「山の中でひとり」 第61話
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その後、おじさんがおばちゃんにデリカシーがないと怒られたり、この寝間着は誰の趣味なのか問い詰められたりした。 私としてはこのお寝間だとお腹が冷えそうだったので腹巻きが欲しかった。 おじいちゃんも女の子がお腹を冷やして茶行けないって行っていたけど、わがままを言っちゃダメだと思ったから黙っていた。 おばちゃんに借りた作業服のカッターで代用しよう。 居間に布団を引いてくれたのは、おじさん達の私への意思表示だと思う。こんなことをされたら、黙って逃げる事はできない。 昼間寝過ぎたせいで何回も起きた。ふと窓の外を見ると動く影。自転車。 カーテンの後ろに隠れる。ウマい具合に月明かりの加減で窓に影が映る。自転車はおばちゃんの畑の方向に走り去った。 あれがサトシ君か…
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