2002年3月〜5月のレポート

今回の出撃隊員、TER@KINさん、おぐおぐの2名

1.ニッサン
   不景気と言われ、トヨタが社員への給与を据え置く中で、赤字を抜け出したばかりのニッサンが組合に対して満額回答
   を行ったそうです。これは、ニッサンという会社が「確実に売れる車」を開発したという自負があるからでしょう。
   その、自負と期待を背負った2台の車を見て来ました。

 (1) マーチ
      マーチは、言わずと知れたニッサンのベストセラーカーです。特に先代は、最も苦しかった時代にニッサンを支えた
      数少ない「売れる車」であり、命綱でもありました。
      ここ数年、トヨタの「ヴィッツ」シリーズやホンダの「フィット」の登場により、この1000〜1500cc級の小型車が激戦
      区となっています。そこで、これらのライバルに勝つためにマーチもモデルチェンジすることになったのです。

      新型マーチの外見は個性的です。縦長楕円のヘッドランプをフェンダー上部に配置するという、極めて独創的なデ
      ザインで、雑誌などで最初に見た時に度胆を抜かれました。もっとも、その時は好意的な印象ではありませんでし
      たが・・・。
      しかし、これが実際に見ると意外に良いデザインに思えるのです。これは最近の車全体に言えることですが、デザ
      インが立体を前提としたラインで構成されているため、面でしか表現できない「写真」では、その「良さ」が伝わり難
      いのだと思います。だから、実際に見てマーチのデザインが非常に洗練された合理的なモノだと感じたわけです
      ね。
      具体的に説明すると、現行スカイラインのようにドライバーが車両感覚を掴み易いようにフェンダー部を盛り上げて
      いるわけですが、そこにライトを配置することで、夜間でも容易に車幅を認識できるようになっているわけです。
      さらに、サイドウインドウの下端ラインも「ヴィッツ」「フィット」のように後ろの方がせり上がるデザインを採用していま
      せん。これも、ドライバーの視界を確保するために、敢えて流行のデザインを採用しなかったためです。
      こういった徹底した目的意思は見事だと思いました。

      僕たちの相手をして下さっていた、年配の店員さんが言いました
      「試乗車ありますが、どうされますか?」
      「お願いします!」
      というわけで、この新型マーチに乗って来ました。

                 試乗車の詳細
メーカー ニッサン
試乗車 マーチ グレード 12c(5ドア)
ミッション 4AT
ホワイト
排気量 1240cc(直列4気筒DOHC)
駆動方式 FF

      試乗車は中間グレードの1200ccです。一応、1000ccと1400ccのエンジンもあるようですが、メーカーが最も
      「売れる」と考えているのは、この排気量だそうです。実際、このグレードのみにMTの設定がありました。・・・で
      も、やっぱりトップグレードの1400ccにもMTを用意して欲しいなぁー(笑)。
      さて、室内ですが、これはフィットほど広くはありません。もっとも、先代マーチよりは広々としているため、特に不
      満はありませんでした。小物入れの類いも充実しています。しかも、トヨタ&ダイハツのような「手当たり次第」な
      印象はなく、
その位置に「さり気ない」気配りが見えて良かったです。例えば、サングラス入れをサンバイザー裏
      に設けるとか、助手席ダッシュボードの中に、もう一つの仕切りを用意するとか・・・。非常に実用的で考えられて
      いると思いました。
      そして、運転席からの視界!これは良好!本当に見やすい!実際に走りはじめても、周囲の状態がわかりやす
      いので、変に緊張したりしなくてすみます。これは良いですね。
      3人乗りしていた事もあって、エンジンのパワーはちょっと非力に感じましたが、まあコミューターという用途から考
      えれば、特に問題はないでしょう。高速道路とかに頻繁に乗る人のために1400ccも用意されているわけですし
      ね。
      「うわ!回る!」
      交差点でハンドルを切ってみると、尋常じゃなく小回りがきくことがわかります。最小回転半径4.4mは伊達では
      ありません!これだけ回れば、狭い路地でも楽々入って行けそうです。駐車時の切り返しもほとんどいらないで
      しょう。
      そして足回りのセッティング。これは意外に硬めだったのですが、スポーツ走向できるほどではありません。まあ、
      コミューターですからね(笑)。ただ、エライと思ったのは、あれだけ小回りできるにも関らず、直進安定性が高かっ
      た事です。スピードを上げていってもナーバスな挙動を感じることはありませんでした。
      「運転し易い車だなぁ。」
      たぶん、この感想が最もマーチという車を表現できると思います。本当に最高のコミューターだと思いました。

