2001年11月〜2002年2月のレポート

今回の出撃隊員、TER@KINさん、おぐおぐの2名

今回は’01年11月〜’02年2月の期間に行ったカタログ収集のまとめです。(時系列ではありません。)

1.
K特集
   この冬、国産各社が一斉に新型軽自動車をデビューさせました。そこで、その新型車を比較します。

 (1) ダイハツ マックス
     トヨタの軽自動車部門と言われるダイハツ。その新型車がマックスです。
     マックスは立体駐車場の高さ制限にぎりぎり引っかからない、1550mmの全高を持っています。
     つまり、ワゴンR、ムーブなどのワゴンタイプ「軽」の弱点だった高すぎる「全高」を改善した車なのです。
     外見は、つり目が印象的なフロントマスクと、アルファロメオっぽいテールランプを持つ5ドアハッチバック車で、
     それなりにおしゃれな外見なのですが、同時にスポーティーな雰囲気も上手く出しています。特にRやRSのグ
     レードにはインタークーラーターボが搭載されているため、ボンネット上のインテークがスポーツを主張していま
     す。実際、嬉しいことに5速MTも用意されていますから、スポーツ性もばっちりです。
     しかし、マックス最大の「売り」はスポーツ性能ではなく、軽自動車のコンパクトな車体でありながら、室内が広
     いことなのです。そこで、その「売り」の室内を見てみました。
     実際、確かに室内は軽自動車としては広いです。室内長1765mm、室内幅1275mm。ミラが1720mmで
     1220mmですから、長さで45mm、幅で55mmも広くなっています。隣や前に座る人と、それだけ離れるだけ
     でも、広さの印象はかなり違いますし、その上、ムーブほどではありませんが、上にも広いわけですから室内の
     広さを十分に感じることできました。
     「なるほどね。」
     それと、運転席近辺には親会社の影響なのか、多くの小物入れが用意されています。特にすごかったのが助
     手席座面下の収納ですね(笑)。小物入れの実用性はともかく「ここまでやるのか」という感じでした。

 (2) スズキ

  ・ MRワゴン
     ワゴンRシリーズで軽自動車界を支配するスズキが、同じジャンルに新たに送り込んだ刺客がMRワゴンです。
     どうして同じジャンルに?その疑問に答えを見い出すべく、スズキのお店に行ってきました。
     MRワゴンの「MR」は「ミッドシップエンジン・リアドライブ」の事ではなく「マジカル・リラックス」の略なのだそうで
     す。
     「なんじゃそりゃ・・・。」
     僕の正直な感想です(笑)。前者だったら、そのメカニズムだけでもう大注目車だったのですが、「マジカル・リ
     ラックス」では、「なんだかなぁー。」という感じですよね(笑)。実際、流麗なデザインが「売り」なだけのワゴンR
     の亜種というのが最初の印象でした。
     その外観は流れるようなラインで構成され、非常にすっきりとしています。デザイン的には無骨な印象のあるワ
     ゴンRと一線を画す物に仕上がっていました。でも、ここまでは予想どおり、別に驚くほどの事もありません。驚き
     は室内を見たときにありました。
     「なんじゃそりゃ!」
     ワゴンRなんて話にならないぐらい広い!それどころあのマックスよりも長さでは大きい!室内長1785mm!
     当然、後席の膝元は余裕たっぷり!
     「なるほど、マジカル・リラックス。」
     ちょっと見直しました(笑)。
     ところで、ターボ車は用意してあるのに何故4速ATしかないのかな?まあコラムシフトだと辛いのだろうけ
     ど・・・。つまり、ターボ車でもスポーツ走向は考えてないという事なのでしょうね。まあ、そういう乗り方では「リ
     ラックス」できないしね(笑)。

  ・ ラパン
     かつて日産にラシーンという車がありました。丸いデザインが全盛の時代に愛敬のある四角いデザインで殴りこ
     みをかけ、予想外のヒットを飛ばして、ついにSR20DET搭載の3ナンバー車まで作ってしまった異端児。
     ラパンを見たときに思ったのは、ひょっとしてこの車はラシーンみたいに大ヒットするかも・・・ということでした。
     
