「山の中でひとり」 第42話
私は彼の耳を切る。そして彼の人差し指を切る。 風にさらされて十分に乾燥しているから腐ることはないし、これなら小さくても人間の物だと分かる。 それをパンツに丁寧にくるんで新聞紙で包んだ。 彼の身体は傷だらけだったから、これ以上傷つけるのは気が引けた。でも、私は彼の死を誰かに知らせたかった。
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