介護事業におけるリスクとその対応
介護事故を予防しよう
介護事業は、
人が相手のサービスですから、利用者にケガを負わせてしまうなどの介護事故が発生する可能性を
常にはらんでいます。
入浴中、移動中、食事中などに発生する利用者への身体事故については、中には
経営を大きく左右するような重大な結果を招くケースも考えられます。
介護事業者は、介護事故の防止に積極的に取り組む必要があります。
常に、利用者の体調の確認を行い、何か変化があれば担当の医師に相談するなど、利用者の状態に常に気を払う必要があります。
また、事故が発生した時に備えて、
緊急時のマニュアルを必ず整備し、職員に周知徹底させることも必要になります。
あと、労働災害防止の為に広く取り入れられているのが
「ヒヤリ、ハット」というものです。
みなさんは、「ハインリッヒの法則」というのをご存知でしょうか?
この法則はアメリカの技師ハインリッヒが発表したもので、労働災害の事例を分析した結果、重大災害が1件あれば、軽傷の事故が29件あり、そして無償災害(これがヒヤリ、ハット)が300件あるというものです。
この
「1:29:300」で表される比率は、思ったよりも
高い確率で重大災害を招くことを示唆しているといえます。
これを踏まえて、職場では「ヒヤリ、ハット」の事例を積極的に報告させ、この段階で、その原因を探り、対策を講じ、職場全体に周知させ、再発を防止させる取組が大事です。
ここで重要なのは、
「ヒヤリ、ハット」を報告してもらうことです。
「ヒヤリ、ハット」を経験した個人がどうこうではなく、
職場全体として捉え、積極的に対策を講じていくことです。
そのような
職場の雰囲気作りに事業者は特に尽力していく必要があります。
何かあってから対策を講じていては「遅い」ということになりますから。
それから、指定申請の際にも要件にもなっていますが、損害保険に加入する必要があります。
これらリスクやそれに対する補償内容、金額など、よく比較検討した上で、決めるようにしましょう。
お客さんとの契約について
厚生労働省のガイドラインにより、サービス開始前には必要事項を盛り込んだ契約書を取り交わし、内容および手順について事前に説明を行うことになっています。
上記では、介護事故のみに触れましたが、
契約書を作成し契約するということは、
あらゆる面でのリスク対処となります。
正直なところ、契約書というものは、「如何に
自己に有利な状況にしておくか」といったことを念頭において、作成するものなのです。(もちろん
法令の範囲内においてですが)
契約書には、最低限以下のような項目を盛り込んでおきましょう。
・契約期間、履行期限
・契約の解除、解約
・損害賠償責任
・危険負担(売買物が滅失した場合に、どちらが損害を被ることになるのかを定めるも
のです)
・担保責任(目的物に欠陥があった場合のことですが、対象とする期間や責任の内容
などを定めます)
・期限の利益の喪失(所定の期限までは履行しなくてよいという債務者の利益のことで、こ
れが喪失する原因をなどを定めます)
・契約に規定のない事項についての協議
・諸費用の負担
・裁判管轄
・秘密保持
など
成年後見制度の活用
2000年4月から
成年後見制度が施行されています。
成年後見制度とは、判断能力が低下した本人に代わって、
後見人は本人の代わりに財産管理や身上監護などを行うことを可能とする制度です。
この、成年後見制度には、
法定成年後見制度と
任意成年後見制度とに分かれています。
法定成年後見制度では、本人の判断能力の程度に応じて「後見」、「補佐」、「補助」の3類型に分かれています。
この判断能力の程度に応じて、家庭裁判所が適切な「後見人」、「保佐人」、「補助人」を選任します。
また、判断能力が低下した時に備えて、
あらかじめ、親類縁者や利害関係のない第3者に成年後見人を
頼んでおくこともできます。
これが
任意成年後見制度です。
本人の意思能力が十分でない場合でも、成年後見人がいれば、
成年後見人が本人の代わりに契約を行うことができます。
特に家族がいない方などがおられることも踏まえて、この任意成年後見制度などを利用することも考えておきましょう。
次のページでは、2006年4月より始まった介護の新サービスについてご紹介いたします。
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