女性むけを意識した可愛らしいデザイン。フロントのスズキマークが「ウサギ」になっていたりするのも楽しい
     演出ではないでしょうか。リアのデザインも無骨になりがちな四角さを、気品のある形にまとめ上げています。
     見事ですね。
     当然、車の性格からしてハイパワーを求める必要がないため、ターボ車はありません。そしてMT車もありませ
     ん。可愛いデザインで売る車なのですから、そんな物は無くてもOKなのです。
     そして内装、ちょっとレトロな印象のシートやダッシュボードも、外観と相まって良い感じです。そのくせ、カース
     テレオは社外品も搭載できるようになっています。この辺りの実用性も好印象ですね。
     「だったら、ハンドルぐらいまともな位置に取りつけろよ!」
     運転席に座って最初にやった作業が適正な運転姿勢をとること。でも、これができない。ハンドルにチルト機構
     がないため、思った位置に調整できなくて、どうにもハンドル下部に膝が当たる。これでは危なくて運転できま
     せん。後で調べてみたらシートを上下に調整できるとのことだったので、ひょっとしたら大丈夫なのかもしれま
     せんが、それでも足元の余裕が少な過ぎる気がします。
     「これは、ちょっと辛いね。」
     僕の意見としては、街中で他人が乗っているのを「見て楽しむ」だけにするのが良いと思います(笑)。
     
 (3) ホンダ ザッツ
     ホンダはライフというワゴンタイプの軽自動車が主力です。このザッツはライフより無骨なデザインでライフと同じ
     ジャンルに属する車です。ちょうどワゴンRとMRワゴンの関係に似ていますね。
     違うのは、スズキがスタイリッシュな亜種を求めたのに対して、ホンダは無骨なデザインを求めたという事です。
     ちょっと、面白いです。
     ザッツはトヨタのbBを彷彿とさせるデザインをしています。悪ぶったキャラクターなのです。同じ四角いデザイン
     ながら、「可愛い」ラパンとは正反対の方向性を目指しているわけですね。実際、ターボ車も用意していますか
     ら、パワーも出ています。もっとも3速ATしかミッションが用意されていないようではスポーツ走向は辛いはず。
     だから、走りが楽しいとは、とても思えませんけどね。
     さて室内ですが、数字的には室内長1685mmでラパンの1700mmより狭いという事になります。とこらが、実
     際に乗ってみると、これが広い!はっきり言ってラパンどころかマックスよりも広く感じます。
     「何故?」
     答えは座席にありました。ザッツの座面は腰の辺りが低く、膝の辺りが高くなっているのです。こうすることで、
     平面上での人が座る面積を小さくしていたんですね。そうなると当然、前席との見かけの距離が長くなるので
     広く見えるわけです。これは見事な技術です。すごいぞ、ホンダ!!
     ところで、バンパーだけ色を変えられる「ポップカラー・コンポーネント」って誰か欲しがるのかな?何か、どの色
     の組み合わせも変なんですけど(笑)。ベースをサテンシルバーメタリック限定にするのは止めたほうが良いよう
     な気がします。
     それと、発売直後過ぎてカタログが1部しかなかった!TER@KINさんに奪われたー!!まあ、某社のスペック
     Cでは僕が同じことをしてるから仕方がないんですけどね(笑)。

 (4) ミツビシ eKワゴン
     ミツビシはかつての過ちにより、深刻な経営危機に直面しています。
     そして、生き残るために、この軽自動車を作りました。良質で安価。「良い軽」で「eK」。ほとんど、ギャグにもなら
     ないネーミングですが、それゆえに、この車には生存への執念が息づいているのです。
     全高1550mm。マックスと同じ立体駐車場に入れるぎりぎりの高さ。実用的な選択です。デザインは虚飾を廃
     したスッキリとしたもの。個性はありませんが、それゆえに長く乗っていても飽きがきません。
     ターボはありません。ミッションも3速ATのみ。FFと4WDの選択は可能ですが、事実上の1グレード。コストを抑
     えるために、敢えてそうしているのです。最初から、用途をコミューターのみと割り切っているのですね。実際、
     そういうユーザーが多いですから、売るための戦略としては、その選択は正しいでしょう。
     僕としては、ちょっと悲しいですが・・・。
     そして、驚異の室内。なんと、室内長1830mm!実際に乗ってみると、マックス、MRワゴン、ザッツなんて敵
     じゃない!これは下手な普通車にも勝てる大きさです。というより、後席足元なんて僕の乗るGC型インプレッサ
     より、間違いなく広いです(笑)。
     「これは、ミツビシの勝ちだな。」
     最低でも、この冬発売の軽自動車で、室内のゆったり度でeKに勝てる車はありません。コストパフォーマンス的
     にも、普通車に匹敵する室内を考えればダントツではないでしょうか?
     走りの性能では問題外でしょうけどね(笑)。
     個人的にはこれでセンターメーターでなければ、もっと良かったんですけど・・・。まあ、センターメーターの方が
     海外車との部品統一が図れてコストが下げられるという利点があるのかもしれませんが、やっぱり、ちょっと見
     づらいです。

