8種の資源ーその1 戦略
この8種の資源のバリアントは基本ルールより戦略的にということを目指して考案しまし
たのでいちおう戦略も若干書いておきます。資源の種類が増えましたので初期配置でとる
資源の組み合わせを誤るとまったく何もできなくなりますので注意が必要です。また資源
が分散するので交渉のウエイトが基本ルールに比べて高くなっています。たとえば開拓地
・都市を基本とする戦略(詳細は後述)の場合紙または宝石は自分で使うには貿易の材料
にしかなりません。しかしそれを産出できるプレイヤーも限られてきますのでそれを欲し
いプレイヤーもいるはずです。
生産できる建設物のコストから戦略を大まかに分けると泥・木・羊・麦・鉄による開拓地
・都市を中心とするものと木・羊・綿・紙・宝石による教会ー聖堂戦術に2分することが
できます。木と羊は共通しますが(そのためタイルも木と羊は3枚ずつあります)それ以
外は全く別になりますので上に書いたようにこの大戦略区分にはずれる資源は貿易または
交渉で出すことを考えることになるでしょう。さらに2つの戦略を細かく分けると
1)泥・木・羊・麦による開拓地戦術
2)羊・麦・鉄による都市(+カード)戦術
3)綿・木・羊・紙による教会戦術
4)羊・紙・宝石による聖堂(+カード)戦術
にわけることができます。ほかには新たに
5)泥・木・綿による道(+灯台)戦術
が可能ですし
6)同色の土地+その専門港の単色戦術
も当然考えられます。
数字チップの並びは基本ルールと同じですから4・10以上の生産力のある土地は4箇所
までしかとれないでしょうから3種もしくは4種の材料を基準に開拓をしていくことにな
ります。
それでは各戦術を順に簡単に説明していきます。
1)開拓地戦術
 初期配置は教会+開拓地で泥・木・羊・麦の生産地をとります。開拓地2軒だと手持ち
 の開拓地駒が切れてしまうので損です。基本的ルールだとこのあとは開拓地を建てきる
 までに鉄の生産地(もしくは効率のよい港をとって鉄を生産)をとりどこかを都市にす
 ることを目指すのですが途中で綿の生産地をとって灯台2軒を建設を目指すのも可能で
 す。10点のプラントしては
  開拓地4+教会1+道王+都市1+何か1点もしくは
  開拓地4+教会1+道王+灯台2+何か1点
 を目指すことになります。
2)都市(+カード)戦術
 これは基本ルールとかわりません。初期配置を開拓地2軒で羊・麦・鉄をとります。で
 きれば3軒目の開拓地のため3か11レベルの木でもあるといいです。
 10点のプランは
  都市3+騎士王+1点カード2です。
 道が木・綿でも引けるので3軒目の開拓地は基本ルールより建てやすいかもしれません
 が苦労することにかわりはなさそうです。
3)教会戦術
 初期配置で開拓地2軒で木・羊・綿・紙をとります。あとは途中教会で泥または宝石の
 土地をとって
  開拓地2+教会4+道王+聖堂1+何か1点もしくは
  開拓地2+教会4+道王+灯台2(灯台1+なにか1点かも)
 を目指します。
 開拓地戦術にくらべて目標だけみればすこし楽そうですが教会に綿2枚必要なのがミソ
 で綿が不足気味になるので教会と開拓地では開拓地の方が早く建設できるのでどちらが
 よいと一概にはいえません。綿が十分に産出できれば有力でしょう。
4)聖堂戦術
 教会+開拓地で羊・紙・宝石をとります。都市戦術同様3、11の木くらいはあったほ
 うがいいです。また場合によっては鉄ならもっておくと使えるかもしれません。
 2軒目の教会さえ建てば自力で開拓地1+教会2+聖堂4+騎士王の9点まで見えてき
 ますが2軒目の教会は都市戦術の開拓地同様苦労するでしょう。
 10点のプランは
  開拓地1+教会2+聖堂4+騎士王+1点カードもしくは
  開拓地1+教会2+聖堂3+騎士王+1点カード2
 となるでしょう。
 都市戦術との比較ですがカードで最低1点引ければなんとかなるわけですが聖堂は2軒
 建たないと生産力がアップしませんのでそれまでが大変です。1軒目の主生産地が教会
 ですから盗賊に襲われにくいですが生産力もないですので注意が肝要です。ただし2軒
 目が建てば手札制限が緩和されている分有利になります。できればうまく交渉して(も
