真珠製品の手入れと保存法

 ヨーロッパの博物館には何世紀を経ても未だ変わる事のない輝きを放つ真珠をあしらった王冠や装飾品が展示されています。正しい手入れと保存を怠らなければ真珠はその柔らかな輝きを放ち続けてくれるのですね。

ここでは真珠の手入れと保存の方法について簡単に説明させて頂きます。

丁寧に扱ってあげて下さい。

真珠はモース硬度(硬さを示す指標です)が3.5度です。ルビー、サファイアの9度、水晶の7度等に比べるとかなり柔らかい宝石です。爪の硬度が2.5度ですから爪で強く押しても傷つく事はありませんが、金属や他の宝石と擦れると傷付いてしまいます。保管する時は金属や他の宝石が擦れないようにしてあげてください。なお脱脂綿はその漂白作用で真珠の色つやを失わせてしまいますから使用しないで下さい。

汗や酸に注意してあげてください。

珠は汗がついたままにしておくとその輝きを失ってしまいます。
素肌に真珠をおつけになったときは保管する前に柔らかい布で拭いてあげて下さい。
また真珠は、酸にも弱いんです。
酢を使った料理を召し上がる時や調理される時、酸性の洗剤でお掃除される時には注意が必要です。勿論温泉も禁物です。なお真珠は酸だけでなくアルカリに弱い事も覚えておいてください。

香水は真珠をつける前に.....。

揮発性の薬品や化粧品は、真珠の光沢を損なう原因になります。
真珠の表面には吸収性があるため、香水やオーデコロンを吸ってシミになってしまう事があります。ナフタリン、ベンジン、ヘア−スプレーなども同じ事が言えます。これらのものとは離れたところに保管してあげてください。香水などはつけられて乾いたあとに真珠製品をおつけになる事をおすすめします。

真珠は悪環境が嫌いです。

真珠は炭酸カルシウムの結晶とコンキオリンというタンパク質が幾重にも重なって生まれた宝石です。有機物を含むため強い紫外線や高温高湿度によって劣化してしまいます。以上のような悪環境下での保管は絶対に避けてあげて下さい。真珠は生きている宝石だと理解していただければ幸いです。

いくつかの注意点をあげましたが、なにかお困りの点がございましたら
お気軽に掲示板あるいはメールでご質問ください。
正しいお手入れによって
真珠がいつまでもあなたの輝きに花を添えることを願っております。