   軽自動車が、「軽」と侮る事のできない車になっているのは周知の事実ですが、今回の一連のカタログ集めで骨身
   に染みました。さすがに、自分の乗る普通車より広い室内をみるとね(笑)。
   実際、エネルギー問題が顕在化してくる21世紀において、日本の軽自動車というジャンルは海外メーカーにとって
   も注目の的なのです。将来は燃料電池搭載の軽自動車が主流となっているかもしれません。
   そうなると、多様化するニーズに(というか、僕のニーズに)対応してスポーツの軽自動車を復活してくれないか
   なぁ。
   ダイハツはFFオープンのコペンを出すそうだけど、どうせならFRやMRのクーペマシンとかが欲しいなぁ(笑)。

2.普通車編

 (1) トヨタ

  ・ ノア&ボクシー
     かつてタウンエース&ライトエースと呼ばれたミニバンに、「ノア」の愛称が付けられようになったのが、前モデル
     からの事です。そして今回のモデルチェンジによって「ノア」の愛称がそのまま車名となりました。また、同時に販
     売店の都合でノアの姉妹車としてボクシーが誕生したのです。
     そういう事情なので、ノアとボクシーは基本的には同じ車です。ただ、フロントマスクとリアランプのデザインに違
     いがあります。ファミリー向けにオーソドックススタイルなノアと、周囲を威圧するようなフロントマスクに、クリア
     のリアランプを持つ、ちょっと悪ぶった若者むけのボクシーという住み分けですね。
     個人的にはTER@KINさんと同じでノアの方が好きかな?・・・どれだけ悪ぶっても所詮はミニバンですから、下
     手に威圧的な車じゃない方が気楽ですしねー。(外見に劣る運動性能って、端から見てると滑稽だし。)
     まあ、これは個人的な見解なので人それぞれでしょう(笑)。
     さて、この新型ノア&ボクシーの売りですが、これはやっぱり両側スライドドアでしょう。この便利さといったら、今
     まで片側だけだったのが不思議なぐらいです。半ドアでも勝手に閉まってくれるのは、子供やお年寄りのいる家
     族には有り難い機能ですしね。それに、室内についても2列目3列目のシートにちゃんと大人が座れる余裕があ
     ります。まあ、確かに3ナンバー級のようなゆったりさはないですけどね。
     家族が揃って移動するのは良い車ではないでしょうか。
     ちょっと、気になるのは大きさに対して背が高いことですね。ここまで高いと、高速道路での横風がこわい気がし
     ます。・・・それと、センターメーター!!(まあ、家族の車なんだから仕方がないのかぁ・・・。)