      マーチのオプションに、携帯電話の電子メールをハンズフリーで閲覧できる装置があります。これって企業で使う
      と威力がありそうですよね。その上、燃費も良いですし・・・。
      近い将来、マーチを社用車として大量投入する企業が増えるかもしれません。
      そうなると、あの独創的なデザインが街にあふれてしまうかも・・・。うーん、売れすぎて個性が個性でなくなる。
      これがマーチの数少ない欠点になるかも知れませんね(笑)。

 (2) モコ
      モコはニッサン初の軽自動車です。といってもスズキのMRワゴンをOEMした車なので、ニッサンオリジナルでは
      ありません。でも、軽自動車界の帝王たるスズキの車をニッサンがどのようにアレンジするのか興味がありますよ
      ね。それを確認するために見て来ました。

      のっぺりとしたMRワゴンと違って、モコのボンネットは現行プリメーラを彷彿とさせるデザインになっています。フロ
      ントのインテークを、太い柱が二つに割るというデザインですね。その中央にニッサンのエンブレムが取りつけられ
      ているのは、まさに「小型プリメーラ」といった感じです。正直言って、MRワゴンより格好良いと思いました。
      内部は色ちがいのMRワゴンといった感じですが、MRワゴンより淡目の色づかいをしているようです。高級感の演
      出ではニッサンのほうが上手いようです。その上、MRワゴンでは「優−低排出ガス」だった2WDのNA車で、
      「超−低排出ガス」を獲得し、さらにABSも標準装備されています。モコの方が平均で10万円ほど高いそうです
      が、これだけの差があるなら、むしろ「お得」なのではないでしょうか?
      「ターボ車のデザインだけはMRワゴンの方がまとまって見えるなぁ。」
      それ以外の理由でMRワゴンを選ぶ理由が見当たらないほど、モコの方が完成度は高いと思います。
      まあ、それでもeKワゴンのコストパフォーマンスには勝てませんけどね(笑)。


2.スバル フォレスター
   スバルのSUVであるフォレスターがモデルチェンジをしました。先代モデルはインプレッサ譲りの強力なエンジンを搭載
   し、見た目からは想像もできないほどの悪路走破性を持ち、丸いデザインが全盛の時代に角型のデザインを採用するこ
   とによって大きな人気を得ました。
   今や、スバルを支える柱の一つとなったこの車が、どのように生まれ変わったのか確かめに行って来ました。

