Road to Ph.D.

学位取得(論文博士)までの長い道のり





「学位は、足の裏についたご飯粒 のようなもので、
取らないと気持ちが悪いが取っても食えない(何の役にも立たない)」
というそうですが、研究にけじめをつけるためにも、チャレンジしてはいかがでしょうか?

Road to Ph.D. は、学位申請時に作成した、研究業績をまとめたものです。
(塵も積もれば・・・ですね・・・)

これから論文博士を目指す皆様の参考になれば幸いです。







学位申請論文に関するスケジュール

 

  (2005. 9. 8)  学科系審査会(口頭発表&質疑応答)


  (2005. 9.30)  学位申請書類提出

  (2005.10.20)  分科委員会受付

  (2005.12.12)   公聴会 (口頭発表&質疑応答)

  (2006. 2.16)  分科委員会審査   合格通知

  (2006. 3.13)  学位授与式   学位授与式    学位記

  (2006.11.10) 学術等表彰式



  <学位申請書類提出>


学位申請書類提出日とは、すでに学科内で申請者の論文に対する口頭発表が終わり、その後、学科内での審査で申請を認められた段階で、教務課に申請書類を提出する日


  <分科委員会受付>

受付年月日とは、これを受けて、主査が大学院分科委員会で、論文の説明を行い、受付を承認してほしい旨を説明する日

  <分科委員会審査>

審査年月日とは、公聴会(20名以上の大学院分科委員会委員の出席が条件)の結果等をふまえ、副査ともども審査結果について報告し、最終的に分科委員会に学位授与の承認を得る会議が行われる日


学位申請に伴う提出書類


  1.学位申請書(申請の際は、必ず当該専攻主任の 「学位申請論文受理願」 が必要)

  2.履歴書・研究暦

  3.研究業績

  4.学位論文申請者の研究業績の件数について(主論文と査読論文あわせて5報程度必要)

  5.論文目録

  6.主論文(学位申請論文)

  7.論文要旨(和文)

  8.論文要旨(英文)

  9.学位論文申請者連絡表


<学位>


【学位】
 学位は、大学の学部又は大学院教育修了相当の知識・能力の証明として、大学又は大学に準じた性格の機関(我が国においては、独立行政法人大学評価・学位授与機構)が授与するものである。もともと、中世ヨーロッパにおける大学制度の発足当時から、大学がその教育の修了者に対し授与する大学の教授資格として発足し、国際的通用性のある大学教育修了者相当の能力証明として発展してきた。
 この歴史的経緯の中で、学位は学術の中心として自律的に高度の教育研究を行う大学が授与するという原則が国際的にも定着しており、逆に学位授与権は大学の本質的な機能と考えられてきたのである。学位の種類についても、修士のような中間段階の学位については国により多少の差異があるものの、学部教育の修了者に対し与えられる学士を第一学位、大学院博士課程修了者に与えられる博士を最高学位とするのが通例となっている。

【課程博士】
 学位規則(昭和28年文部省令第9号)第4条第1項に規定する者、すなわち、博士課程の修了の要件は、大学院に5年以上在学し、30単位以上を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上、当該大学院の行う博士論文の審査及び試験に合格することとされており、この課程を修了した者に対し授与する学位のことをいわゆる「課程博士」と呼んでいる。

【論文博士】
 学位規則第4条第2項に規定する者、すなわち、大学が、当該大学の定めるところにより、大学院の行う博士論文の審査に合格し、かつ、大学院の博士課程を修了した者と同等以上の学力を有することを確認された者に対し授与する学位のことをいわゆる「論文博士」と呼んでいる。



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<論文博士制度の在り方の検討>


課程博士とは、大学院博士課程に入学して、授業料を納めて所定の単位を取得し、博士論文の審査に合格して博士になれる制度である。それに対して論文博士は、大学院学生ではない人が博士論文を書いてどこかの大学院に提出し、審査に合格すれば、課程博士と同等の能力があると認められて博士になれる制度である。

大学は、博士の学位を授与された者と同等以上の学力があると認める者に対し、博士の学位を授与することができるとされており、これにより授与する学位のことをいわゆる「論文博士」と呼んでいる。
これについては、@学位は、大学における教育の課程の修了に係る知識・能力の証明として大学が授与するものという原則が国際的にも定着していること、 A国際的な大学間の競争と協働が進展し、学生や教員の交流や大学間の連携など、国際的な規模での活動が活発化していく中にあって、今後、制度面を含め我が国の学位の国際的な通用性、信頼性を確保していくことが極めて重要となってきていることなどを考慮すると、諸外国の学位制度と比較して我が国独特の論文博士については、将来的には廃止する方向で検討すべきではないかという意見も出されている。


