国産石材の種類と標準価格(9寸角京都型の場合)
−石材の通信簿ー
ABC TV放送の墓石の偽装について
・庵治石(細目)
評価 ★★★★★★★
産地 香川県庵治町
特長 「斑」と呼ばれる模様があり、世界に類のない質の良さと希少価値から文字とうり
世界一の石材、ツヤ、粘り、経年変化も少なく文句なく最高級石材、
ただし価格も世界一高い。
価格 約350万円
・大島石
評価 ★★★★★
産地 愛媛県伊予大島
特長 青みを含んだ気品ある石肌、建立後、時を経る毎に青みが強く感じられ、
益々美しくなる。関西・中国地方では最も人気のある高級石材。
価格 約115万円
・青木石
評価 ★★★★
産地 香川県青木島
特長 色むらなく落ち着きのある均一した目あい、独特の青味がある。採石量は
少ないが、大阪地方では人気がある。
価格 約110万円
・万成石
評価 ★★★★
産地 岡山県岡山市
特長 独特の淡紅色が特徴、柔らかくみえるが実に硬い花崗岩、時が経つと赤味が増す。
好みが分かれる石材です。
価格 約85万円
・北木石
評価 ★★★
産地 岡山県北木島
特長 石目は粗いがその美しい白い石肌は群を抜いている。墓相学に最適。最近は採掘量
が少なく残念である。たまにサビがでるのが難点。同質で少し淡紅色を帯びたものは
瀬戸石といわれる。
価格 約85万円
・紀山石
評価 ★★★
産地 福島県いわき市
特長 約20年前から採掘、比較的若い石、細目で青味を帯びた上品な色あい、
大島石に良く似ていることから、関西地方で最近人気があります。
価格 約95万円
・滝根石
評価 ★★★★
産地 福島県川内村
特長 少しクセのある色合いですが、ツヤ持ち、水を吸わないなどが持ち味の石材
価格 約80万円
・真壁石
評価 ★★★
産地 茨城県真壁町
特長 青味が強く粒度が細かい。良質(優美・堅牢)で変色なく経年変化に強い。銘石といえるが
大量に採掘されるため比較的安価です。もっと評価されても良いといえます。
価格 約75万円
・天山石
評価 ★★★
産地 佐賀県松浦
特長 最大の特長は国内産石材で最も硬く、最も水を吸わない。ただ硬すぎて加工しにくい。
色目がきつい為、好みが分かれる石です。
良く使用する石屋と全く使用しない石屋に分かれます。
価格 約115万円
・宇寿石
評価 ★★
産地 愛知県岡崎市
特長 白く美しい雲母が特長、外国材が入る前は盛んに墓石材として使用しました。経年変化
にも強く、個人的には大好きな石材のひとつです。最近は採掘量が少なく残念です。
価格 約65万円
・小呂青石
評価 ★★★★★
産地 愛知県岡崎市
特長 岡崎市内で採掘される牛岩石、吉祥石と並ぶ銘石、細目の黒雲母花崗岩でキメ細かく
光沢が優良、中部地方では最高級品とされています。
価格 約185万円
・本小松石
評価 ★★★★★★
産地 神奈川県真鶴町
特長 関東地方では最高の石材とされています。花崗岩が主流の関西からみれば、安山岩の
本小松石の良さは理解できません。ただ経年変化すると独特の模様と緑色の石面が
好まれるのでしょう。
価格 不明(取り扱いがない為)
番外編。現在多く使用されている外国石材について
・アーバン・グレー
産地 インド共和国
特長 灰色の石目、粗い結晶が特長、おそらく外国石の中で一番硬く、水を吸わない
目が粗い分経年変化が心配
価格 約55万円
・K−12
産地 中国黒竜省
特長 青黒く非常に硬い、中国石材のなかでは一番品質が良い。ただし「油塗り」「着色」
している場合が多いので注意が必要。
価格 約55万円
・AG−98
産地 中国福建省
特長 大島石に良く似た石目。関西地方で好まれ、非常に多く建てられています。
価格も手ごろ
価格 約50万円
・614
産地 中国福建省
特長 特長がないのが特長、すなおな石目で万人うけする石。価格も手頃で大きい石材
を必要とする時重宝します。
価格 約40万円
・654
産地 中国福建省
特長 黒に近い青色が特長、その色合いから中部地方では好まれているようです。
価格 約50万円
その他無数といっていいほど石材の種類はありますが、その地方、地方で使用される石材はそう多種類
あるわけではありません。当地滋賀県ではここにあげた石材で90%以上の墓石が作られていると思います
最後に、安山岩系の本小松石の良さは分からないと記述しましたが、本小松石は非常に高価なので、
関西では建てる人はないと思いますが、最近外国石材の安山岩のお墓がでまわっています。
花崗岩にくらべ、格段に水を吸いますし、何よりも石が柔らかいのでツヤ落ちが早く、風化も早いので
避けたほうが無難です。加工し易いので価格が安いのかもしれません。
尚、本小松石以外ここでとりあげた石材はすべて花崗岩(みかげ石)です。
2月25日ABCTVで放送された墓石偽装はあまりにひどいものでした。
大島石を韓国の陰城石で偽装するのは20年ほど前には広く横行しました。今でもあるとは、
当店の大島石の見積りの価格と
余りに違うので展示場の石をはずして、この石が大島石なんですと持ち込んだこともありました。
(大島石を安く見積りし、更に安い陰城石を納品する手口ですが、TVでは逆で安い陰城石で高価な大島石
の価格で納品とは更に悪質)
TVほどの素人石材店もそうないでしょうが、この偽装は詐欺です、が
原価10万円ほどの中国石を80万円で、原価12万円のインド石材を100万位で販売している石材店はざらに
あります。犯罪ではありませんが、一方的に信用しないでWEBの時代、おおいに相見積りをしましょう。