 しくは発見カードで)開拓地が都市化できると懸念の序盤の生産力も補えます。鉄を持
 っていれば麦2枚はなんとかできるかもしれません。この戦術の冒頭で鉄もつかえるか
 もと書いたのはそのためです。
5)道(+灯台)戦術
 この戦術は2軒灯台を建てた時点で開拓地戦術もしくは教会戦術に以降することを前提
 とした作戦です。道材(泥・木・綿)の初期配置でも十分作戦的に成り立つものの初期
 配置の資源では
  開拓地2+灯台2+道王の6点までしか計算できません。
 2軒の灯台で不足している羊と麦または紙がとれるような配置を目指すのが基本ですが
 実際には道材の2:1港をとって不足資源を補う形の方が多いかもしれません。
 初期配置は灯台で紙がとれそうなときは開拓地2軒、麦がとれそうなときは教会+開拓
 地でおきます。泥・木・綿の生産地をとりますができれば羊はどのみち必要なのであれ
 ばなおよしです。
6)単色戦術
 これはいうまでもないですが資源の種類が多い分港は重要になります。おなじ土地が固
 まっているマップでは基本ルールのときより有力な作戦になり得ます。
 単色戦術の場合戦略の幅を広げるため初期配置は教会+開拓地の方がふつうと思います
 麦の単色の場合などは開拓地2軒がいいでしょう。
各戦術で初期配置の1軒目を開拓地にするか教会にするかは基本的に自分が建設しにくい
方の建物を選択すれば間違いはないとおもいます。 
開拓地ー都市戦術の麦に相当するのが教会ー聖堂戦術では紙になります。基本ルールで麦
なしカタンは負けカタンといわれるように紙は重要です。聖堂建設に1枚しか必要ではな
いので多少は緩和されますが教会ー聖堂の戦術では紙は5・9クラス以上でとるべきだと
思います。
開拓地ー都市戦術と教会ー聖堂戦術はいちおうどちらも一長一短に作成していますのでど
ちらが有利とはいえないとおもいます。たとえば教会は2枚産出できるようするには聖堂
2軒が必要で8枚の資源がいりますができてしまえば都市は2勝利ポイントに対し、教会
+聖堂2は3勝利ポイント+手札制限1枚緩和の特権付きです。都市と聖堂のつくり易さ
を比較しても麦タイルが3枚(1枚は2か12ですが)ある替わりに聖堂は紙1枚で建設
できるようにしています。
その他共通資源を考えると木と羊はタイルが3枚あります。泥と綿のタイルが合わせて4
枚ですから若干木は不足しがちにも思えますが教会に木を使わないので普通のマップなら
木と泥、綿の価値は同じくらいでしょう。(基本ルールだとあきらかに泥の方が高くなり
ますよね)また羊はどの戦術にも必要ですが用途は基本カタンとほぼ同じです。基本ルー
ルで4枚タイルがあると余りがちなので3枚でちょうどいいのではないでしょうか?やは
り6・8の羊は余るとおもいます。自分で使うだけなら4・10で十分だと思いますが交
渉材料にはなるので5・9までは使えると思います。
あと初期配置ですが特定の4種類の資源を4・10以上で初期配置でとるのははっきりい
ってかなり難しいです。したがって開拓地や教会戦術の場合なにかが3・11になること
が多いとおもいます。マップ全体で5.9.10クラスでのでよい組み合わせの場所は1
箇所あるかなしかになるとおもいますので2番手以降は他のプレイヤーの取った土地を見
てうまく交渉ができるよう配置を考えなければならないでしょう。都市、聖堂戦術は3種
でよいので比較的初期配置で必要な資源がとれることがあるとおもいますが3軒目の建物
を建てるのが基本ルールより難しくなります。というのは基本カタンでの道戦術のプレイ
ヤーも10点に到達するためには1軒都市化が必須ですから中終盤で鉄を出せば泥木は出
やすかったのですがこのバリアントでは灯台があるため必ずしも鉄、宝石を必要としない
からです。この辺はマップにもよりますが初期配置で十分考慮しておく点だと思います。
最後に灯台について書いておきます。これは5枚資源を必要とするわりに海岸沿い限定で
あったりアップグレードの特権も無く効率は悪いですが使用する材料が道材3種でよいの
で開拓地戦術、教会戦術にとって比較的建設しやすい建物といえるでしょう。ただし終盤
は建設するスペースが残っているかが重要でしょう。