  ・ プレミオ&アリオン
     トヨタの伝統を支えたセダン。コロナ&カリーナ。特にコロナはかつてニッサンのブルーバードと国産主力セダン
     戦争で覇を競った程の血統です。そのブランドは、あのマークUの本来の名前がコロナマークUという事からわ
     かるように、トヨタ車ラインナップの中心を意味するものなのです。
     その伝統のブランドが名前を変えました。それがプレミオです。前モデルにも愛称として付けられていましたが、
     このモデルからはこれが車名となります。(前述のノアと同じパターンですね。)そして、カリーナはアリオンという
     名前になりました。
     見た目はオーソドックスなセダンです。最近のトヨタっぽい丸々としたラインをしていますが、現行カローラほどで
     はありません。いたって普通のセダンという印象です。
     ところが、中身は全然セダンじゃない!いえ、セダンなんですけど、ワゴンのようなノリでシートアレンジが出来
     てしまうのです!・・・ちょっとびっくり。しかも、後席をリクライニング状態にすると、余裕で仮眠もOKですから長
     距離でも問題ありません。
     「社用車で採用してくれないかなぁー。」
     などと考えてしまいました。もっとも、ここまでの機能が欲しいなら、ワゴンを買った方が良いような気もしますけ
     どね。ただ、小型セダンというジャンルへの提案としては面白いと思います。残念なのは、セダンの形にこだわっ
     た理由が明確ではないことです。例えば、その車体剛性を生かしてスポーツグレードを用意するとか・・・、ま
     あ、僕の個人的意見バリバリですが、やっぱりMT車も欲しいです。せめてスポーツモードATぐらい用意すれば
     魅力が出てくるのになぁー。(せっかくの可変バルブタイミング付きエンジンが泣いている!)
     それと、室内ですが、最近の流行からみると屋根が低いです。実用上問題はありませんが、巧みなシートアレン
     ジに力を入れるているのに、一方ではスタイル重視で室内空間を狭めているのは片手落ちのような気がしたの
     で、余計気になりました。
     それと、内装は非常に豪華です。小物入れも多く、この辺りは如何にもトヨタらしいですね。内バリもカローラの
     ようなハリボテではありませんでしたし(笑)。まあ、価格に対して満足のいく仕上がりだと思います。(内装の豪
     華さなんて僕にはどうでも良い話なので、いい加減な観察しかしていませんが・・・。)
     そして、最後に重要な事を一つ。
     「後席の中央も、三点式のシートベルトだ。安全面はしっかりしている。」
     トヨタのこういう配慮は好きです。

  ・ マークUブリット
     マークUブリットは、マークUのワゴンです。一応、スポーティーワゴンを名乗っています。実際、トップグレードで
     は280馬力38.5Kg/mを発生させる2500ccのターボエンジンを搭載していますから、パワーは十分です
     ね。
     外見はアリストやエアトレックを彷彿とさせる4つ目のフロントマスクに、いかにもセダンにワゴン部分を追加した
     かのようなサイドビュー。そして、後部には縦長リアランプと、ナンバープレートの左右に牙のような形をしたバッ
     クランプが配置されています。
     ベースのマークUに比べて、けっこう攻撃的なデザインです。まあ、逆を言えば好き嫌いが激しいかもしれませ
     ん。
     室内の方ですが、さすがに荷室は広いですね。後席もゆったりしていますし、中央シートにも3点式シートベルト
     が採用されていて好感が持てます。運転席まわりもマークUゆずりの豪華な内装で、僕は落ち着きませんでし
     た(笑)。しかし、気になる点もありました。運転席の頭上空間が少ないのです。たぶん、まともな運転姿勢をとる
     と、拳を横に一つ分ぐらいしかないと思います。まあ、実用上問題はないのですが、なまじ室内が広いだけに気
     になりました。プレミオも同じですが、これはトヨタが主力車種についてはデザイン的な冒険を避け、従来的なセ
     ダンやワゴンの形を崩さないようにしている為ではないかと思います。大メーカーであるトヨタですから、冒険的
     なデザインは他の車種でやれば良いのですから・・・。
     でも正直言って、この程度の空間しかないならライバル車種のプリメーラワゴンとかの方が良い気がしますね。
     事実上の荷物搭載量から考えると、FRの優位もないでしょうし、むしろ、雪国ではFFの方が楽ですから。

