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ラムサール条約 第7回締約国会議

決議.22 地中海湿地

日本語訳:環境庁,2000年[了解を得て再録].

 英語   フランス語   スペイン語  (以上,条約事務局)    PDF  (環境省のインデックスページ)


「人と湿地:命のつながり」
"People and Wetlands: The Vital Link"
湿地条約(ラムサール,イラン,1971)
第7回締約国会議
1999年5月1018日 コスタリカ サンホセ

地中海湿地のための協力機構

1.ラムサール条約の枠組み内での、地中海の湿地のための8年間に及ぶ共同の取組、より具体的には以下の各事項を考慮し、

a)「地中海湿地フォーラム」の名の下での、地中海地域の湿地の保全と賢明な利用のための協力活動の開始(1991年)。「地中海湿地フォーラム」は、ラムサール条約事務局、欧州委員会、イタリア政府、国際水禽湿地調査局(現在は国際湿地保全連合)、トゥール・ドゥ・バラ生物学研究所(フランス)、WWF(世界自然保護基金)の共同の取組である。

b)地中海湿地プロジェクト第1段階(19931996年)の実施。このプロジェクトは資金の大半をEC及びフランス、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインによって提供され、プロジェクト期間中には湿地の目録作成とモニタリング、管理、研究成果の応用、及び普及啓発のための方法と手段が開発、試験された。

c)地中海湿地プロジェクト第2段階(19961998年)の実施。これはアルバニア、アルジェリア、クロアチア、モロッコ、チュニジアで実施され、資金の大半はやはりECが提供し、ラムサール条約事務局が運営した。プロジェクトにおいては、地中海湿地フォーラムの取組が地中海地域の東部及び南部の諸国に合わせて調整され、また湿地の保全と持続可能な利用への新たな社会経済的アプローチが開発された。

d)地中海湿地フォーラムについての、ラムサール条約第5回締約国会議(釧路、1993年)における勧告5.14、及び第6回締約国会議(ブリズベン、1996年)における勧告6.11の採択。

e)地中海湿地プロジェクト第1段階の枠組み内で、1996年6月、イタリア政府とラムサール条約事務局により準備された地中海の湿地に関する国際会議による、ベニス宣言の採択と地中海湿地戦略の承認。

f)1996年10月の第19回常設委員会による地中海湿地委員会設立についての決定19。この決定は、現在地中海周辺地域の25か国政府、パレスチナ当局、欧州委員会、バルセロナ及びベルン条約、6か所の湿地センター、国際NGOから構成される地中海湿地委員会を、地中海湿地フォーラムの枠組み内で設立するものである。

g)ギリシャのテッサロニキ(1998年3月)及びスペインのバレンシア(1999年1月)における、地中海湿地委員会の最初の2回の会合の結果。会合の開催もその資金の提供もこれら2か国の政府による。

h)ラムサール条約事務局長による「地中海湿地フォーラム」コーディネーターの任命(1996年)、及び事務局組織の設置。これにはトゥール・ドゥ・バラ生物学研究所(フランス)、WWFインターナショナルに加え、フランス、ギリシャの両国政府(さらに1999年よりスペイン政府)が資金を援助した。

i)地中海沿岸10か国に関するさらに2件の地中海湿地プロジェクトの開始。その一つは地球環境ファシリティーが資金を提供している。

締約国会議は、

2.地中海湿地フォーラムのもとにこれまで実施された取組に満足の意を、またこのフォーラムに資金援助を行った各国政府や機関、特に欧州委員会に感謝の意を表し、同フォーラムを内部発生的な努力とすべての部門の幅広い参加に基づく、地域協力の一つのモデルとして認識する。

3.地中海地域の湿地問題での協力のためのフォーラムとして、またラムサール条約へのこの地域の助言者として、ラムサール条約の枠組みの中での地中海湿地委員会の設立を承認する。

4.ラムサール条約戦略計画をこの地域において実施する、地中海湿地戦略とベニス宣言を、地中海地域における取組の手引き書として承認する。

5.この戦略と宣言のモニタリングと実施、またそれらを変化する状況に合わせ調整する任務を地中海湿地委員会に委ねる。

6.この地域の湿地の統合的で持続可能な管理の推進を目指して、地中海周辺の締約国に、地中海湿地プロジェクトの第1及び第2段階の下で詳細に計画した方法を使用しさらにその方法を開発するよう奨励する。

7.他の地域の締約国に対し、ラムサール条約事務局の支援のもとに、関連する地中海湿地フォーラムの方法、特に決議.20で求められるように、湿地の目録データの収集、管理、保存のための方法とデータベースの使用を考慮するよう促し、また地中海湿地フォーラムに関わる各国、諸機関に対し、この目的のために他国への技術的、資金的援助を提供するよう促す。

8.コーディネーター1名と秘書業務のグループからなり、資金的には地中海及び他の地域の各国政府及び諸機関の任意の拠出により支援される地中海湿地フォーラムのチームを設置し監督するため、ラムサール条約の事務局長がとった行動を承認する。

9.締約国及び各種機関、特に欧州委員会に対し、地中海湿地フォーラム、特に地中海地域の途上国及び発展過程にある組織等での活動に資金援助を継続して行うよう要請する。

10.北アフリカ湿地センターの設立のための活動を承認し、締約国及び諸機関に対しそのための資金を寄付するよう要請する。


「記録」表紙

[英語原文:ラムサール条約事務局,1999.Ramsar Resolution VII.22 "Collaborative structure for Mediterranean wetlands", May 1999, Convention on Wetlands (Ramsar, 1971). http://ramsar.org/res/key_res_vii.22e.htm.]
[和訳:「ラムサール条約第7回締約国会議の記録」(環境庁 2000)より了解を得て再録,琵琶湖ラムサール研究会,2001年6月.]
[レイアウト:条約事務局ウェブサイト所載の当該英語ページに従う.]


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Last update: 2006/09/27, Biwa-ko Ramsar Kenkyu-kai (BRK).