〜 歌詞の意味を考える歌唱指導シリーズ7 〜 4年音楽「もみじ」の指導 

 4年音楽の歌唱教材に「もみじ」(文部省唱歌・高野辰之 作詞・岡野貞一 作曲 中野義見 編曲)がある。その「もみじ」で、歌詞の意味を考える授業をした。
 その授業の流れを述べる。この指導に当てた時間は15分である。
 

指示1 教科書P28をあけなさい。「もみじ」です。
 
 まだ、教科書を開けていない子どももいたが、かまわず、ピアノでメロディを弾き始めた。
 すると、何人かが知っているようで、いっしょに歌い始めた。
 聞くと、合唱団(校内の課外クラブ)でやっていたそうだ。

指示2 では、いっしょに歌います。知らない人は、知っている人につられて    歌って下さい。
 
 2番まで歌った。
 そして、歌詞の意味を考えた。
 「もみじ」の歌詞は次の通りである。

1.秋の夕日に         2.谷の流れに
   てる山もみじ          ちりうくもみじ
   こいもうすいも         波にゆられて
   数ある中に           はなれてよって
   まつをいろどる         赤や黄色の 
   かえでやつたは         色さまざまに
   山のふもとの          水の上にも 
   すそもよう           おるにしき
 
 この曲は、

 夕日が照って、緑の中に映えるもみじ(紅葉)の美しさを歌ったもの
 
である。
 そこで、次のように問うた。

発問1 見える色を言いなさい。
 
 子どもたちからすぐに出てきた色は、やはり
 
  ・赤(もみじの葉)
  ・黄(もみじの葉)
  ・オレンジ
 
である。
 それぞれ、「何の色?」と聞くと、このように出てきたのだが、「オレンジ」と答えた子どもは、「同じ! もみじの色!」と言った。
 すると、他の子どもから「ちがう! オレンジは”夕日”の色だ!」と出てきた。 「もみじの色」と言った子どもも、周りの子どもも納得した。
 その他に出た色は、
 
  ・青 か 緑(松)
  ・緑(山の色)
 
だった。
 この時点で、一応、子どもたちは、「ただ紅葉があるだけ」ではなく、「緑の中に紅葉が映えている」ということがわかっていると判断できた。

説明1 なるほど。
指示3 じゃあ、紅葉の美しさを頭に浮かべながら歌いなさい。
 
と1回だけ歌った。
  
 実際に指導はしていないが、2番の歌詞についても、考えて歌わせたい。
 そこで、2番の歌詞に絞った指導プランを作ってみた。
 
 2番の歌詞は、次の通りである。

2.谷の流れに          ちりうくもみじ
   波にゆられて         はなれてよって
   赤や黄色の          色さまざまに
   水の上にも          おるにしき
 
 1番は、遠くからもみじの並ぶ紅葉の山を遠くから見た感じである。
 しかし、2番は、もっと、もみじに近寄っている。

 山の中の渓流にもみじが散って、それが流れている様子が、いかにも織物の錦のように美しい。もみじは散っても美しい。
 
ということを歌っている。
 次のように問いたい。

発問2 この詩を書いている人は、どこにいますか?
 
 そうすると、山の中の渓流の端で、散ったもみじを見ていること、そして、そのもみじの葉がゆらゆらすることによって、水の上に浮かぶ錦の衣装のように見えることがわかるのではないか。
 

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