 (2) ホンダ モビリオ
     最近のホンダは良質な車を次々と発表しています。その最たるものがトヨタの意欲作ヴィッツを駆逐したフィット
     でしょう。その大ヒットのフィットをベースに作られた小型ミニバンがモビリオです。コンパクトな車体にもかかわ
     らず3列7人乗りを実現しています。ほとんど立方体なデザインも、4mm強しかない小さな車体を最大限に生
     かすための工夫ですね。しかも、こんなに小さいのに両側スライドドアを採用しているのですから・・・。
     「やるな、ホンダ!」
     そして当然、ミニバンで気になるのは室内です。さっそく、乗り込んで見てみました。
     運転席は広々としています。そこからの視界は広いのですが、車体前部が見えないのが気になりました。まあ、
     ミニバンですから、それほどボンネットが前に出ているわけでもないので、この程度は慣れでどうにかなるでしょ
     う。
     そしてカーステレオ。一見、社外品に交換できそうにない一体型に見えました。
     「ここに社外品のステレオは付かないんですか?」
     「いえ、カバーを外せば大丈夫ですよ。」
     おー、ニッサンとは一味違うぜ!偉いぞ、ホンダ!
     音楽マニアも納得の、社外品高性能ステレオをちゃんと組み込めるわけですね。この辺りの配慮は良いです
     ね。
     次に、後席に座ってみました。2列目は当然余裕で大人が座れるのですが、3列目はさすがに窮屈感がありま
     す。しかし、ストリームやトラヴィック、そしてスパシオと比較すると格段にマシだと感じました。一応、大人が普
     通の格好で座れますし、ストリームのように足首がロックされて動かせないということはないですから・・・。
     ところで、現実問題として、日常的に7人乗りする人がこういった小型ミニバンを購入するでしょうか?
     答えは、否でしょう。
     小型ミニバンは、あくまで緊急対処的な7人乗りであって、普段は多くても4人程度で使うはずです。そうなると
     3列ものシートは普段は邪魔ですよね・・・。
     モビリオは当然、2列目も3列目もシートをたたむことが出来ます。通常の小型ミニバンなら3列目をたたむのが
     正解なのでしょうが、この車は2列目をたたむのが楽しそうでした。というのも、こうすると後席と前席の間の余
     裕がとんでもなく広くなるのです。それこそ、足が伸ばせるほどに!!
     「これは良いかもしれない。」
     車に酔いやすい人には嬉しいですね。こうやって伸びができるのは(笑)。しかも、こんな小型車で!
     今、発売中の2000cc未満の排気量を持つ小型ミニバンでは、モビリオはかなり良い選択だと思いました。
     もっとも、このジャンルそのものがかかえる、パワー不足までは解決しているとは思えませんが(笑)。
     (1500ccで7人乗りだからなぁー。)

 (3) スバル レガシー B4 RS30
     水平対向エンジン。これはフェラーリやポルシェが採用しているエンジン形式です。他のレシプロエンジンと比較
     して、軽く、小さく、低く作れるため、運動性の高い車を作ることが可能なのです。

     そして現在、国産自動車メーカーではスバルだけが採用する形式でもあります。軽自動車とOEM車を除く、スバ
     ルの全ての普通乗用車は、このエンジンを採用しています。
     しかし、それは水平対向4気筒エンジンであって、フェラーリなどが使っているような6気筒エンジンではありませ
     んでした。
     そして、今回、レガシーに3000ccの水平対向6気筒エンジンを搭載するモデルが誕生したのです。それが、セ
     ダンボディーの「B4 RS30」と、ワゴンボディーの「GT30」の2車種なのです。
     レガシーはスバルの主力車種です。市場の人気も高く、前モデルと違って、セダンのB4もスポーツセダンとして
     かなり好調な販売を続けています。特に、インプレッサがモデルチェンジして、あの丸目が許せなかった人が
     買っているとかなんとか・・・。(まあ、それだけでもないのだろうけど・・・。)
     そのB4に待望の6気筒エンジンが乗ったわけですから、興味津々ですね。
     搭載された新エンジンはEZ30と呼ばれています。ターボは存在せず、最高出力220馬力、最大トルク29.5
     Kg/mを発生させています。B4用EJ20ターボエンジンが最高出力280馬力、最大トルク35.0Kg/mです
     から、EZ30はパワーを求めたエンジンではないようですね。どちらかというと、「ゆとりと静粛性」が目的なので
     しょう。ちょっと、残念ですが(笑)。

                         表.試乗車の詳細
     
メーカー スバル(富士重工業)
試乗車 レガシー グレード B4 RS30
ミッション 4速AT
ブラックトパーズ・マイカ
排気量 2999cc(水平対向6気筒DOHC24バルブ可変タイミング)
駆動方式 4WD

