6年理科「水溶液の性質」  塩化アルミニウムを取り出す実験

(1)
アルミ箔より台をきれいに拭こう 

 6年理科「水溶液の性質」の学習に、
 塩酸にとけた金属は、どこへいったのだろう。 
という課題がある。
 その課題の実験は、指導書では、「教師による演示実験」となっている。 
 そして、指導書には、「水溶液が蒸発して残り少なくなると、白っぽい粒が飛び散るので、
あらかじめアルミニウムはくなどを下に敷いておくとよい。」
と書かれている。
 しかしながら、実際は、
実験台(ほぼ1m四方)の全域に散らばる。
ほとんど意味がなかったので、アルミニウムはくをしかなくてもいいと思う。
それより、台をきれいに拭こう。

(2)
加熱終了は音で判断せよ 
 「うすい塩酸にアルミニウム板をとかした水溶液」を蒸発皿で加熱すると、水分がだんだんなくなっていく。
 そして、蒸発皿には、反応してできた「塩化アルミニウム」が析出してくる。
 ある程度時間がたつと、水分はなくなったように見えるが、完全に水分がなくなるまでは時間がかかる。
 そして、子どもたちから
 先生、いつ火を消すんですか? 
と質問が出る。
 ただ単に、
 水分がなくなるまで加熱しなさい。
とか
 水分がなくなったら、火を消しなさい。 
というと、子どもは、析出したものだけになった段階(水分をまだ含んだ状態)でやめて、不完全なまま終わらせてしまう。
 そこで、
 水分が蒸発しているときには、小さい音ですけど、パチパチと音がします。そのパチパチという音が聞こえなくなったら、火を消しなさい。
と言った。
 すると、子どもたちからは質問は来なかった。また、「もう、(火を)消していいですか?」と質問したグループでも、
「先生は何といいましたか?」と言うと、「音が聞こえなくなったら。」と答える。
 と同時に、「あ、そうか、まだ聞こえるわ。」というふうに、自分たちで判断しようとしていた。
 
(3)溶かすときは耳かき1杯  
  
 うすい塩酸にアルミニウムを溶かす実験は、
  塩酸 + アルミニウム → 塩化アルミニウム + 水素 
という反応を学習するものである。
 そして、
 アルミニウム板と塩酸がはたらき合うと、全く別の新しいもの(塩化アルミニウム)ができる。この変化は、食塩が水に溶ける変化とは違う。 
ということを学習するものである。
 「塩化アルミニウム」は「水」にも「塩酸」にも溶ける。
 この事実から、最初のアルミニウムとは、全く違う別のものであることがわかる。
「塩化アルミニウムを析出させる実験」は、それを実験によって確かめるものである。 
 この実験でうまくいかないのは、
 塩化アルミニウムをたくさん入れすぎて溶けきらない 
ことである。
 2クラスのうち、1つ目のクラスでは、何も言わなかったため、溶けきらなかった。 そこで、2クラス目では、
 「塩酸」と「水」に入れるときには、耳かきに1杯くらいだけ入れます。 
と指示した。
 すると、見事に、「塩酸」でも「水」でも溶けきった。
 いずれも、試験管に約5?入れて溶かした場合である。
 「塩酸」「水」ともに、たくさん入れれば、塩化アルミニウムもたくさん溶ける。しかし、5?以上入れてしまうと、溶かすために振るときにこぼれてしまう。
 
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