「あらまぁ、随分ペーハー値が高そうねぇ」
おばあちゃんが呆れながらお風呂場に連れて行った。
服を脱いでシャワーで身体に付いたゲェを洗い落とす。
用意してくれていたおばあちゃんの服を着る。スゴく…大きい。
「手直しするからちょっとこっち来なさい」
そう言っておばあちゃんは背中に布を寄せて、肩口を調節してくれた。
それから胸の下くらいを紐で縛って簡単なアッパッパが出来た。
通気性が良くていい感じ。
おじいちゃんがお父さんの骨壺の入った箱をおばあちゃんに手渡した。
「親不孝な子供でした。末っ子だから好きに生きるって言って島を出て、ほとんど連絡もよこさなくて…。 娘と嫁を放り出して失踪したって連絡を受けたときは、本当に驚いて、申し訳なくて。毎日泣いてました。」
大きくため息をついておばあちゃんは悲しそうに笑った。
「詳しいことを聞きたくても嫁には連絡も取れないし、会いに行っても拒否されるし…。息子は非道いろくでなしになってしまった。そう思って自分を責めていました。」
震えながら、おばあちゃんは箱を抱きしめた。
「たとえろくでなしになっていたとしても、それでもいい。いつかこの島に戻ってきてくれると思っていました。」
私はおばあちゃんの手を握る。嗚咽しながら、おばあちゃんは私の手を握って笑った。
「ごめんね。ありがとう。言いたいことが沢山あったのに…、ホント。馬鹿で、親不孝な子よねぇ…。」
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