作成 1998年 4月26日
今回放送用として開発したアナログ方式のAudio
Console
地上波デジタルテレビジョン放送の実用化実験が今年の秋頃から行われる予定です。
2000年頃から地上波テレビ局は、順次デジタル放送に移行が始まってくるでしょう。
この様に伝送路のデジタル化により、ますますデジタル化に拍車がかかる事でしょう。
一方放送局・レコーディングスタジオをはじめとするソフト制作現場のシステムでは、映像機器はかなり以前からデジタルシステムに進んでいて、現在ではデジタルシステムでなければ映像演出効果は出来ない処まで進歩しています。
処が音「オーディオ」の世界を見てみると、確かにCD,DATをはじめデジタルにとって変わっているようですが、何もかもデジタルシステムだと割り切れないものがあるようです。音へのこだわりから、アナログの音とデジタルの音を比較して、アナログの音の良さを強調されたり、論議のあるところです。
放送局、レコーディングスタジオなどでは、大型の音声調整卓でフルデジタル方式の導入が進んできており、デジタル化の波は確実に押し寄せています。
今後中規模小規模の音声調整卓に於いても、幾つかの問題点が解決されてデジタル化されていく事でしょう。
この幾つかの問題点とは
1 デジタルとアナログの音質論議
2 機器のローコスト化
3 操作性へのなじみ
デジタルとアナログの音質は、以前真空管の音から石(トランジスタ)に移行したときにも、オーディオマニアの間ではこだわりがあったが時間がたてば、どこを見回しても石の機器になってしまった様にデジタルに置き換わる事でしょう。
機器のローコスト化は、デジタル処理用のDSPをはじめとするICのローコスト化と、周辺ICの大規模LSIの開発及び、ローコスト化により実現する事でしょう。
操作性へのなじみは、従来のアナログ方式の機器を操作していたオペレターが、デジタル方式で出てきた新しい操作方法にとまどいを感じている事に因るもので、製造メーカとオペレータとの意見交換などで、操作性の改良と、慣れにより解決していくことでしょう。
プロトタイプの8CHフルデジタルミキサー
我々も、プロトタイプの8CHのフルデジタルミキサーを完成させた後、
現在製品化のために新しいシステムを開発中で、新しいDSPフレームの製作し評価を行っている。
ご意見、感想 を是非お寄せください。
試作評価中のデジタル音声卓の中枢部のDSPフレーム
このような中であえて、アナログの音の良さにこだわり、操作性の良さを十分考慮して、中小規模の放送用音声調整卓としてアナログ方式の音声調整卓を開発しました。
今年の正月から製作していた様子を紹介します。
5mm厚のアルミによるリブ構造と30mm角のメインフレーム
を組み合わせて強固な筐体に仕上げている。
組立中のAS−300010V Audio Consloe
機器内部の配線は、細心の注意がはらわれて、ベテランの
作業者の手で、手際よく進められていく。
機器内部の配線がほぼ完了
機器の組立配線が完了し、別ラインで製作されたモジュールを
装着し最終調整が行われ、設計仕様通りの性能、品質になるように
入念にチェックされていく。
検査とデータ取り
今回は電気的性能は元より特に操作性の良さを考慮して
パネルデザインは、機能別色分けを行い視認性の良い配色
をめざして設計しました。
各モジュールは、機能別に配色を行っている
各モジュールの入力レベル監視用に新規開発した
LEDバーグラフVUメータで−40dBがら20ドットで表示出来る。
新しく開発したLEDバーグラフVUメーター