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第11巻 中継車とインカムシステム

広島テレビに納入された大型中継車



中継車とインカムシステム


中継車は、テレビ番組において大変重要な役割をしています。
毎日放送されている番組で、中継車が活動していない番組はないでしょう。

 その中継車には、カメラやスイッチヤー等の映像機器と音声機器が搭載されていますが、インカム装置と言う打合や指令を行うスタッフ間のコミュニケーションの為の連絡装置が搭載されています。

 中継番組の規模が大きくなれば当然このインカム装置(以下インカムシステムという)が大変複雑になり、又重要なものとなります。

 

インカムシステムの変遷


 インカムシステムの初期は、電話と同じ2線式で、送話と受話の信号が同じラインに乗っていて、ハイブリッドトランスで送話と受話信号を分離して、マイクとレシーバに繋がれていました。 従って子機をラインにパラって通話回線を構成(今で言うパーティライン)し全ての子機同志の通話を行っていました。
 子機の数が増えるとラインインピーダンスが下がり、その都度ハイブリッドトランスのバランスを取り直さないと、自分の声の方が相手の声より大きくて、聞き取れないと言う状態になりコミュニケーションが取れなくなってしまう為、相手の声が良く聞こえるように、絶えず調整しなければなりません。

そこで考えたのが、集中式インカム装置(現在の4線式インカムの初期)で全てのインカム子機に使っているアンプをインカム親機として集め、そこから子機へそれぞれ接続する方式でして。
 この4線式で構成する方式は、インカム装置と打合電話装置等、連絡系のシステム全てに採用し複雑なインカムシステムが完成しました。

 4線式インカムによる複雑なシステムは、その制御にデジタルコントロールを用いたCPU方式で構成するようになりました。そしてタッチパネルを使用する事で、より分かり易い操作性を実現しました。

 今後は、フルデジタル式のインカムシステムに変わって行こうとしています。

 

 タッチパネルを用いたデジタルコントロール式インカムシステムを搭載した「広島テレビの大型中継車」のシステムアップ中の様子

 

システムアップが完了した中継車内部
タッチパネルを採用したインテリジェントインカムシステム
音声操作を行う(ACU部)にもCPUコントロールを採用
最新の機器を搭載した内部
インカムシステムの立会検査

検査官は広島テレビの音声インカムシステム担当の藤藁氏

 

各カメラと通話テスト中の様子

 

インカムシステム等の設定データは、パソコンにデータを保存できる。

 

システムの最終確認を行っている藤藁氏