塩酸をうすめるときは1:1にせよ
                          〜 6年理科「水溶液の性質」の指導 〜

 
 6年理科「水溶液の性質」の学習の最初に、
 金属にうすい塩酸を加えると、どうなるだろう。 
という課題がある。
 そして、「鉄板とアルミニウムをうすい塩酸を加える実験」をすることになっている。
 その予備実験のときのことである。
 
 
1.指導書通りにやってみる
 
 指導書を見ると、「うすい塩酸の作り方」で、次のように書かれている。
 実験で使用する塩酸は、市販のものをそのまま使用するのは危険である。市販の塩酸は12N(規定)であるので、水で4倍に薄めて3Nの塩酸を作って使用する。 
 その通りにやってみた。
 その結果、アルミニウムを溶かすとき、
4倍にうすめたものでは、
  @ しばらく泡は出ない。
  A 5分くらいして、少し、アルミニウム板に泡が付き始める
  B 泡がたくさん出るまで、20分かかった
  C 40分経っても、まだ、泡が出ているだけで、溶けているようには見えない 
のである。
 これでは、1時間・45分の授業で終わることができない。
 つまり、
 指導書に書かれた濃度では、うすくて実験に時間がかかりすぎる 
のである。
 
 
2.2倍にうすめる
 
 そこで、試しに、
  塩酸 : 水 = 1 : 1 (2倍) 
にうすめてみた。
 その結果は、
2倍にうすめたものは
  @ アルミニウムを入れたそのときから泡が出始めた
  A 2分後には、泡がいっぱいになった
  B 12分後には、塩酸の色が灰色になった
  C 16分後、アルミニウムが溶けきった 
というふうになった。(アルミニウムの大きさは、8o四方程度)
 これだったら、45分の授業で十分終わらせることができる。
 
 以上から、
 塩酸をうすめるときには、1:1にせよ 
ということが言える。

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