   先代フォレスターの外観は、どちらかというと「無骨」な印象のある四角い車でした。新型はそのフォルムを継承しなが
   ら、「精悍」さと「気品」をプラスしたように見えます。特にリアから見る印象は大幅に変わりました。リアランプが三角形に
   なり、中央に大きく「SUBARU」の文字。サイズ的には先代とほとんど変化がないのですが、何だか一回り大きな車に
   見え、高級感と存在感が増したように感じました。
   もっとも、僕個人としては、このリア周りのデザインについては、先代の無骨さの方が好きですけどね(笑)。
   次に内装ですが、これはスバルらしく「すっきり」としています。「質素」というわけではなく、「機能的にまとまっている」
   という感じですね。僕の感覚的にはこれでOKなのですが、さらなる高級さを求める方のために、一応オプションでインパ
   ネ周りを「木目」にできるそうです。なるほど、これで多くのユーザーが満足できますね!
   室内で特に感心したのは、この車の後部中央座席のシートベルトでした。最近の車は安全性を高めるために、全席を3
   点式シートベルトとするケースが増えています。しかし、荷台があるワゴンやSUVなどでは後部中央座席用に3点式
   シートベルトを付けると、肩掛けベルトの支持部分を座席後部に付けなくてはならなくなり、結果として荷台が若干狭く
   なってしまうという欠点がありました。ところがこの新型フォレスターはこの支持部分を荷室天井に設置することによっ
   て、荷室の大きさを変えずに全席3点式シートベルトを実現していたのです。
   「これは凄いなぁ。」
   5人乗車しても、荷室を最大活用できるのは秀逸ですね。
   新型フォレスターは2000ccNA(SOHC)と2000ccターボ(DOHC)の2種類のエンジンにそれぞれ4ATと5MTを用意し
   ています。2000ccターボはインプレッサと同型式エンジンですが、扱いやすいようにデチューンされ、最高出力220馬
   力、最大トルク31.5kg/mを発生させています。実は、先代よりパワーは下がっているのですが、車の性格から考えれ
   ば特に問題はないでしょう。というより、これでも十分パワフルですよね。それに、280馬力級エンジンを搭載しながら、
   スポーツモードATすら選べないため、最大パワーを使えないエクストレイルGTよりは確実に走りを楽しめるでしょう。
   どちらも、高い悪路走破性を持っていながら、スポーツ走向もOKな車と言われていますが、僕の判断としては、ミッショ
   ン選択ができない段階でフォレスターの勝ちだと思います。最も、アウトドアスポーツ好きで、荷室丸洗い機能が欲しい
   のならエクストレイルGTという選択も理解できますけどね(笑)。
   最後に、エンジンルームを見せていただきました。冷却液のタンクが金属パーツを多用した物に代わってました。GC8
   では樹脂製なんですよねー。おかげで、ちょっとハードに走ると熱で冷却液が染み出てくる症状が発生してしまいます。
   「うらやましいなぁ。」
   最新車は、ちゃんと考えてあるんですね(笑)。
   
   実はインプレッサの限定車、S202のカタログももらって来ました。その中身を確認したのですが・・・。
   「めちゃくちゃ良いぞー!」
   ちょっと、フォレスターの印象が吹っ飛ぶぐらい良さそうな車ですね、これ。
   ここまで、STiカスタムパーツを多用しながら、360万円とは!安すぎる!!
   ・・・金があったら、即注文してるなぁ(笑)。


3.ヒュンダイ クーペ
   日本進出以来、セダン、VIPカー、ミニバン、SUVのみで販売を続けてきたヒュンダイが、ついにスペシャリティカーを日
   本市場に投入して来ました。その名は「クーペ」と言います。この車を見れば、ヒュンダイのスポーツマインドを知ることが
   できると考え、見に行って来ました。

   クーペは流れるようなラインで構成された美しい車です。ワイド&ローのスポーツカーらしい車体に精悍なフロントマス
   ク。よく見ると4灯になっているヘッドランプが格好良いですね。また、215/45ZR17という大きなタイヤが大迫力で
   す。
   「おー!速そうだぞ、この車!」
   そんな印象を周囲に与える見事なデザインだと思いました。
   しかし、ドア前部の車体サイドに設けられた熱抜きスリットは何でしょう?見た目は機能的に見えますが、蓋してあった
   ら意味がないですがな。それに、このマフラー・・・見た目は、左右に大径2本出しって感じで迫力がありますが、よく見
   ると中身は細い!それに、車体下まで見てみると、本来1本ですむマフラーを車体後端で2本に分け、さらに車体左右
   に強引に振り分けてる。これって、無駄な排気干渉しまくりな上に、延長したマフラー管の分だけ無意味に重量増加し
   ているだけなのでは!?
   「何じゃこりゃ・・・。」
   そして止めは、「標準装備」のサンルーフ!!車体剛性を低下させ、重量増加し、さらに重心を高くするという見事な装
   置!オプションならまだしも、標準装備とは、どういうことだ?
   駆動方式がFFなのはともかく、NAの2700ccのV型6気筒DOHCエンジンを搭載していながら、最高出力175馬力、
   最大トルク25.0Kg/mとパワーは大人しめ。おそらく扱いやすさに振っているのでしょう。しかし、ミッションについては
   4ATだけでなく6MTも用意しています。
   エンジンは他の車種からの流用が考えられるので、パワーの面は置いておくとしても、6MTを準備しながら「走る」事の
   楽しみを設計と装備で否定しているのは、矛盾以外の何物でもありません。こういう中途半端な思想で作られた車です
   から、スポーツカーとしての「走りの楽しみ」は期待しない方が良さそうです。
   そうなるとデザイン重視の格好の良い車。まあ、いわゆるデートカーとしての可能性ですが・・・。この車、室内がとんで
   もなく狭いんです!後席は言わずもがなですが、(これは、クーペなので仕方が無いと思います。)運転席ですら天井に
   頭がぶつかってしまうのです!本当に同じアジア民族の設計だろうかと疑ってしまいました。
   「デザイン優先のバブルの申し子」
   あの頃の日本車を彷彿とさせる車ですね。無意味に大きく、無意味に低く、そして走る楽しみも与えない・・・。既に目の
   肥えてしまった日本人には受け入れられない気がします。だいたい、こういったスペシャリティーカーって市場人口が
   減っているんですよね。デートカーとしてのステータスもミニバンに移ってしまいましたから、生き残る方法は、よりリアル
   なスポーツカーか、より日常的に使える居住性を併せ持った車を目指すしかない。・・・どちらでもないこの車に魅力を感
   じる人がいるでしょうか?強いて言うなら、「昔クーペに乗りたかった熟年世代」が、憧れを叶えるために乗るのかな?
   性能ではなくデザインを楽しむために・・・。
   とりあえず、僕の購買意欲をまったく刺激しない車であるのは間違いないようです。

