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彼は左の鎖骨が折れているようだった。 雪山で重傷を負いながら、ここまで歩いてきた。 雪庇を踏み抜いて沢に落ちて、もうまともに動けない身体でそれでも山を下りようとした。家に帰ろうと頑張った。 ものすごい事だ。 お父さんがこれだけ頑張り屋さんなら、私やお母さんを捨てなかったと思う。 ガールスカウトに入って２年目が過ぎた日に先生に家に帰れと行った。 空港に迎えに来たおじいちゃんから、お父さんがいなくなった事を聞いた。 うちの玄関先でお母さんはお父さんが私たちを捨てた事を教えてくれた。 彼とお父さんについて複雑な気分になってしまった。だから今日はもう歩くのをやめて彼といた。
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