木内石亭  パート2

    我国、考古学、鉱物学の祖 木内石亭の遺品を訪ねて

  生野銀山
   「生野鉱物館」訪問日誌 
(平成13年6月23日)


我国考古学、鉱物学、博物館学の祖と言われ、江戸中後半期、30藩に及ぶ蒐集の旅で集められた石亭翁の2000種類に及ぶ蒐集品も現在では、残念ながら、散逸してしまい、まとまっての遺品は殆どありません。
 当時交流のあった方、その後、取得された方等の子孫が個別に大切に保管されている事(秘蔵)を時々、耳には致しますが、専門家でない私達が情報を得たからと言って個人宅を突然訪問し、見せて頂く事は容易なことではありません。
 むろん、整理され、公開までされているところは余り聞いた事がありません。
 その中で、石の百科全書とも呼ばれる「雲根誌」にも記されている著名な「珍石21石」そのものが、生野鉱物館に幸いにして保管、展示されています。
 私も5〜6年前から聞いていたのですが、なかなか自分で確かめることが出来ませんでした。
 今回、地元の「木内石亭を学ぶ会」を通して、31名の理解ある方々と一緒に、去る6月23日、鉱物館をようやく見学することになりました。
 草津から名神、中国道、播但有料道路を通って約3時間近くかかりましたが、神秘的な光を放つ鉱石や宝石類の原石の数々、自然の芸術品等々・・目をみはる品々が展示されていました。
 その中でもひときわ威厳と気品を漂よわす一番奥のコーナーに「「雲根誌」と共に石亭さんの蒐集品として21石が展示されています。
 この世の誰かに200年以上に亘って、大事に大事に守られてきた石亭翁の遺品との面会が出来たのです。
 「う〜ん」と唸り、感嘆するより、たとえ様がありません。その側には、昭和天皇皇后両陛下が来館された写真が掲げられています。
 まるで、日々、石亭さんに説明を受けられている様な気がします。
 地元草津ではあまり話題にならない石亭さんですが、その存在と価値を播但地方で確認出来た事が嬉しいのです。
 つまり、井の中の蛙がただ狭い了見で石亭さんを話しているのではない事が自分で確かめられたからなのです。
 但馬地方へ旅された折には、ちょつと鉱物館に立ち寄り、「珍石21石」をご覧下さい。
 さすれば、あなたは歴史をご自身で確認できるのです。


  生野(銀山)鉱物館
      〒679-3324
      兵庫県朝来郡生野町小野字大谷筋33番地の5
         電話   0796−79−2010
         入場料  一人  200円
          (30人以上団体一人100円のはずです)
 



                                 


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