   ヒュンダイは日本進出前に、かなり日本の車事情を調査したと店員さんに聞きました。でも、そのデータは古すぎます
   ね。確かに、トラジェやサンタフェのコストパフォーマンスは魅力的ですが、スポーツマインドを満足させる「走りの付加
   価値」には期待しないほうが良いです。まあ、そのうち気づいて、魅力的なモデルを投入して来るかもしれません
   が・・・。
   

4.ミニ
   先代ミニは英国が生んだ世界的名車です。小さく可愛いボディに「実用性」と「走りの楽しさ」を押し込め、半世紀近い時
   間をかけて多くのユーザーに愛されてきました。ある意味イギリスを代表する車だったと言えます。しかし、新型ミニは
   英国ではなく、ドイツのBMWが「ミニ」の版権をローバーから買取って開発した車なのです。
   「ミニの後継車」「BMW製FF」興味の方向は色々ですが、この話題車を見ないわけにはいかないので、正規取扱店ま
   で行って来ました。

   新型ミニは丸目2灯のヘッドランプや平らなルーフなど先代のデザインを踏襲しながら、現代風の3次元的なデザイン
   を採用しています。車全体のサイズは先代が全長3050mm、全幅1410mmに対して、新型が全長3625〜3655mm、
   全幅1690mmと格段に大きくなっているので、かつてのミニファンからは敬遠されるかもしれません。しかし、現代の厳
   しい衝突安全テストをクリアしなくてはならないという事情を考えれば、これも仕方が無いのだろうと思います。それに、
   これはこれで結構格好良いですしね(笑)。
   デザインで大きく目を引いたのが、車体サイズから見ると随分大きなタイヤを履いていることです。オプションで205/45
   の17インチタイヤまで用意しているぐらいですから、いかにスポーツ走行に力を入れているかがわかりますね。試乗前
   から期待が大きく膨らみました。

               表.試乗車の詳細
メーカー BMW
試乗車 ミニ グレード クーパー
ミッション 5MT
リキッド・イエロー
排気量 1598cc(直列4気筒SOHC)
駆動方式 FF

