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友釣り
概要
鮎釣りのなかでも最も盛んで最も面白いのが友釣りです。 稚鮎は動物性プランクトンや昆虫も食べるが、成長するに従い川の石についた珪藻類を口ではがして食べるようになり、食べた後には独特の黒く細長い食み跡が見られます。
鮎はその気に入った石を中心に約1m四方の縄張りを作り、そこに外部から侵入するものがあると、猛然と突っかけ、あるいは肛門付近に噛みついてでも侵入者を追い出そうとします。
友釣りはその鮎の闘争本能を利用しています。囮に生きた鮎を使い、縄張り鮎にそっと近づけてやると野鮎は囮を追い出そうとして、突っかかってきます。 そして囮にセットしてある掛け鈎にかかる。
掛かった野鮎は逃げようとして、盛んに泳ぐ。 急流で育った鮎の力は他の魚の数倍あると言われています。 さらに囮を背負って自由を失った野鮎は急流に流される。 野鮎の泳ぎにさらに囮と野鮎にかかる流れが加わって、非常に大きな力が釣り人を襲う。 釣り人は必死にその力に耐えながら、野鮎を釣り上げるのです。
囮は生きた鮎を使います。 それを次の囮が取れるまで、泳がせなければならなりません。 太い糸(水中糸)はたちまち囮を弱らせるので、可能な限り細い糸を使います。 近年の技術向上はすばらしく、ナイロン糸で65ー90ミクロン、金属糸ではさらに細く、30ミクロンのものまで現れました。 しかも、伸びのある金属糸の誕生や、ポリエステルと金属を一体にした新素材糸まで登場しています。
しかしいかに丈夫なナイロンや金属糸でも、流れに逆らって、2匹の鮎を取り込むのは難しく、鮎が掛かっても釣りはそれで終わりではありません。 掛かってから取り込むまでが次の重要なステップであって、釣り人は野鮎を網の中に入れたときようやくほっと息をつくのです。
釣り人は出来るだけ早く囮を交換し、弱った囮を囮缶に入れ、今釣ったばかりの野鮎を囮に使います。 そしてその囮を素早く送り出して、次の鮎を釣る。 釣ったばかりの元気な囮はよく泳ぎ、次の野鮎をつれてくるのです。 友釣りが循環のゲームであると言われるゆえんです。 しかも釣った鮎はまことに美味で、釣り本来が持っている狩猟本能をも満たしてくれるのです。知人、近所におすそ分けしても喜ばれること請け合いです。
このように友釣り本来のおもしろさの他に、繊細な仕掛けを作ったり、鮎の調理方法を考えたり、釣り人同士の会話など、様々な楽しみが付属する、いわば釣りという範疇からは一歩離れたところにある、日本独特の遊びと職漁を合わせ持った「文化」そのものといえるかも知れません。

びわ湖の小鮎の友釣り教室