     お店の人に勧められたので、試乗してみることにしました。
     RS30は見た目は普通のレガシーB4です。5ナンバーサイズボディーであるため、3000ccもの排気量がある
     ようには見えません。ターボ車みたいにインテークもないですしね。
     乗り込んでみると、さすがにインプレッサより室内は広いです。もっとも、プリメーラやマークUなどの3ナンバー
     セダンほどではありませんが・・・。また、内装も豪華という印象はありません。おかげで落ち着けるので、庶民
     には有り難いですね(笑)。
     アイドリング中のエンジン音は極めて静かです。というか、室内に居ると聞こえません。水平対向という形式は、
     ピストンの運動によって発生した衝撃を、対向して運動するピストンで相殺できるため、振動を小さくできるとい
     う事は知っていました。でも、普段乗ってる水平対向エンジンのイメージが強すぎたため、正直かなり驚きまし
     た。
     「うわ、エアコンの音しかしない!」
     「というか、エアコン切っても音がしない!」
     とりあえず、とんでもなく静かです。その上、街中を流す程度の走行では、ロードノイズもほとんどありません。
     この静粛性は見事です。
     そして、アクセルを踏み込むと、NA独特の伸び上がるような加速をします。パワーは(ターボに慣れた身には)
     それほど強烈ではないのですが、6気筒ゆえの滑らかな加速感が楽しいですね。さすがにエンジン音が聞こえ
     てきましたが、不快な感じはしませんでした。
     足回りは固目でスポーティーです。ロールを抑え、しっかり車体を支えています。接地感も高く、軽いスポーツ
     走向なら問題なくこなせそうです。これでMTもしくはスポーツモードATがあれば、非常に良くできた「大人の」
     スポーツセダンの完成ですね。
     ・・・そうなんです。実は、RS30にはミッションが4速ATしかないのです。これほど楽しい要素があるんだから、
     せめてスポーツモードATぐらい用意すれば良いのに。そうしたら、BMW3シリーズに対抗できるぞ!
     試乗を終えて、お店の人に感想を聞かれたので、ちょっと好意的に返事をしました。
     「もうちょっと落ち着いたら、こういう感じで走りを楽しめる車も良いですね。」
     「いえ、走りを楽しまれる方は、何歳になってもインプレッサみたいな車にお乗りになられますよ。」
     うーん、そう来るか!一本取られてしまった(笑)。
     最後に、図々しくもエンジンルームまで見せてもらいました。
     「6気筒って、でかい!!」
     水平対向なので通常の3000ccよりは小さいのでしょうが、5ナンバーサイズセダンのボンネットには、さすがに
     ギリギリのサイズです。ここに、これを納めた事には、素直にスバルの技術者を賞賛するべきだと思いました。

 (4) ミツビシ ランサーエボリューションZ GT−A
     ランサーエボリューションシリーズは、ミツビシの小型セダン「ランサー」を世界ラリー選手権に参戦させるため、
     ホモロゲーション取得用に製造され、限定販売されてきた「エボリューション(進化型)」モデルです。
     強烈にハイパワーな4G63型2000ccターボエンジンを搭載し、そのパワーを余すことなく路面に伝えるために
     4WD化されています。最新のZ(GSR、RS)では、最高出力280馬力、最大トルク39.0Kg/mを発生させ、
     AYC・ACDといったハイテク装備と合わせて、国産最強の量産マシンの一つに数えられるほどの戦闘力を持つ
     に至りました。(Zのベース車は正確には「ランサーセディア」です。)
     このランサーエボリューション(以降ランエボ)シリーズは、その開発目的が一般の車と大きく違うため、初期の頃
     はマイナーな車でしたが、その戦闘力の高さが知れ渡りはじめると、急にメジャーな存在となり、現在では日本
     が世界に誇るスポーツカーの1台となってしまいました。(ジャッキーチェンやリュック・ベッソンの映画にも出まし
     たしね。)しかし、それゆえに大きな問題が発生してきたのです。そう、競技車両寸前の硬派さが売りである
     ため、MTしか存在しない!つまり、AT免許では乗れない!!また、MTアレルギーにも敬遠される!!
     「ランエボに乗りたいけど、MTだからなぁ・・・。」
     そういった意見を述べる軟弱な貴重なユーザーの声を反映して、ランエボZにスポーツモードATを搭載したモデ
     ルが発売されました。それがGT−Aというわけです。
     ただ、さすがに5速ATでは技術的に難しかったのか、GT−Aではパワーが下げられています。それでも、最高
     出力272馬力、最大トルク35.0Kg/mもあるのだから、十分、化け物なのですけどね(笑)。
     次に外見ですが、実はGT−AとGSR、RSは一目で区別できます。なぜならGT−Aには、ボンネットにあの
     特徴的な熱抜き用の穴が空いていません。そして、標準のリアウィングも大人しく迫力がありません。
     これは、どうしてでしょう?疑問に思ったので、若い店員さんに聞いてみました。
     「どうして、ボンネットに放熱穴がないんですか?」
     「すみません。詳しくないのでわかりません。」
     何をー!車屋勤めていて、その回答はなんだ!メーカーから説明されてなくても、自分なりの回答ぐらい考えて
     おけー!
     例えば、
     「競技での使用より、日常での利便性を優先しました。凹凸のあるボンネットは洗車の時に不便ですからね。」
     とか、
     「今までのランエボのイメージを払拭して、成熟した大人の方や、女性にも受け入れられやすいスタイルを目指し
     ました。」
     とか、
     「あんなの飾りですよ!偉い人にはそれがわからんのです!」
     とかいう答えを期待していたのにー!