現在の学校教育法において、大学は、博士の学位を授与された者と同等以上の学力があると認める者に対し、 博士の学位を授与することができるとされている。これにより、博士の学位を授与された者をいわゆる「論文博士」と呼んでいるが、専攻分野によっては、この制度について見直すべきとの指摘がある。
博士学位授与数に占める論文博士の割合は、減少傾向にあるものの、他方で、企業、公的研究機関の研究所等で経験を積み、その研究成果をもとに、博士の学位を取得したいと希望する者も未だ多いことも事実である。

学位の制度的趣旨を踏まえると、「論文博士」の見直しを行うにあたっては、大学院博士課程の教育機能の一層の向上が前提であると考えられる。このため、今後、大学院教育の実質化の検討を深化させていく中で、併せて議論していく必要がある。

中央教育審議会の大学院部会は、企業や公的な研究所で業績を挙げた社会人が、論文などの審査を基に博士の学位を得る「論文博士」制度を廃止し、大学院のカリキュラム修了者を対象に与える「課程博士」制度に一本化する方向で一致した。
論文博士については「学位のため研究を狭い分野に限定してしまう恐れがある」「日本独自の制度で国際的な通用性に欠ける」などの批判があった。

文部科学省は論文博士を認めている省令を改正、博士号取得を目指す社会人に対しては大学院に短期間在学する「博士課程短期在学コース」の創設なども検討している。



<工学博士か博士(工学)か>


学位規則の改正に伴い1991年7月1日から、学位名称は「博士(専攻分野)」と表記し、専攻分野の名称については、学位を授与する各機関が専攻科名に基づいて付けることになった。昔の博士号は大学名の付かない「工学博士」だったが、昭和30年代に大学名が付く「○○大学工学博士」と称するように制度が変わった。

西欧における「博士」に相当する言葉である「英doctor」は、ラテン語で「先生」を意味する言葉である。欧米では博士は各専門分野ごとに厳格に分離されている。以下が有名。

  • 医学博士(Doctor of Medicine)
  • 薬学博士(Doctor of Pharmacy)
  • 理学博士(Doctor of Science)
  • 工学博士(Doctor of Engineering)

ちなみに、「工学博士」は英語ではDoctor of Engineering (略称はDr.Eng.)だが、「博士(工学)」はDoctor of Philosophy in Engineering なので略称はPh.D.となるようである。

Ph.D.(ピー・エイチ・ディー)とは、おもに英語圏で授与されている博士 (doctorate) 水準の学位 (degree) のことである。(Ph.Dは、ラテン語の「Philosophiae Doctor」(英語では「Doctor of Philosophy」)の略語)

Ph.D は、通例学術の研究を行う者に与えられ、アメリカ合衆国にはこのほかに専門職に与えられる博士がある。
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国(イギリス)では、Ph.D よりもさらに上位の博士(D.sc/Sc.D)がある。
アメリカ合衆国においては、かつての日本における「理学博士」(現在では「博士(理学)」)や「工学博士」(現在では「博士(工学)」)と同じく、専攻分野ごとに異なった呼び方(たとえば教育学分野における博士は、一般的に Ed.D(教育学博士)と呼ばれる)をすることもあるが、アメリカ合衆国教育省および全米科学財団 (National Science Foundation) は、これらの学位をすべて Ph.D と等価のものとみなしている。

Ph.Dが「Doctor of Philosophy」の略称であることから、「博士(哲学)」もしくは「哲学博士」と翻訳されることがあるが、専攻分野にかかわらずこの呼称を用いるという意味では、現在の哲学が人文科学の一分野として体系に組み込まれているということを考慮すると、正しい対訳とは言い難い。

新制大学において博士課程が設置された1980年前後において、旧帝大とは異なる博士課程の意義として、課程博士としての博士の学位の授与が目標とされたが、その際設置された大学院の博士課程を修了した者に対して「学術博士」(現在の「博士(学術)」)の学位の授与も行われるようになった。「博士(学術)」や「学術博士」は、アメリカ合衆国での専攻分野が特記されていない「Ph.D」に相当するものと考えられる。現在も、英語での「博士(学術)」の学位の表記は「Doctor of Philosophy」とされている。