   試乗車はNAのスポーツグレードであるクーパー。何故かマニュアルミッション車。他にATの試乗車もあったようです
   が、店員さんにこちらを勧められました。さすがにプロは客の嗜好を掴むのが早いようです(笑)。
   車内は意外に広く、後席でもゆったりと座れます。さすがに後席では足元のスペースはありませんが、座面が広いので
   思ったより楽でした。車に酔いやすい僕でも1時間程度なら問題なく耐えられるかな(笑)?
   次に前席ですが、スピードメーターはインパネ中央に配置されています。まあ、一種のセンターメーターですね。でも、
   タコメーターは運転席の前にありました。さすがにBMWはわかっているようです。より運転に重要なタコメーターだけ
   は、見づらいセンター部に配置しなかったのですからね。
   ちょっと気になったのはルームミラーの大きさです。これは小さいと思います。実際の視界は問題ないようですが、僕な
   らここに社外品の大型ミラーを付けるかもしれません。まあ、好みの問題かもしれませんが・・・。
   さて、実走です。エンジン音はそれほど気にならない程度の音量です。そして、意外なほどにパワーがあります。カタロ
   グ値では116馬力だそうですが、もっとハイパワーな気がしました。
   「これだけパワーがあるならクーパーSなんて必要あるの?」
   トップグレードのクーパーSにはスーパーチャージャーが搭載されていて、最高出力163馬力も発生させているのです。
   この試乗車の1.4倍のパワーというのは相当速いと思います。しかも、クーパーSにはゲトラグ製6MTが搭載されてい
   ますから、かなりの実力があるはずです。
   ちなみに、ゲトラグ製ではありませんが、試乗車であるクーパーの5MTもかなり良い出来です。カチカチと素早くギア
   チェンジができる上、ひじょうにしっかりしています。このシフトチェンジの楽しさは、マニュアル車にとって最大の魅力で
   すから、こういった所がちゃんとしていると嬉しいですね。
   「このブレーキ、良く効くなぁ。」
   また軽量ゆえにブレーキが優秀です。サスペンションも硬めで揺り返しなどもありません。しっかりと車体を支えていま
   す。これならスポーツ走行も容易にこなせそうですね。
   最小回転半径5.1mということで、街中での取りまわしも楽そうですから、コミューターとしても十分な能力があります。
   これは、かなり良い車だと思いました。さすがにBMWが作る車に隙はありません。

   新型ミニは楽しい車です。確かに先代ミニほどコンパクトではありませんが、間違いなく走る楽しさを堪能できる車だと思
   います。実用性も高く、「BMWミニシリーズ」と呼ぶとしっくりするかもしれませんね。


5.トヨタ イスト
   他の国産メーカーが車種を減らして収益率を上げようとしているにも関わらず、トヨタは新型車種を続々と投入していま
   す。イストもそんな車の一台です。負けず嫌いのトヨタがホンダの大ヒット車フィットに対抗するために、ほぼ同じコンセプ
   トで纏め上げてきたのがイストなのです。果たして、ヴィッツの屈辱をイストで晴らすことができるのでしょうか?
   それを確認しに行って来ました。

   フィットとヴィッツは小型車という意味では同じですが、実は若干ジャンルが違います。ヴィッツはコンパクトなコミュー
   ターとしての機能を特化させていますが、フィットはそこに居住性と荷物収容力の向上を図っているのです。まあ、ヴィッ
   ツとファンカーゴの中間を狙っていると言えばわかり易いでしょうか?
   イストはこのフィットのコンセプトに真っ向勝負を挑むために開発されました。サイズ的にはフィットより全長で25mm、全
   幅で20mm、車高で5mm大きく、エンジンもフィットが1300ccしかないのに1500ccまで準備しています。
   デザイン的にもスマートなライン構成のフィットと違って、フェンダー部分を幅広にしたグラマラスなボディーをしていま
   す。フィットに対する付加価値として「動力性能」を強調してきたわけですね。
   実際、店員さんも、
   「走りではライバルに勝っていますよ。」
   と言っておられました。

                      表.試乗車の詳細
メーカー トヨタ
試乗車 イスト グレード 1.3F
ミッション 4AT
ダークブルーマイカメタリック
排気量 1298cc(直列4気筒可変バルブタイミングDOHC)
駆動方式 FF

