「山の中でひとり」 第177話
いくら自分を誤魔化して、忘れたふりをしてもお母さんはいた
ヒトは壊れようと思って、壊れる準備をする 何かきっかけを求め、 そして、そのきっかけを言い訳にして壊れていく
それはまるで、薄い膜を一枚一枚はぎ取るように まるでツタが木に絡まるように ゆっくりと確実に壊れていく
お母さんはたおやかに笑うヒトだったらしい。 私は、その笑顔を私に向けてくれたことを思い出せない
だけどお母さんはいつも優しく笑っている。 私はあなたのきっかけをきっかけを詮索するような真似はしない
そこで笑っているがいい そうやって笑っているがいい
私は負けない
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