと 土地を訪ね歩くことができませんでした。これからは関西の各地を歩いてみよ うと考えていますが、訪ね歩いて新しい発見をする機会を皆様から与えていた だければありがたいことだ、と思っています。  
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