「お風呂場で…」  第1話
 親指から小指まで、丁寧に一本いっぽん。両手の指を先から根本までゆっくりと折られるような人生だったと思う。
 それでも何とか毎日が過ぎ去って行くものだと思っていた。
 でも、小雪が舞い落ちる昼下がり、家のお風呂場で「わたし」は死んだ。

 そして、何処でもない何処かで目を覚ました。

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