  試乗車は最も標準的な仕様である1300ccの2WDでした。乗りこんでみると、室内は黒を基調とした未来的なデザイン
  で、センターメーターを採用しています。デザイン的には格好良いと思いますが、センターメーターはどうでしょう?確かに
  コミューターとしては問題無いのかもしれませんが、「走り」を強調するという意図があるのなら、これはどうかと思います。
  まあ、所詮はコミューターの範疇の走りということなのでしょうか?
  それに、この小物入れの自動ライトアップ機能は何でしょう?運転席のドアが開くとインパネ中央の小物入れ内のライトが
  点灯するのですが、特に実用性があるとは思えません。室内灯が別にあるわけですからね。
  「何ですか?この機能は?」
  「はい、ドライバーを車がお迎えするというコンセプトでライトを点灯させるようになっています。」
  つまり、無意味な機能ということですね。・・・まあ、趣向の違う人なら喜ぶかもしれませんが、僕には無駄以外の何物にも
  思えません。確かに小物入れ内にライトがあるのは便利ですが、ドア開閉と連動させる回路は無駄でしょう?この分の部
  品代を負担するのは、庶民で貧乏な僕には馬鹿らしく思えてしまいます。本当に、前座の芸にも満たない小技はやめて
  欲しいなぁ。見ていて興醒めするから(笑)。(ちなみに、オプションでライトの色が変えられるそうです。・・・オイオイ。)
  室内の広さは、サイズから考えれば十分に広いです。後席足元なんて、僕のGC8より広いことは確実でしょう。しかし、
  最大のライバルであるフィットには勝っているとは思えません。むしろ、狭い気がします。実際、両者の室内長を比較する
  と30mmほどイストの方が短いので、この感想は正しいと思います。フィットは燃料タンクを前席下部に移動させることで
  実質的な床面積を拡大しているのですが、トヨタではこれに対抗できるアイディアが出なかったのでしょう。
  まあ、どちらも必要十分に大きいので、特に致命的な差ではないと思いますけどね。
  エンジン音はほとんど聞こえません。走行時のロードノイズ程度しか室内に入ってきませんので、静粛性は高いと思いま
  す。また、1300ccとしてはパワーもあります。さすがに可変バルブタイミング機構付きですね。この上、1500cc搭載車
  なら、なるほどライバルを凌駕する「パワー」を持っていると言えると思います。でも、店員さんが「走り」と言った以上は、
  きっとサスペンションもスポーツ走行可能なレベルに違いない!
  ・・・といのは、やっぱり期待はずれでした(笑)。確かに、コミューターとして使うなら問題はないのでしょうが、相変わらず
  のトヨタの足回りなので路面状況と自車の接地状態が掴みにくく、その上揺り返しを起こしています。これで、「走る」とい
  う表現はどうかと思うのですが・・・。
  「パワーのあるコミューター」といのが好意的な評価ではないでしょうか?荷物が多い人や、高速走行を頻繁に行う人に
  はコストパフォーマンス面から考えると良い選択だと思います。そういう意味でならヴィッツよりは良い車かもしれません。
  でも、最小回転半径とかシートアレンジの容易さとかを考えると、やっぱりフィットの方が勝ってる気もするなー(笑)。

  実はイストを見に行く前に、前述のミニを試乗していました。その印象もあってか、ちょっとイストへの評価は厳しかったか
  もしれません。でも、フィット相手に市場競争で勝つためには、形を真似るだけでは駄目だという気がしたのも事実です。
  実際は、トヨタ車というブランド効果がイストには追い風になるのでしょうが、それを当てにした車作りでは駄目ですしね。
  後出しの車は先駆車を凌駕していて当然なわけですから、それが同等程度なら辛口に言われて当然だということです。
  ・・・せめてマニュアルミッションが用意してあったらなぁ。僕的にはフィットと並ぶ評価をしても良かったのですが(笑)。




マーチ、イストが発売され、国産小型車競争がいよいよ激化してきました。ここにマツダの新型デミオがデビューすれば、いっ
たいどうなる事でしょう?ちょっと楽しみですね。

実は、上記以外にも、かなり強烈な車を見に行っています。何を隠そう「ポルシェ 911カレラクーペ」です。
展示している実車はドアをロックしたままで、店員さんも無言なまま。うーん、ここまで敷居が高いとは(笑)。まあ、ジャガーみ
たいに慇懃無礼な態度よりは、よっぽどマシですけどね。
とりあえず、外からじろじろ見るしかなかったので、本文としては書きませんでした。でも、あれは確かに存在感がある車で
す。有無を言わせぬ迫力がありました。
まあ、庶民である僕には手が届かないので、カタログで満足するしかありませんが(笑)。