「お風呂場で…」 第23話
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私は私を見ていた。 特別な感情はやっぱり生まれない。ただ、少しいびつに膨らんだ私を何も考えずに見ていた。 「もう、いい?」 死に神さんがいった。 「もう少し、ココにいたいです」 「そう…」 そして、柩のふたをお父さんが閉めた後も私は私のそばにいた。 「もういいでしょ?」 「もう少し…、ココにいさせてください…」 特別な感情はなかったけど、ココにいるべきだと思った。 「すこし別の場所に行こう…。ココにあまりいない方が良いと思う…」 「でも、もう少し…。ココにいたいんです」 「アナタの考えは尊重する。私はそう言う存在だから…。 でも、ずっと自分自身を見下し続けるアナタを見るのは、その…。すごく、辛い…」 |