     まあ、実際のところは上に列挙した内容以外にも「コスト」の問題とかもあったのでしょうが、僕としては少し寂し
     いような気がしました。まあ、確かに競技でもしないと放熱穴の有り難みなんてわからないのでしょうけど、やっ
     ぱり雰囲気が軟派に見えてしまいますからね。
     次に室内ですが、前席のシートはバケットタイプで良い感じです。スポーティーなホワイトメーターも悪くないです
     ね。MT風に見えるATシフトが、ちょっとわざとらしい気がしましたが、「ランエボにATは似合わない」と思ったミツ
     ビシ技術者がいるのだろうと考えると、ちょっと納得してしまいました。(むしろ、同情ですね。)
     気になったのは、ハンドルについたシフトボタン。位置がアナログ時計で言う9時15分の場所にあるため、一般
     的なハンドルの持ち方(10時10分の位置)では操作できません。しかも、シフトアップとシフトダウンのボタンが
     縦に並んでいるだけなので、かなり無理があります。
     「これはシフトノブの方を使った方が良いなぁ。」
     しかし、シフトノブの方は(スポーツモードAT全般に言える事ですが)、前でシフトアップ、後ろでシフトダウンな
     ので、実際の走向時の事を考えていません。フル加速時、強烈にシートに押しつけられながら、そのGに逆らっ
     てシフトノブを前に倒してシフトアップする・・・。ちょっと考えればわかりそうな「馬鹿な方式」なのです。それも、
     低パワーな車ならいざ知らず、国産最強級のハイパワー車で、こんな方式を採用するのですから、どうかして
     います。
     「ちょっと考えて欲しかったな・・・。」
     スポーツ走向を楽しむ車なのですから、こういった操作系デバイスには力を入れて欲しかったですね。メカニズ
     ム的には、エンジン・ブレーキ・サスペンション、全て一級品だけに悲しかったです。
     やっぱり、ランエボはMTに限ります。ATは「GT−A」という車でランエボではありません。
     それが、僕の感想でした。
     
   実は、上記以外にもカタログをもらいに行ったお店があるのですが、展示車すらなかったりして、書かなかった物も
   あります。それらを合わせて思うのですが、若い店員さんはあんまりスポーツカーに詳しくないようです。同年代の
   ユーザーがミニバン、SUV系に最も関心を持っているためか、どうにも本人自身、興味がないようです。
   まあ、売れ筋商品の方が商品知識が豊富になるのもわかるのですけどね。
   だから、スポーツカーの話は年配の人との方が楽しいですね。ついつい、1時間ぐらい話し込んでしまったりします。
   裏話も聞けたりしますし・・・(笑)。
   というわけで、某ミツビシの店員さんが特別に「詳しくなかった」わけではありません。一応、フォローとして。(フォ
   ローしてないかも・・・。)
   それと、さすがに決算期の2月に自動車屋行くとすごいです。コーヒー、お茶、お菓子、おみやげと、なんでもありで
   す!これは、良いかも(笑)。