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MA室工事奮戦記

第8巻 MA室工事奮戦記

作成 1998年 7月29日

今回はMA室工事奮戦記と題して工事の記録です。
 

フルデジタルの音声調整卓


はじめに
 MA室とは、Multi Track Audio RecordingのMとAを取って
MAでその作業をする部屋(スタジオ)のことです。
 テープレコーダーには、ハーフトラックでモノラルの往復録音出来るものから2トラックのステレオ録音タイプや4トラックのステレオで往復録音などが有りますが、8トラック以上の16トラック、24トラックさらに48トラックと多チャンネルの録音が出来るものをマルチトラックレコーダと言います。
 レコーディングスタジオでは、このマルチトラックレコーダで録音したマスターテープを2チャンネルステレオにトラックダウンしてレコード(現在ではCD)製作します。 放送の世界では、この手法を使ってテレビドラマ等の音声処理を行います。事前に編集され完成した映像のVTRに対して後から音声の処理たとえばBGMや効果音等を入れていきます。この時に使用されるのがマルチトラックレコーダで音の処理を行う部屋をMA室と呼びます。又この処理を行う部門をポストプロダクション(ボスプロ)と言います。

工事の記録

毎日放送千里丘放送センターにフルデジタルによるMA室の工事
を7月6日から開始して、7月28日「火入れ式」で完成しました。
以下工事中のスナップ写真です。

←機器室(マシンルーム)に設置するラックを固定する為床にアンカーボルトを打ち込む
機器を収納するラック群→
↑デジタル処理の為のプロセッサーやAD/DA変換器等の機器がラックに収納される。 ↑デジタル音声を処理するMACパソコンとデータを保存するハードディスク
←エフェクター機器など(デジタルプロセッサー、サンプラー、MIDIコントローラー)や効果音をミキシングする小型デジタルミキサーを収納したセンターテーブル
↑マシンルームとセンターテーブル間をデジタル信号で接続する青色の同軸ケーブル ↑デジタル信号用同軸ケーブルの総延長は1.6Kmにもなった
←フルデジタル音声調整卓 マシンルームのラックに設置された音声卓のプロセッサーとイーサーネットで接続されている。卓には「マンインターフェイス」のフェーダーや各種摘み、表示部があるが、全て通信回線でもってコントロールされるため音声信号(アナログ、デジタル)は、卓内には入ってこない。
   センターテーブルにエフェクター機器が収納された。→


卓のコンフィグレーションが設定されテストが始まる。↓
←                     ↑
センターテーブルにあるパソコン用ディスプレイでマシンルームに設置したパソコンを操作して、デジタル音声処理の設定や音声ファイルのアプリケーションを走らせる。



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