「山の中でひとり」 第40話
彼は山の神様を怒らせ、命を奪われることによってその責任を取った。 だから、彼を罵るのはルール違反だ。おじいちゃんがいたならきっと怒られる。 貴方が捨てた物で私はここまで命をつないだ。貴方がいなければ私はもう死んでいたかもしれない。でも、貴方は馬鹿だ! 破棄したデイパックを足したとしても、こんな貧弱な装備で深い雪山を渡りきれるわけがない! 貴方にも私と同じように帰らなきゃならない家があるはずだ!! どうしてこんな所に来たのよ!?
体格がお父さんと同じだったせいだ。 私は彼にお父さんの面影を感じて耐えきれず、泣いた…。
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