3日目。
彼に別れを告げて歩き続けた。彼の水筒に入れた沢の水がありがたかった。
まだ、山から出られない。
4日目。
道祖神の手招きにあったのか、昼頃に舗装された道に出た。
そこは車一台がようやく通れるような道で、右はコンクリートで固められた山肌。左は崖。ガードレールすらない。
これじゃまるで…、和歌山の三桁国道かおじいちゃんが言っていたホーチミントレイルのようだ。
たとえ和歌山の三桁国道の様な道でも、山を出ることが出来た。
さぁ、うちに帰ろう。
お母さんは待って無いと思うけど、おうちに帰ろう。
だって、子供は親元に帰るものだから。
お父さんは私達を捨てた。だから私はお母さんの元に返る。
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